朝日新聞ブログ「ベルばらkidsぷらざ」で連載中の「世界史レッスン」第116回の今日は「王妃との不倫は命がけ」⇒ http://bbkids.cocolog-nifty.com/bbkids/2008/06/post_36f7.html#more
ピョートル大帝の二度目の妻で、後にロシア初の女帝となったエカテリーナ1世の不倫について書きました。それにしても彼女はめちゃくちゃ運がいいと言えるのでは?
さて不倫といえば、最近読んだルース・レンデルの短編「苦い黄昏」が、まさにほろ苦かった。というよりイギリス人作家の意地悪な視点が面白い、というべきか。こんなお話ーー
死病にとりつかれ寝たきりの中年男が、死ぬ前にどうしてもかつての不倫相手に再会したいと思う。もう20年近く会っていないから変わっているだろうが、それでもかまわない、一目だけでいいから会いたいと思う。
それを知った妻は、もし彼女がこの家に入ってきたら絶対殺してやる、と怒り狂う。それでも男は友人に頼んで、かつての恋人に連絡を取り、来てもらうのだ。
ーーそれでどうなったと思います?
彼女が来る日時を知っている彼は、チャイムの音が鳴るとどきどきして待った。妻が出迎えたようだ(ふたりはそれが初対面である)。なかなか病室に来てくれない。口ではああ言っていても、まさか妻がおかしなことをするはずはない。それにしても長い・・・
ようやく入ってきた。妻もいっしょだ。彼女はなんと・・・妻と双子みたいにそっくりだった。そしてふたりの女は、それこそ姉妹のように意気投合し、彼そっちのけでおしゃべりをし始める。
それ以来、彼女は毎日やってくる。彼に会うためではない。新しい親友と楽しい時を過ごすためだ。或る時なぞ、病室に寄るのさえ忘れていた。いや、それどころか終いに彼は、ふたりの女から遺棄されたも同然となり、ホスピスに放り込まれてしまう・・・
ロマンティストの男、現実主義で逞しい女たちの対比が鮮やかだ。ちょっぴり哀しい。
さて、ここからはお知らせ。前に書きましたが、いよいよ「世界史レッスン」が書籍化されます。タイトルはーー
『危険な世界史』
角川書店から7月の発売です。ぜひお読みくださいね!
☆「怖い絵2」、4刷になりました。ありがとうございます♪(表紙をクリックするとアマゾンへとべます)
☆『怖い絵』、8刷になりました。ありがとうございます♪
☆マリーもお忘れなく!(ツヴァイク「マリー・アントワネット」(角川文庫、中野京子訳)
ピョートル大帝の二度目の妻で、後にロシア初の女帝となったエカテリーナ1世の不倫について書きました。それにしても彼女はめちゃくちゃ運がいいと言えるのでは?
さて不倫といえば、最近読んだルース・レンデルの短編「苦い黄昏」が、まさにほろ苦かった。というよりイギリス人作家の意地悪な視点が面白い、というべきか。こんなお話ーー
死病にとりつかれ寝たきりの中年男が、死ぬ前にどうしてもかつての不倫相手に再会したいと思う。もう20年近く会っていないから変わっているだろうが、それでもかまわない、一目だけでいいから会いたいと思う。
それを知った妻は、もし彼女がこの家に入ってきたら絶対殺してやる、と怒り狂う。それでも男は友人に頼んで、かつての恋人に連絡を取り、来てもらうのだ。
ーーそれでどうなったと思います?
彼女が来る日時を知っている彼は、チャイムの音が鳴るとどきどきして待った。妻が出迎えたようだ(ふたりはそれが初対面である)。なかなか病室に来てくれない。口ではああ言っていても、まさか妻がおかしなことをするはずはない。それにしても長い・・・
ようやく入ってきた。妻もいっしょだ。彼女はなんと・・・妻と双子みたいにそっくりだった。そしてふたりの女は、それこそ姉妹のように意気投合し、彼そっちのけでおしゃべりをし始める。
それ以来、彼女は毎日やってくる。彼に会うためではない。新しい親友と楽しい時を過ごすためだ。或る時なぞ、病室に寄るのさえ忘れていた。いや、それどころか終いに彼は、ふたりの女から遺棄されたも同然となり、ホスピスに放り込まれてしまう・・・
ロマンティストの男、現実主義で逞しい女たちの対比が鮮やかだ。ちょっぴり哀しい。
さて、ここからはお知らせ。前に書きましたが、いよいよ「世界史レッスン」が書籍化されます。タイトルはーー
『危険な世界史』
角川書店から7月の発売です。ぜひお読みくださいね!
☆「怖い絵2」、4刷になりました。ありがとうございます♪(表紙をクリックするとアマゾンへとべます)
☆『怖い絵』、8刷になりました。ありがとうございます♪
☆マリーもお忘れなく!(ツヴァイク「マリー・アントワネット」(角川文庫、中野京子訳)
旦那が浮気をすると、奥さんの方が、「それじゃ、彼女があんたを引き受けてくれるのか、ちゃんと確認しなさいよ。そしたら別れて上げるわよ」みたいな。
で、旦那から浮気相手に直談判状が来る。そりゃ、浮気相手の方で逃げますよ。だって、奥さんの顔がちらついて怖いもの。
でも、奥様公認で、奥様と別居し、若い女性と同棲している人も。女性同士は、以前からの知り合い、仕事仲間。
これって、結構怖い世界……? それとも、イスラム的かな。
フランスからのご訪問ありがとうございます♪
「ベルばらkids」のバックナンバーですが、まるで秘密サイトみたいですみません。まもなくちゃんと告知されると思います(有料サイトへ移動になりました)。
夏に帰省されたら是非読んで感想聞かせてくださいね!
パセリさん
ほんと、レンデルは巧いんですけど暗いですよね~いっとき長編をずいぶん読みましたが、疲れているときはダメでした。清水義範と交互に読むとか。
真奈美さん
ありがとうございます~
忙しくて春の予定が夏にずれてしまいました。一校を終えたばかりです。100本もあるし、歴史ものは再チェックに時間がかかって、頭もおかしくなりました(もともとちょっとおかしいけど)。。。
くだんの短編、いい話ですねぇ~。昔の相手でなくて現在の妻妾タッグで男に刃向かってくる話があればもっと痛快でしょう。「女の敵は女」は、そういう事態にさせまいとする男の陰謀だと思っています。
でも、短編だと、それが生きるのでしょうか。
文章もいいし、とっても面白い。
図書館や古本屋へいくと、レンデルの短編集を探しております。
↑好きになる女は結局同じタイプ。同じ男を好きになるなら気も合う、ってことなんでしょうか?イギリスらしい?話ですね。
嫌がるに決まっているのでは?
同業者の女性複数に手をつけ、女性達が互いに嫉妬して自分を取り合うことを期待している男をみると、失笑したくなることも。
だって、女性達が手を組んだら、放り出されるのは自分かもしれないではありませんか。
私なら、自分の同業の女性と既に結婚している男性から言い寄られたら、不倫の関係に陥る前に、妻たる彼女(同業だから、当然知り合いですよね)と直接話をつけて、彼女の意思を確認するけれどもなぁ。