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問題点が、違う気がする-2ちゃん掲示板削除-

2012-05-17 19:24:36 | アラカルト
先週から、新聞などで問題というか話題になっている「2ちゃんの削除」。
既に報道されている内容に対して、2ちゃんの創設者西村博幸さんが反論をしている。
2ちゃん創設ひろゆき氏、「警察の削除要請には応じた」(紹介記事は朝日新聞)

この記事を読むと、確かに西村さんの反論には納得ができる部分がある。
でも、問題はその「削除」という点だけなのだろうか?
むしろ、問題なのは2ちゃんと言う掲示板が自由な書き込みができる=さまざまな規制がされていないが故に発生している、覚醒剤などの違法薬物などの売買に使われている、と言う点なのでは?

そこを見落として、「警察からの指示があり、その件に関しては対応をした」と言う反論は、どうなのだろう?
むしろ、「2ちゃん」と言う自由な発言ができる掲示板だからこそ、違法薬物や「闇の職安」などと言われる、反社会的なコトに対して敏感でなくてはならないと思う。
なぜなら、インターネットが登場し普及し始めて僅か10数年でしか無い。
まだまだ、文化としては成長段階にあると言える新しいメディアであり、文化だと思う。
そんな新しい文化でありメディアだからこそ、成長していく過程では反社会的なコトを排除していかなくては、発展していく可能性を自らつぶしてしまう可能性が高くなる。

確かにこれまで、書籍などを含めたメディアの変な自主規制によって、優れた作品が葬られたケースがある。
最近ではないが「ちびくろサンボの問題」などは、その例だろう。
その結果、絵本「ちびくろサンボ」だけではなく、カルピスの黒人のマークなども次々と社会から消されて行ったと言うコトもあった。
その後「ちびくろサンボ」は、復刻版が出版される様になったが、第一次世界大戦後の欧州の画家やデザイナーの窮地を救うと言う目的で、公募され長い間親しまれてきたカルピスの黒人マークなどは、姿を消したままだ。

だからこそ、新しいメディアであり文化であるネットの世界では、運営をする側にもより慎重で幅広い見識が求められるのでは?
実際、「闇の職安」と呼ばれるサイトで強盗殺人が行われ、名古屋の若い女性が亡くなっている。
そればかりか、その強盗殺人を呼びかけた犯人が、自首をしてきたため無期懲役となり、自首をしなかった他の犯人が死刑の判決を受けている。
現在の問題は、司法上のコトになってしまうのだが、話を持ちかけた犯人がこの様なサイトに書き込みをした時点で、削除をされていれば事件そのものも起きてはいなかっただろうし、サイトそのものが無ければ、この様なコトを思いつかなかっただろう。

新しい文化となるメディアには、いくつもの自由と問題と言う二面を抱えている。
だからこそ、利用する側・運営する側双方が、考えなくてはならないと思う。