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オバマ大統領の「広島スピーチ」

2016-05-27 21:09:27 | 徒然

戦後初、米国大統領が広島を訪問した。
おそらく、オバマさんだったからこそ実現したのかもしれない。
そんな気がしている。
そして、慰霊碑の前でのスピーチは「核」という問題だけではなく、あらゆる「戦争」について言及をする内容だったように思う。
HUFFPOST:オバマ大統領の広島スピーチ全文

それだけではなく、全文を読んでみると「核」や「過去の戦争」について述べているだけではない、ということに気が付く。
それはスピーチ中ほどのところで「宗教」について、触れている点だ。

「私たちの偉大な宗教は、愛や慈しみを説いています。しかし、それが決して人を殺す理由になってはいけません。国が台頭し、色々な犠牲が生まれます。様々な偉業が行われましたが、そういったことが人類を抑圧する理由に使われてきました。」

この一文は、もしかしたら「宗教」の名の元にテロを繰り返している「ダーイッシュ」や、他のテロリズムのコトを指しているのではないか?という気がしたのだ。
もちろん、過去には「宗教戦争」と呼ばれる戦争があり、米国誕生の背景(ピルグリム・ファーザーズ)には、宗教的弾圧があったということも、含まれているとは思う。
ただ、欧州で起きた「宗教戦争」も、清教徒が英国での宗教弾圧から逃れるため米国に渡ったのも16世紀の話だ。
そう考えると、オバマさんが改めて「宗教」について触れ、指しているのは「ダーイッシュ」をはじめとする「宗教の名の元に行われるテロに対する非難なのでは?と感じるのだ。

他にも「国家間の攻撃的な行動」という言葉があったりする。
直接的ではないが、南西アジアにおいて挑発的?な行動を起こし続けている、中国などをやんわりと非難しているようにも読み取れる。

スピーチの内容全体は、「被爆地・広島」を通して「すべての人々が、平和を追い求めなくてはならない」ということや「核兵器の廃絶(その前に、「自分たちの主義主張を正当化するために暴力的かつ攻撃的な行動を起こす人や国々に、渡さない努力が必要」という趣旨の内容を話している)」を訴えている。
確かに「核廃絶」の象徴としての「広島」という、見方もできる。
それでも、全文を読むと「核廃絶」よりも「平和とどう向き合うのか?そのために努力をし続けなくては、平和を維持するコトは難しい。だから戦争をしないための努力を続ける必要がある」という、メッセージのような気もしてくる。
その象徴としての「広島(もちろん長崎も)」として、世界にメッセージを発信したのではないだろうか?