「新型コロナウイルス」の感染拡大によって、様々な「文化イベント」が中止・延期になっているのは、ご存じの通りだ。
このまま中止・延期が続けば、このような仕事に携わっている人たちの「生活」そのものに影響が出てくる、という指摘も再三されてきた。
にもかかわらず、国が重い腰を上げないのは先日エントリした通り「マズローの欲求の階層」としては、上位にあるため生活者の理解を得られにくい、という点がある。
とはいうものの、これらの「文化イベント」に携わっている人たちにとって「仕事が無い」ということは、「生活」に関わる大きな問題でもある。
日本の場合、国が積極的に「文化イベント」に関わることが余りない(少なくとも、そのように思える)為に、このような事業に携わる人たちを支援する「基金」そのものも、おそらく無いのではないだろうか?
反面、文化庁が後援している美術展などには「補助金」が、支給されるようになっている。
昨年、様々な議論を呼んだ「あいちトリエンナーレ」だが、この美術展も文化庁の後援があり補助金が支給されることになっていた。
ところが「表現の不自由展」によって、補助金の支給が止まっていた。
その補助金が、減額はされるのだが支給されることが、先日決まった。
文化庁:あいちトリエンナーレに対する補助金の扱いについて
補助金が支給されることになって、「あいちトリエンナーレ」の関係者一同は、安心されたと思うのだが、実は「あいちトリエンナーレ」という、「文化イベント」そのものは黒字で閉幕しているのだ。
朝日新聞:トリエンナーレ黒字見込み 名古屋市が負担金不払いでも
「あいちトリエンナーレ」開催に当たっては、文化庁からの補助金給付が決まっていたのだから、支給されるのは当然だ、という考えもあるとは思う。
思うのだが、このような社会状況を考えると「芸術文化を支える」という意味で、返納するということも考えてみてはどうだろう?
そもそも「その補助金がどのように使われているのか?」愛知県民の多くは知らないのでは?と、考えている。
今は、人口密度も高い東京での感染者数が爆発的に増えているが、1週間半ほど前までは愛知県が多かった。
しかも、「新型コロナウイルスに感染している」と言って、スナックなどに出かけ、新たな感染者を出す、という暴挙に出た感染者もいたのだ。
暴挙に出た感染者個人の問題とはいえ、社会的不安を呼び愛知県のイメージを下げたということには、変わりないだろう。
とすれば、「あいちトリエンナーレ」そのものが事業イベントとして黒字なら、補助金を受け取らず「今一番困っていて、芸術文化を支える人達の為に使ってもらう」という提言も必要なのではないだろうか?
大村愛知県知事には、是非「補助金返納」という決断を、愛知県民の一人としてお願いしたい。