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フランス大統領選の結果は、民意を反映しているのか?

2017-05-08 18:42:21 | 徒然

フランス大統領選の結果は、ご存じの通り「中道派」と言われる、マクロン氏が勝利した。
毎日新聞:仏大統領選 決戦投票 マクロン氏がルペン氏に大差 国民「親EU」選択 史上最年少39歳

「若く行動力がある」ということへの期待感なのか?それともマクロン氏の華やかな経歴(「金融界のプリンス」という異名があるそうだ)によるものなのか?はたまた「既成政治に対する不満の受け皿」になったのか?
その中には「移民政策」や「EU(に対する負担金)」といった問題も、含まれているはずだ。

とはいうものの、フランス国民が積極的な投票結果によるマクロン大統領誕生とは言えない、という指摘がすでにされている。
HuffPost:フランス大統領選で無効票・白票が50年ぶりの多さ「どちらの候補も信条に合わなかった」の声

フランスの大統領選は、米国の大統領選と同じように選挙民が事前に「選挙登録」をする必要があるらしい。
日本のように、18歳以上なら無条件に選挙の案内が来るわけではない、ということになる。
「選挙登録」をするという時点で、既に「投票をする」という意思表示をしている、ということになるともいえる。
「投票の意思」がありながら、白票や無効票が多い、ということはHuffPostの見出しの通り「候補者を選べなかった」ということになるだろう。
「無効票や白票が多かった」ということは、マクロン氏を大統領にしたかった、という選挙民は全体的な割合で考えれば、獲得よりずっと少ないということになる。
それはルペン氏についても、同じことが言える。
穿った見方をするなら、マクロン氏、ルペン氏どちらの候補者に投票した人の中にも、積極的な意思をもって投票したのではなく、「二者選択」に迫られて投票をした、という人も含まれている、ということが考えられる。

今回のフランス大統領選は「トランプ氏に続く、ポピュリズムの象徴となるのか?」と、注目された選挙でもあった。
「ポピュリズムの象徴」のように言われたルペン氏が当選しなかったことを考えると、フランスの選挙民の冷静さというモノも感じる。
だからと言って、マクロン氏が選挙民の支持を得たのか?というと、無効票や白票の多さを考えると、支持を得たとはいいがたいような印象を受ける。

同様に日本の投票率の低さ分を「無効票あるいは白票」と考えた時、日本の政治家が本当の国民の代表である、と言い切れるのだろうか?と政治家自身が、考える必要があるのでは?ということも考えさせられる。

マクロン氏は、無効票や白票を投じた選挙民に対して、どう考えているのだろう?