日々是マーケティング

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子供向け商品は、高齢者向け商品?

2016-02-04 19:32:52 | アラカルト

auが、子供向け腕時計型端末を発売する、と毎日新聞のWEBサイトにあった。
毎日新聞:KDDI 子ども向け腕時計型端末 迷子防止お知らせ機能
KDDI:身につけるから、忘れない!国内初!通話もできるキッズウォッチ「mamorino Watch(マモリーノウォッチ)」登場

このような商品を見て感じることの一つに、子ども向けの商品のいくつかは高齢者向けの商品ではないか?という点だ。
さすがにこの腕時計のデザインでは、高齢者は身につけにくいと思う。
ただ、表示の見やすさやGPS機能、防水・防塵・耐衝撃などに加え、防犯ブザーや一定の距離を離れるとブザーが鳴る、といった機能などは、子どもだけではなく認知症などにより徘徊が心配される高齢者を見守る家族にとっても、必要と感じる機能なのではないだろうか?
もしこれらの機能に「活動計」のような機能が加わると、独居老親を遠距離で見守る家族にとっては、安心を提供することになると思う。

何より、今のような「少子高齢化」が進む状況では、子ども向け市場よりも高齢者向け市場のほうが、市場そのものは大きい。
そしてその市場は今後30年以上は、拡大することはあっても縮小していくことは、考えにくい。
家族形態も、以前のような「大家族」から「核家族」になり、今や二人世帯や一人世帯が目立つようになってきている。
その中心が高齢者であるということを考えると、高齢者向けサービスというのは時代が必要としてるモノなのではないだろうか?

何より、今の高齢者はとても元気で活動的だ。
たとえ認知症になったとしても、「その人らしさ」を重視する介護などが求められるようになってきている。
そう考えると、子どもの見守りツールと高齢者の見守りツールというのは、基本的な部分では共通するところが多い。
「高齢者だから」と、特別なことを考えるのではなく子どもが道に迷うように、認知症の高齢者が道に迷うと考えれば、「子供向け商品」を言う枠が無くなり、より幅広い人たちが使えるツールとなるはずだ。
そのような発想で、モノづくりを考える時代になってきているような気がする。