明日は「バレンタインデー」。
今年は、日曜日になったため「義理チョコ」需要が、随分減ってしまうらしい。
その代わり「逆チョコ」と呼ばれる、男性から女性、友達同士で送りあう「友チョコ」と呼ばれるような、需要が高まっているという。
数年前からは「自分(ご褒美)チョコ」なども、一般的になっているようだ。
このような「贈る相手」への変化だけではなく、最近ではチョコレートの原料であるカカオの産地も、随分変わってきている。
今でも日本のカカオ豆の輸入先として一番多いのは、チョコレートの商品名にもなっている「ガーナ」のようだが、4年ほど前からインドネシアのカカオ豆を使ったチョコレート専門店が京都にオープンし、話題になった。
他にも、ベトナム産のカカオ豆を使ったチョコレートなども登場し始めている。
来年くらいには、本格的に「石垣島産カカオ豆」が、市場に出るという話も聞いたことがある。
試験栽培に協力しているのは、北海道のチョコレートメーカー「ロイズ」だ。
インドネシア産やベトナム産などのカカオ豆を使ったチョコレートの多くは「ビーン・トゥ・バー」と呼ばれ、カカオ豆そのものの味を楽しむ「板チョコ」として、販売されることが多いようだ。
日経新聞:究極の手作りチョコレート カカオにこだわり
ただし、記事中にもあるように「板チョコ」と言えども、決して安いわけではない。
ベトナム産のカカオ豆を使った「マルゥ」というブランドのチョコレートは、2500円程度のものが主流。
これまでのような「フェアトレード」のチョコレートよりも、随分高額な価格設定になっていることも多い。
それは「生産者が自立できる価格」というよりも「生産者が誇りの持てる価格」という、価格設定になっているようにも思える。
「生産者が誇りの持てる価格」というのは、経済的自立の先にある支援ということなのかもしれない。
もう一つは、アフリカを中心としたカカオ栽培では、子どもたちを主な労働力として使っている、という問題もあるのでは?
世界の裏側ニュース:子供の奴隷を使っているチョコレートブランド7社
日本に輸入されるカカオ豆の多くが、ガーナ産なので「子どもの奴隷を使っている」とは言い切れないのだが、指摘されているブランド7社のうち「ゴディバ」のような、日本でも高級チョコレートとして親しまれているブランドがあるコトには、購入者としても考えなくてはならないかもしれない。
そのような、世界的なカカオ豆を取り巻く環境などから、あえて産地を変えメーカー自らがカカオ豆栽培にかかわるようになってきているのが、インドネシアやベトナムのカカオ豆ということになるかもしれない。
もう一つ「ビーン・トゥ・バー」チョコレートに共通するのが、産地で異なる「カカオの個性」を楽しんでもらいたい、というアプローチだ。
コーヒーの産地によって味が違ったりするのと同じように、カカオも産地によって味が違う。その違いを楽しむためのチョコレート、という「お菓子」の楽しみ方とは違う楽しみ方の提案が、今年のバレンタインでされているのも、今年のトレンドのような気がする。
週明け「ゴディバ」ではなく「板チョコ」をもらって、ガッカリされませんように、男性諸氏の皆さま。
「板チョコ」こそ、本命チョコかもしれませんよ(確約はできませんが)。