お盆休みのとき、何冊かの本を読んで過ごした。
その中の1冊は、以前紹介した高機能自閉症の方が書かれた本だった。
そして、故河合隼雄さんと中沢新一さんの対談集などなども読んだ。
その河合さんと中沢さんの対談集の中で、いくつか気になることがあった。
そのひとつが「事例研究発表の方が科学的研究発表の方が、参加者の興味が違う」という内容の言葉だった。
この言葉は河合さんから出た言葉で、心理学研究発表の場で「このような治療法をしたら、このように治りました」という内容の話をすると、参加者は熱心に聞き、具体性に欠ける科学的研究発表では、人気もなければ熱心に聞く人もいないというのである。
この一節を読みながら「確かにそうだろうな~」と思ったのだが、反面「聞き方ひとつで、事例研究がHow toになってしまうのでは?」という気がしたのだ。
というのも、私自身がこのような経験を幾度となくしているからなのだ。
2、3年前、「郵政公社(現郵便事業会社)、トヨタ・カンバン方式を導入」という話題があった。
丁度、年末の年賀状シーズン前の頃だった。
トヨタのカンバン方式を導入し、業務効率化を図るというのが目的だったのだが、蓋を開けてみたらまったく違う結果となってしまっていた・・・というコトだった。
年賀状配達の遅延が多く、誤配達も目立ったのだ。
当然、コレでは苦情が多くなる。
効率・合理化のお手本とされていた「トヨタ・カンバン方式」が、郵便事業には合わなかったのだ。
他にも、「○○で成功」という事例を導入して、失敗した事例は数多い。
何故、その様な失敗をしてしまうのか?といえば、「How to」として、その事例をそのまま取り入れてしまうからだ。
トヨタのカンバン方式は、クルマなどを製造する事業では参考になる方法だろう。
しかし、郵便事業はクルマを製造するわけではないので、参考にはならなかったはずなのだ。
成功事例を聞きながら、「我が社では?」という疑問や検証をしながら、成功事例のエッセンスを参考にするだけで、実際はオリジナルのモノを作っていかなくては、意味がないのである。
臨床心理学という、一人ひとりの状況が違うはずの現場でも、事例研究がもてはやされているというコトに、やや心配しながら読み進めたのだ。
といっても、実際研究発表を聞いている臨床心理学の先生たちは、それぞれの患者さん達の顔を思い浮かべながら、聞いていると思うのだが・・・。
その中の1冊は、以前紹介した高機能自閉症の方が書かれた本だった。
そして、故河合隼雄さんと中沢新一さんの対談集などなども読んだ。
その河合さんと中沢さんの対談集の中で、いくつか気になることがあった。
そのひとつが「事例研究発表の方が科学的研究発表の方が、参加者の興味が違う」という内容の言葉だった。
この言葉は河合さんから出た言葉で、心理学研究発表の場で「このような治療法をしたら、このように治りました」という内容の話をすると、参加者は熱心に聞き、具体性に欠ける科学的研究発表では、人気もなければ熱心に聞く人もいないというのである。
この一節を読みながら「確かにそうだろうな~」と思ったのだが、反面「聞き方ひとつで、事例研究がHow toになってしまうのでは?」という気がしたのだ。
というのも、私自身がこのような経験を幾度となくしているからなのだ。
2、3年前、「郵政公社(現郵便事業会社)、トヨタ・カンバン方式を導入」という話題があった。
丁度、年末の年賀状シーズン前の頃だった。
トヨタのカンバン方式を導入し、業務効率化を図るというのが目的だったのだが、蓋を開けてみたらまったく違う結果となってしまっていた・・・というコトだった。
年賀状配達の遅延が多く、誤配達も目立ったのだ。
当然、コレでは苦情が多くなる。
効率・合理化のお手本とされていた「トヨタ・カンバン方式」が、郵便事業には合わなかったのだ。
他にも、「○○で成功」という事例を導入して、失敗した事例は数多い。
何故、その様な失敗をしてしまうのか?といえば、「How to」として、その事例をそのまま取り入れてしまうからだ。
トヨタのカンバン方式は、クルマなどを製造する事業では参考になる方法だろう。
しかし、郵便事業はクルマを製造するわけではないので、参考にはならなかったはずなのだ。
成功事例を聞きながら、「我が社では?」という疑問や検証をしながら、成功事例のエッセンスを参考にするだけで、実際はオリジナルのモノを作っていかなくては、意味がないのである。
臨床心理学という、一人ひとりの状況が違うはずの現場でも、事例研究がもてはやされているというコトに、やや心配しながら読み進めたのだ。
といっても、実際研究発表を聞いている臨床心理学の先生たちは、それぞれの患者さん達の顔を思い浮かべながら、聞いていると思うのだが・・・。