新聞各社が、ある商品の販売終了のニュースを報じている。
「ある商品」というのは、明治の「カール」だ。
日経新聞:明治「カール」、東日本での販売終了へ
約50年という長い期間、販売されてきたスナック菓子の「カール」だが、最近ではポテトチップス系のスナック菓子に押され、売り上げを落としていたことが、販売終了の理由のようだ。
売り上げがあまり良くない東日本~中部地区が、販売中止の対象となるという。
ご存じの方も多い「カール」には、「カールおじさん」をはじめとする人気キャラクターがいる。
それだけではなく、三橋美智也さんが歌われていたCMソングも、テレビCMの映像とマッチして人気が高かった。
youtube:いいもんだな故郷は 三橋美智也
このCM人気もあり、コンスタントな売れ行きがあったと、思っていたし、時々「〇〇味復刻」という商品が登場していた、ということを考えると、時代に合わせて味も変化をさせていたはずだ。
確かにスナック菓子市場での一番大きな市場を持っているのは、「ポテトチップス系」だろう。
参入している企業も多く、味のバラエティーも多い。
生活者側からすると、ポテトチップスという商品でありながら「(味の)選択肢が多い商品」ということにもなる。
それに対して、「カール」をはじめとする「コーン系スナック菓子」となると、参入企業もポテトチップスほどではないような記憶がある。
駄菓子系(というのだろうか?)の「うまい棒」、「キャラメルコーン」と「カール」くらいが、同じような食感を持っているコーン系スナック菓子で、同じコーン系スナック菓子と言っても「ドンタコス」のようなトルティーヤ系とは違う。
味覚という点では「キャラメルコーン」は、商品名の通り「甘いコーンスナック菓子」になり、「カール」とは違うことになる。
生活者側からすると、選択肢が少なく、食べる機会が限られてしまっていた、ということになるのかも知れない。
テレビCMとは別に、「(食べる)生活シーン」の提案などがあれば、市場を拡大することができたのかもしれないし、SNSなどを通して「カール、ちょい足しレシピ」のような、オリジナルな食べ方などを生活者から提案してもらうなどすれば、違っていたようにも思う。
そう考えると、やはりスナック菓子の市場である程度の市場規模を取ることができなかった、ということが販売中止の理由となってしまうのは、仕方のないことかもしれない。
ただ、約50年という長い間販売し続けることができた、という点で考えれば「ロングセラー商品」であったコトには、間違いないと思う。
ネット上でも「残念」とか「ショック」というコメントをたくさん見ることができるのは、それだけ多くの人から支持を得られていた商品であった、ともいえる。
「ロングセラー商品」を支える「商品(やサービス)に対する親しみ度」という点で考えれば、たやすく販売終了できる商品ではなかっただろうし、「カール」という商品のブランド価値は高かったのではないか?と考える。
CMで起用していた「おらが村」のキャラクターたちは残るようだが、できれば「期間限定」のようなカタチでも良いから、時々は市場に登場して欲しい・・・と思っている。