日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

自動車メーカーの急務的問題

2012-05-21 18:44:17 | マーケティング
今日「高齢者の心と脳・認知について」という内容の、市民公開講座へ出かけてきた。
出席された方のおよそ95%以上は、65歳以上と思われる方ばかり。
やはり「高齢者」というコトバと「認知」というコトバに、惹かれたのだろう。
実際、講座が終了後の質問でもほぼ同じ内容の質問=「認知症にならない為にはどうしたらよいのか?」とか「認知症予防策はないのか?」と言う質問が、幾人かの出席者の方から出ていた。

この講座でとても興味を引いたのは「日々のトレーニングによって得られた知識が、高齢になるとどのような変化が起きるのか?」という点だった。
その一例として、「自動車の運転」が取り上げられていた。
実は、18歳~20代前半の「免許取得年数が短いドライバー」と、65歳以上の「免許取得年数+実際の運転歴が長いドライバー」とでは、ドライブシュミレーションテストの中でも、「決められた緩やかなカーブの車線を一定速度で走る」と言うテストでは、「ドライバー歴が長い高齢者」のほうが成績が良く、急ブレーキなどに対する反応も大差が無い、と言う結果だという。
しかし、決定的に違うのは「追走テスト」。
「一定の車間距離を保ちながら走行する」と言うテストになると、明らかに高齢者ドライバーの成績が悪くなってしまう。

このテストは、あくまでも「年齢と認知」内容での、シュミレーションテストなので、実際の道路とは条件が違う部分も多いと思う。
それでも、参考となる部分は多いと思う。
なぜなら、年々運転免許証を取得する若者が減り続けているからだ。
単なる人口統計的な減り方では無く、運転免許そのものに興味が低くなりつつあるようなのだ。
「警察庁・平成23年度運転免許統計」(注意:pdfファイル)

この警察庁の統計を見ると、現在の35歳をピークに徐々に取得者が減っているのが分かる。
代わりに、現在の60~65歳のいわゆる「団塊の世代」の人たちが多いのは当然のコトながら、免許の前年比増減(6ページ)を見て見ると、高齢化するに従って、前年比よりも増えている、と言うコトが分かる。
「運転免許も高齢者時代」と言える様な状況なのだ。
もちろん、高齢者になっても免許を返納する人が前年より少なかった、とも考えられるし、免許は持っていても実際には運転をしてない、いわゆる「ペーパードライバー」が増えた、とも考えられる。

ただ、ある一定の高齢者ドライバーが確実にいて、それも少ない人数では無い、とも考えられるし、むしろその様な傾向が見られる、とも言えるのではないだろうか?
事実先だって、開通したばかりの新東名を逆走した高齢者がいた。
「その様な標識を見落としたり、追走ができない高齢者ドライバーが、増える時代が既に始まっている」と、考える必要があると思う。
とすれば、自動車メーカーもそんな時代の流れに対応していく必要があるだろうし、その様な問題は、急務的問題という気がする。

本来の話の内容とは違うコトではあるのだが、とても気になる話だった。