はんどろやノート

ラクガキでもしますか。

佐々木慎、7連勝!

2007年11月28日 | しょうぎ
 竜王戦第5局、始まっていますね。相矢倉の戦型から、渡辺明竜王がとくいの穴グマに…。と思っていたが、よくみると穴グマにしたのは佐藤康光でした~。


 佐々木慎五段が快調です。順位戦(C2組)で7連勝負けなしでトップ快走!
 順位戦はC2組の場合1年をかけて10局を指します。50人ほどの棋士の中で上位3人がC1組に昇級できます。が、7戦全勝でもまだ昇級と決まったわけではない。プロって、しんどいなあ。
 この佐々木五段、彼を僕はいつかブログにかきたいと前から思っていました。理由は「顔」。 個性的な、印象に残る顔立ちをしています。スター棋士になる要素十分。
 それに佐々木慎五段には次のような特別エピソードもあるのです。

 それは2003年朝日オープン選手権での対局で、相手はアマチュアの強豪の竹内俊弘さん。最近は棋戦の予選にアマ棋士も参加できるようになりました。ですから実力さえあれば、アマだって羽生さんとタイトル戦を戦えるのです。
 さて、佐々木-竹内戦。持ち時間は各3時間。プロにしては少なく、アマにとっては普段よりたっぷり多い持ち時間です。将棋は佐々木五段(当時は四段)が優勢にすすめました。竹内さんは時間をしっかり使って一手一手丁寧に考えます。そのうち、佐々木五段優勢の将棋があやしくなりました。100手を超えました。竹内さんは時間を使いきり、1分将棋です。厳密にはまだ佐々木五段が優勢だったでしょうか。しかし、頑張る竹内さんを佐々木五段はもてあましています。
 そのとき、その「事件」は起こりました。
 1分将棋のアマ竹内さんがトイレに行ったのです! 佐々木五段の手番なので竹内さんの時間は減りません。ええ、佐々木五段が指さないで待っていれば。でも…、それは佐々木五段の自由です。佐々木さんにはまだ十分持時間がありました。
 ふつう、プロはどうするか? その対局を観ていた泉正樹プロは言います。「ボクなら指さない。おそらくプロの8割は指さないと思う。」

 佐々木慎は、指しました!
 そして竹内さんは1分でトイレから帰ってこれず、「時間切れ負け」となったのです。

 いろんな意見があるようです。
 竹内さんは後日、竹内さんは「トイレに行っても大丈夫と確信していた。プロがこんな大舞台ですぐに指すわけがないと思い込んでいた」と観戦記者に話したそうです。
 さあ、みなさんはどう思いますか? 僕は「勝負なのだから、当然。でも、指すのは勇気いるよなあ、相手はアマチュアだし… 佐々木慎よく指したなあ」と思います。 クールに斬る、いいじゃないですか!

 ところで、瀬川昌司四段の『泣き虫しょったんの奇跡』には、瀬川さんが三段リーグでの重要な対局で、相手の勝又清和さん(現六段)が、一手指したあと、持時間がないのにトイレにダダダッと走り、瀬川さんが指せば勝又さんの時間が切れて勝ちになったかもしれない、というシーンが描かれています。瀬川さんは「指せ」という心の中の誘惑にかられたそうです。でも、瀬川さんは指さなかった。勝又さんがドドドドドッとすごい勢いで駆けて戻ってくるのを待って、それから指したそうです。そして負けた。
 その対局に勝利したのは勝又さん。26歳の勝又清和さんはその期、晴れてプロ四段となりました。その対局でのトイレへの往復は、勝又さんの、人生をかけたダッシュだったというわけです。
 それについて瀬川さんは、「だが、僕は大きな一番に敗れたことは悔しかったが、指さなかったことは決して後悔していなかった。その気持ちはいまも変わっていない」と書いています。


 さて、佐々木慎五段の顔を描いてみたが、1枚じゃまだまだ描き足らないぞッ。ぜひぜひタイトル戦にも出てくれッ!!
 上のエピソードの棋譜および観戦記はこちらで見ることができます。→朝日オープン
 
コメント (2)
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