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JASRACはなぜ、世間から反感を受けるようなことをするのか?

2017-11-08 20:13:09 | アラカルト

Yahoo!のトピックスにも取り上げられていた、JASRACの映画館からの「音楽使用料」。
元となったニュースは、Bazz Feed Newsに取り上げられていた記事だ。
Bazz Feed News:JASRAC、映画音楽の上映使用料を引き上げ 劇場側は「死活問題」と反発

映画には音楽がつきものだ。
それは無声映画の時代から、映画は音楽と共にあった。
当然、その音楽には作者がいるわけだから、著作権が発生してもおかしくはないと思う。
著作権があるのだから、対価として支払うことには問題はないと思う。
そして多くの映画ファンは、映画の代金の中にその著作権の対価も含まれている、と思っていると思う。
何故なら、上述した通り「映画と音楽はセット」だからだ。
ただ、この記事を読んだとき「なぜJASRACは、世間から反感を受けるようなことをするのか?」という気がしたのは、私だけではないと思う。

JASRACが、世間から反発を持たれるのは今回が初めてではない。
ご存じの通り、音楽教室から徴収する、と昨年発表し世間から大反発されたからだ。
音楽教育を目的としているのに、何故営利目的での使用を対象とした使用料を支払うのか?というのが、争点となっている。
そして今度は、映画館だ。

映画ファンだけではなく、映画そのものを見ない人たちにとっても、このニュースは衝撃的だったと思う。
理由は、「なぜ、使用料を引き上げなくてはならないのか、理由が分からない」からだ。
今回引き上げの対象となっているのは、洋画のようだが、洋画こそJASRACがあれこれ言う必要があるのだろうか?
洋画の場合、既に配給会社が映画製作会社に対して、何らかの使用料を支払っているのでは?と、思うからだ。
とすれば、二重取りにならないのか?という、疑問も(個人的には)ある。
そのようにしてJASRACが徴収した使用料は、本当に製作された国の著作権管理会社へ送られているのだろうか?
と、いくつもの疑問というか疑念がわいてくるのだ。

確かに、一律18万円というのは、興行収入を無視したような使用料金の設定ではあるが、現在の設定料金の在り方そのものを検討したうえでの、結論ということなのだろうか?
もちろん、最初の一律18万円という設定が、どのような考えで決められたのかという説明もない為、ますますJASRACに対する不信感が強くなってしまうのは、当然の事だろう。

もう一つ理由があるとすれば、随分減ってしまったとはいえ、テレビで放映される映画の場合は、どうなるのか?という、不安もあるはずだ。
特に人気のスタジオ・ジブリの作品やハリーポッターシリーズなどは、年に数回民放テレビ放映されている。
そのような場合は、どうなるのだろう?

音楽教室の件しかり、今回の映画館しかり、JASRACの「著作権使用料」に対する考え方は、世間から理解されないことばかりだ。
何故理解されないのか?と言えば、徴収したお金の流れが全く見えてこないからだ。
それだけではなく、JASRAC側が言う「音楽の文化振興につながっている」とは思えないと世間で感じている人があまりにも多いからだ。
今のJASRACのやり方は、単に「いかに楽して、お金を儲けるのか?取りやすいところからお金を集めたい」という態度にしか見えない、という世間の感覚を、JASRAC側は感じて、考え、行動をする必要があると思うのだが・・・。

追記:どうやらこの問題の発端は、アジア・太平洋音楽創作者連盟(APMA)からの申し入れだったようだ。
中日新聞:興行収入に応じた音楽使用料を 洋画上映で作曲家ら
アジア・太平洋音楽創作者連盟が関わっている映画は、日本ではどれくらい上映されているのだろう?という、疑問が新たにわいてきた。
日本で上映される「洋画」の多くは、米国か欧州で製作された映画という印象があり、APMAが関わっている映画上映はどれくらいあるのだろうか?
JASRACには、是非この団体が関わる映画の興行収入の具体的数字を出してもらいたいものだ。