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日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

トランプ氏と支持者のギャップと共通点

2016-05-02 18:30:24 | アラカルト

アメリカ大統領選挙の共和党、民主党の指名争いが、本格化してきている。
民主党のヒラリーさんに関しては、ほぼ予想通りという感じがするが、共和党のトランプ氏の躍進には、正直驚いている。
一番驚いたのは、東海岸でほぼ勝利したことだ。
共和党は保守派が多いと言われているが、東海岸の州に関しては、保守系リベラルという印象があったからだ。

このトランプ氏の支持層は、いわゆる中間層の中でも下のほうに属する人達だと言われている。
現在のオバマ政治に不満がある、経済的に恵まれていない層が、主な支持層だと言われている。
米国における「経済的に恵まれていない層」というと、真っ先に思い浮かべるのは「ブルーカラー」と呼ばれる人たちだ。

一方、支持される側のトランプさんは、親から引き継いだ多額の資産がある富裕層だ。
確かに過激な発言は、今の米国の中で渦巻いている不満のはけ口として、人気を博すのはわかるのだが、トランプ氏自身は「経済的不満のはけ口」を言う側ではない。
トランプさん自身は、「経済的不満を代弁している」ような演技をしているだけのように思える。
あくまでも、個人的な印象なので本当のところはなんとも言えないのだが、これまでの共和党支持派と大きく違う点は、「キリスト教系」の支持母体の姿があまり見えないことだ。
南部での予備選では、確かに「キリスト教系」の支持母体が選挙運動の中心になっていたような感があったが、東海岸などの予備選ではそのような印象が薄れ、単に「社会的不満の代弁者」として支持をされているような印象があった。

そのトランプさんが、「駐留米軍への負担を増やすべきだ!」と、言い始めている。
そのターゲットになっているのは、日本と韓国のようだが、トランプさんは「日本の思いやり予算」の存在はご存じないようだ。

ご存じの方も多いと思うが、米国における主要産業の一つは「軍事産業」だ。
そして世界に駐留している米軍は、ある意味米国における「雇用対策」という役目も果たしているという、指摘もある。
なぜなら、駐留している米軍の人たちが本国に戻った場合、帰国した軍人特に上級幹部以外の雇用できるだけの産業が、今の米国には無いということ。
もう一つは、雇用を促進するための「職業訓練」という問題があると、言われている。
それだけではなく「退役軍人」に対する恩給などの社会的経済負担の増大、という点もあるだろう。
受け止めかたによっては、「米国の産業発展と社会保障費維持のために、同盟国はお金を出すべきだ!」ともとれる内容のようにも思える。

このような「自己益」だけの考え方が、富裕層のトランプさんとトランプさんとは真逆の生活環境にいる支持者を結びつけているのかもしれない。