日々是マーケティング

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ヤマダ電機は、どんなモノを売っていきたいのだろう?

2013-10-17 18:46:11 | ビジネス

家電が全般的に売れない、と言われて久しい気がする。
その大きな理由の一つが、「エコポイントの終了」と「地デジ化」だろう。
実際、家電の中で大きな売り上げを占めていたテレビの買い換え需要がなくなり、日本のメーカーが苦戦しているのは、ご存じの通りだ。
いくら4Kと言われる、高画質のテレビを売ろうとしても、既に日本の多くの家庭には購入後数年経たないテレビがあるのだから。

そんな中、東洋経済が家電量販店の雄とも言えるヤマダ電機の中間決算を伝えている。
東洋経済:業界の盟主ヤマダ電機、中間決算で赤字転落へ

家電量販店で売っているのは、テレビだけではない。
エアコン、洗濯機や冷蔵庫、炊飯器やマッサージ器などの「ヘルスケア製品」も扱っている。
洗濯機や冷蔵庫、炊飯器などは、今使っているモノが壊れない限り、新しい需要が起きにくい商品でもある。
もちろん、PCやタブレットPCという比較的買い換えサイクルが早い商品もあるが、度々買い換えるような商品でもない、と言うコトには変わりないだろう。

そんな中、先日新聞の折り込みチラシを見て、「ヤマダ電機は、何を売りたいのだろう?」と、考えてしまったのだ。
そのチラシとは・・・一瞬近所の日用品店のチラシか?と思うような、商品ラインナップのチラシだったのだ。
シャンプーや洗剤、チョットしたお菓子やお酒、ペット用品からお鍋などの「お買い得商品満載」のチラシ。

確かに、我が家から歩いて20分ほどのトコロにあるヤマダ電機には、この様な商品も販売している。
だが元々は、ポイント交換の為に用意された商品だったと思っていた。
実際、ポイント交換と言っても何かを購入しないとつかえないポイントだと、家電のような大きな買い物の場合、とても使い難い。
乾電池や電球とポイント交換と言っても、乾電池や電球そのものを買うコトも随分少なくなっていている。
その様なお客様の声に応えるカタチで、日用雑貨などを取り扱うようになったのだと思っていたのだが、チラシを見た感想としては「本格的に販売する」という印象だったのだ。

東洋経済が報道している通り、中間決算の数字がかんばしくないのであれば、利益確保と在庫整理を兼ねたセールを行うのは当然だろう。
ただその様な状況が度々起こるようなことになれば、「ヤマダ電機は、一体何を売ろうとしているの?」という、生活者の疑問が起きることもあるのでは?

アベノミクスで景気回復!と言っても、多くの生活者にはその実感がない。
とすれば、小売をする企業として「顧客と一緒に創る市場とは?」ということを、徹底的に考える必要があると思う。
電気屋さんにしかできない、サービスや生活提案とはなにか?
それを考える時のような気がしている。