日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

趣味を仕事の延長線に

2013-10-29 13:27:45 | ビジネス

以前、拙ブログでも紹介をさせて頂いた、朝日新聞WEBサイトに不定期掲載されている「へぇな会社」。
これまで多かったのは、会社に制度的な部分だったのだが、今回は社員そのものにクローズアップした内容だった。
朝日新聞WEB:へぇな会社「オタクが生む憧れツアー」

取り上げられた企業が、日本旅行。
元々旅行好きな人達が集まった会社だから、当然!と思われるかも知れないのだが、ツアーの内容そのものは、相当コアというかオタク度が高い気がする。
オタク度が高いからこそ、ツアーの着眼点がユニークで面白いと言うこともあると思う。
ただそれだけで、人気になるのか?というと、どうなのだろう?

オタク度が高いツアーということは、広く一般的なツアーを企画してもなかなか集まらない人達が集まる、逆に言えばピンポイントの客層しか相手にしない、と言うツアーだと言える。
広告をするにしても、旅行代理店のスタンドにカタログを置くのではなく、その様な嗜好の人達が集まる場所(ネットなども含む)で、こっそりと告知するという限定的な方法になる。
元々オタク度が高い人が企画するのだから、その様な情報網は既にもっている。
企業側としては、広告費をさほどかける必要もなく、ある一定の参加者が見込めるツアーとなる。
何より、企画者本人が一番楽しんで仕事をしていると思う。

この様な趣味の延長線のような仕事、と言うコトが最近注目?されている。
例えば、アウトドアウェアなどを製造・販売している「モンベル」は、創業者自身が登山好きが高じて創った企業だ。
当然アウトドアや登山が趣味という社員も多く、店舗で仕事をしている社員の中には「トレッキングツアー」などを自主的に企画し、顧客と一緒に休日を過ごすと言うコトも珍しいことでは無い、と言う話を聞いたコトがある。

あらゆる企業に勤めている人達が、この様な趣味の延長線で仕事が出来る、と言う訳では無いが、仕事とは全く関係の無い分野について興味や感心を持つことは、とても重要なことだと思う。
フッとした時に、それまで当たり前だと思っていたこととは全く違う視点で、考えられるきっかけとなるコトも多いからだ。

「製品」という形ある「物づくり」から、体験などを通して得られる「モノづくり」という時代になりつつある日本を考えれば、旧来型?の「仕事とプライベートは切り離す」から、「プライベートから仕事のアイディアをもらう」時代へと変わりつつあるのではないだろうか。