新しい本がでました!タイトルは『怖い絵』(朝日出版社)。
西洋名画20点に「恐怖」をたどる試みです。
わたしのこれまでの美術関係の仕事としては、時事通信社系新聞(京都新聞、北日本新聞etc.)で「まなざしの瞬間(とき)」という20回の連載、カタログハウス「通販生活」での2年間にわたる連載「絵の中のモノ語り」、また17世紀のドイツ人画家メーリアンの伝記『情熱の女流昆虫画家』(講談社)などがあります。
(翻訳では、「ゴヤ」「クレー」(ともに岩崎美術社)。
今回の著書のきっかけとしては、何といってもツヴァイク『マリー・アントワネット』翻訳でした。ここにはダヴィッド描くあの残酷きわまりないスケッチがあり、つくづく描き手の悪意と憎悪に心が凍る思いをさせられました。
髪を刈り上げられ、両手を後ろ手に縛られ、荷馬車に乗せられて断頭台へ引かれてゆく、<ロココの女王>の愕然とする姿。どんな女性でも、決してこんな姿は描かれたくないに違いない。しかもほんとうに彼女がこんな顔つきをしていたかどうかは、今となってはわからない。ダヴィッドの悪意に歪んだ眼にそう見えただけかもしれないのです。
そう考えてゆくと、これまでは別に恐ろしいとも怖いとも考えられていなかった作品の中に、実は慄然とするほどの恐怖が隠されている例が何と多いことか!「世界史レッスン」で歴史のエピソードを楽しむように、名画のエピソードも楽しんでいただけたら。その願いからこの本はできました。
取り上げた作品(全てカラー図版)は以下です。
①ドガ「エトワール、または舞台の踊り子」
②ティントレット「受胎告知」
③ムンク「思春期」
④クノップフ「見捨てられた街」
⑤ブロンツィーノ「愛の寓意」
⑥ブリューゲル「絞首台の上のかささぎ」
⑦ルドン「キュクロプス」
⑧ボッティチェリ「ナスタジオ・デリ・オネスティの物語」
⑨ゴヤ「我が子を喰らうサトゥルヌス」
⑩アルテミジア・ジェンティレスキ「ホロフェルネスの首を斬るユーディト」
⑪ホルバイン「ヘンリー8世像」
⑫ベーコン「ベラスケス<教皇インノケンティウス10世像>による習作」
⑬ホガース「グラハム家の子どもたち」
⑭ダヴィッド「マリー・アントワネット最後の肖像」
⑮グリューネヴァルト「イーゼンハイムの祭壇画」
⑯ジョルジョーネ「老婆の肖像」
⑰レーピン「イワン雷帝とその息子」
⑱コレッジョ「ガニュメデスの誘拐」
⑲ジェリコー「メデュース号の筏」
⑳ラ・トゥール「いかさま師」
すぐ怖さがわかる絵もあれば、いったい何が怖いのか、歴史的文化的背景を知って初めて気づくものもあるでしょう。
面白かった、と言っていただけたら、著者冥利につきます♪
☆表紙はラ・トゥール「いかさま師」の鋭い横目(画像をクリックするとアマゾンへ飛べます)
西洋名画20点に「恐怖」をたどる試みです。
わたしのこれまでの美術関係の仕事としては、時事通信社系新聞(京都新聞、北日本新聞etc.)で「まなざしの瞬間(とき)」という20回の連載、カタログハウス「通販生活」での2年間にわたる連載「絵の中のモノ語り」、また17世紀のドイツ人画家メーリアンの伝記『情熱の女流昆虫画家』(講談社)などがあります。
(翻訳では、「ゴヤ」「クレー」(ともに岩崎美術社)。
今回の著書のきっかけとしては、何といってもツヴァイク『マリー・アントワネット』翻訳でした。ここにはダヴィッド描くあの残酷きわまりないスケッチがあり、つくづく描き手の悪意と憎悪に心が凍る思いをさせられました。
髪を刈り上げられ、両手を後ろ手に縛られ、荷馬車に乗せられて断頭台へ引かれてゆく、<ロココの女王>の愕然とする姿。どんな女性でも、決してこんな姿は描かれたくないに違いない。しかもほんとうに彼女がこんな顔つきをしていたかどうかは、今となってはわからない。ダヴィッドの悪意に歪んだ眼にそう見えただけかもしれないのです。
そう考えてゆくと、これまでは別に恐ろしいとも怖いとも考えられていなかった作品の中に、実は慄然とするほどの恐怖が隠されている例が何と多いことか!「世界史レッスン」で歴史のエピソードを楽しむように、名画のエピソードも楽しんでいただけたら。その願いからこの本はできました。
取り上げた作品(全てカラー図版)は以下です。
①ドガ「エトワール、または舞台の踊り子」
②ティントレット「受胎告知」
③ムンク「思春期」
④クノップフ「見捨てられた街」
⑤ブロンツィーノ「愛の寓意」
⑥ブリューゲル「絞首台の上のかささぎ」
⑦ルドン「キュクロプス」
⑧ボッティチェリ「ナスタジオ・デリ・オネスティの物語」
⑨ゴヤ「我が子を喰らうサトゥルヌス」
⑩アルテミジア・ジェンティレスキ「ホロフェルネスの首を斬るユーディト」
⑪ホルバイン「ヘンリー8世像」
⑫ベーコン「ベラスケス<教皇インノケンティウス10世像>による習作」
⑬ホガース「グラハム家の子どもたち」
⑭ダヴィッド「マリー・アントワネット最後の肖像」
⑮グリューネヴァルト「イーゼンハイムの祭壇画」
⑯ジョルジョーネ「老婆の肖像」
⑰レーピン「イワン雷帝とその息子」
⑱コレッジョ「ガニュメデスの誘拐」
⑲ジェリコー「メデュース号の筏」
⑳ラ・トゥール「いかさま師」
すぐ怖さがわかる絵もあれば、いったい何が怖いのか、歴史的文化的背景を知って初めて気づくものもあるでしょう。
面白かった、と言っていただけたら、著者冥利につきます♪
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