日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

男性の経営トップしかいない、女性活躍応援団

2017-11-09 20:27:34 | アラカルト

Huffpostに、男性経営者ばかりがずらりと並んだ写真がトップに掲載されていた。
Huffpost:全員男性「かながわ女性の活躍応援団」にモヤモヤの声……県は「このコンセプトが今最も適している」

確かに、女性の活躍を期待しているのに、男性経営者ばかりというのは違和感がない訳ではない。
神奈川県側が言うように、日本の経営トップの9割は男性だ。
残り1割の女性を取り上げようとしても、企業規模などを考えると社会的インパクトが大きいとは思えない。
その視点で考えるなら、このようなアプローチもあって然りという気がする。

むしろ、ここで考える必要があるのは、このずらりと並んだ経営トップの企業が、どのくらい女性の管理職者かいるのか?などの具体的な成果なのでは?
他にも、女性が活躍しやすい環境をどれだけ整えているのか?という、現実的な「女性が、ライフイベントに合わせた活躍ができる環境を整えているのか?」という点に、注目すべきだと思うのだ。

というのも県の担当者が、この「応援団」の目的の一つが中小企業にも影響を与えたい、という考えがあるとインタビューに答えているからだ。
大企業と中小企業とでは、経営環境が大きく違う為、大企業ができることをそっくりそのまま中小企業に当てはめて考えることはできないが、参考となる点は多いだろう。
場合によっては、中小企業のほうが、女性が活躍しているかもしれないのだが、制度的なサポート体制などは大企業のほうが充実していると考えられる。
中小企業単体では難しいことでも、保険組合などを活用して業界全体でサポートする制度をつくりだすこともできるかもしれないのだ。

もう一つ考えなくてはならないのは、経営トップの男性自らが、女性社員が活躍しやすくするために男性社員に対して、どのようなアプローチをしているのか?という点も大切なのではないだろうか?
例えば「育児休暇」は、「男女問わず取得できる」という制度になりつつあるはずだが、現実には男性社員が「育児休暇」を取得できる状況ではない。
例え取得したとしても、その日数は数日~10日間程度なのではないだろうか?
この程度の取得日数で、本当に「育児休暇」と呼べるのか?
そんなところから、改めて考え直す必要があると思う。

「女性の活躍」という言葉には、「女性が頑張って活躍」というニュアンスが感じられる時がある。
しかし、本当に女性が活躍をするためには、男性の理解も行動も必要なのだ。
そのために何が必要なのか?そのためのプログラムは?・・・という、具体的な提案がこの「応援団」からされることが、一番重要だと思う。

ポスターにずらりと男性の経営者+県知事が並び「女性の活躍応援団」というビジュアルだけにこだわっていては、本当の「女性の活躍」はまだまだ遠いような気がするのだが・・・。