日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「生まれよりも・・・」大切なコト

2013-10-20 07:15:05 | アラカルト

週末の朝、楽しみにしているFM番組がある。
「感じて漢字の世界」という、わずか5分程度の番組だ。
Facebook:感じて漢字の世界
今回取り上げられた漢字は、「食」。
詳細は、Facebookをご覧頂きたいのだが、「食欲の秋」にはチョット考えさせられた。

ところで、今朝の朝日新聞の一面は「デザイナーベビー近づく」という見出しだった。
朝日新聞:デザイナーベビー近づく
人のゲノム(=遺伝子)が総て解明されたのが、2003年だったと思う。
60兆個もあるヒトの細胞。
その中にある遺伝子、それが解明されたことで、この「デザイナーベビー」は可能となったのだが、倫理的な問題は当然のコトながら、人はその「ゲノム」だけに左右されて成長する訳ではないと思う。

今年の夏、ネットから問題となった人物がいる。
東日本大震災直後から、「復興は無駄」などと自分のブログに書きつづっていた、経産省のキャリア官僚だ。
彼は、東大を卒業し官僚の中でもトップの一つと言われる経産省に入省している、いわば「頭の良い人物」だ。
ゲノム的な視点で見れば、おそらく「学力的にはとても優秀な遺伝子が集まった人」だのだと思う。
しかし、思いやりのない言葉、コミュニケーション能力としての疑問・・・この様な「生まれ」とは別に成長過程で身につく力が、身についていなかったのではないだろうか?

確かに、八頭身で手足が長く、小顔で誰からも愛されそうな容姿と、学力優秀な子どもは、「デザイナーベビー」として、誕生するかもしれない。
しかし、成長過程で形成される能力というモノも数多くある。
実際、ビジネスの場面で一番重要とされる能力は「コミュニケーション能力」だと言われている。

その「コミュニケーション能力」、実は社会の最小単位である「家族」の存在が大きいのではないだろうか?
「感じて漢字の世界」で紹介されていた「食」。
「体に良いモノを選び、一緒になってたべる」と言うコトを表している、と言われているコトを考えると、食卓を囲んでの食事は家族のコミュニケーションの場だろう。
職場で同僚とおしゃべりをしながら食べるランチも、情報交換の場と言うだけではなく、互いに理解し合うと言う場だと思う。
果たして「デザイナーベビー」として生まれただけでは、この様な能力は身につくのだろうか?
おそらく無理だと思う。

外見が見目麗しく、学力優秀、がんなどの病気リスクが少なく、長寿・・・と言う条件で誕生しても、コミュニケーション能力や人を思いやる力が無ければ、とても悲しく寂しい人であり、人生ではないだろうか?
旬の食材を囲み、いろいろな話をしながら家族や友人と一緒に食卓を囲む・・・それが「食」の始まりであり、コミュニケーション力や人を思いやる力などを身に付ける場なのではないだろうか?

そんなことを考えた、週末の朝だった。