日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

庶民のささやかな贅沢-給料日の夕食」-

2007-09-07 20:48:35 | ライフスタイル
夕飯を食べながら(「お行儀が悪い」と言わないでください)見るテレビ番組の一つに、「ランキンの楽園」がある。
この番組の面白いトコロは、一般的な市場調査では見られない項目が、調査対象となることである。
例えば、海外からの旅行者のお土産ランキングなどを見てみると、私たち日本人とはまったく違うコト・モノに日本の価値を見ていると言うことがわかる。
その意味で、マーケティング的視点から見ると(?)参考になるコトがある。

そして、今日のランキングは「給料日の夕食」だった。
ステーキなどが上位にくるかと思いきや・・・やはり「家族で食事」と言うコトを考えたメニューが並ぶ。
それも普段は、「マグロの赤身」なのにお給料日は「中トロ」のお刺身になったり、オージービーフが国産になったり・・・家計を預かるお母さんたちの涙ぐましい(?)やりくりと、ささやかな贅沢を楽しむ姿が現れていた。
他にも、普段の晩酌は発泡酒とか第3のビールで我慢していても、お給料日だけは「本当のビール」という家庭も少なくなかった。

おそらく、この調査に協力してくれたご家庭は、ごくごく一般的なご家庭なのだと思う。
それは家族構成や世代と言った「市場調査」で使われる「カテゴリー」や、「市場ターゲット」などという枠とは関係なく、「お隣の家庭」という感覚での一般的な生活志向であり、むしろ「市場調査」が見落としがちな「普通の感覚」を、よく現しているのではないだろうか?

いわゆる20代前半の俗に「ヤンキーカップル」といわれる家庭であっても、お父さんが会社経営をしている家庭であっても、お父さんの働きに感謝しながらチョッと贅沢な夕飯で、家族団欒を過ごすという「特別な日」なのではないだろうか?
だから、豪華なお料理が並ぶと言うよりも「家族で夕飯を囲むコト」に重点を置いたメニューなのだ。

政治家や官僚のみなさん、大企業のトップと呼ばれるご家庭が、どのような「お給料日の夕飯」を食べているのかは知らない。
でも本当の政治や行政の視点は、このような「ささやかな贅沢」を家族で楽しむ人たちのために、あるべきなのではないだろうか?
もう一つ感じたコトがある。
それは、「普段、なかなか家族揃っての夕飯は無理だけど、お給料日だけは家族揃ってだから、これが何よりのご馳走」といっているお父さんたちの笑顔が、とても素敵だったことだ。
この笑顔が、きっとこれまでの日本を支え、これからの日本を支えていくのである。
その笑顔を曇らせるような政治や経済であってはならないのではないか?
そんな気がするのだ。