朝日新聞ブログ「ベルばらkidsぷらざ」に連載中の「世界史レッスン」第23回は、「王冠をかぶった娼婦」(ヴィクトリア女王のことではありません。念のため!)。今回は王や王妃に付けられたあだ名を当てる、クイズ形式にしました。あなたはいくつ正解しましたか?⇒http://bbkids.cocolog-nifty.com/bbkids/2006/07/post_55d6.html#more
ところでヴィクトリア女王は夫のアルバート公亡きあと、スコットランド人の馬丁ジョン・ブラウンと禁断の恋に陥り、隠し子がいるのではないかとまでささやかれていたのは有名な話し。
ブラウンは馬丁の身分から昇格して女王の私設執事になり、「女王以外の命令に服する必要なし」と公式に指示され、年俸120ポンド(最終的には400ポンド)も賜って、城の内でも外でも女王にかしずいた。彼はまさに騎士道精神をもって、女王に命を捧げたのである。
ブラウンが男を上げたのは、恋人になってから7年後。女王がセントポール寺院からバッキンガム宮殿へ、幌なし馬車でゆっくり国民の歓呼に応えていたとき。
いつものようにブラウンは御車台に座り、車には女王とふたりの王子、そして侍女が乗っていた。突然、群集の間からひとりの男が走りより、馬車に足をかけてピストルを女王に向けた。彼女が悲鳴をあげるのと、ブラウンが男に体当たりを食わせるのは同時で、そのあと彼は逃げる男を追いつめ、捕まえたのである。
この事件でブラウンは、女王の日陰の男という立場から、一転、英雄になった。女王は彼に「献身勲章」という年金付き勲章と「エスクワイヤー」の称号を授けて愛と感謝を示した。
彼にとっては、だがそんなことより何より、自分が命をかけて姫を救う役をみごと果たせたことに誇りと悦びを感じたであろう。恋する男は誰でもみんな、こんなふうな劇的な形で愛を証明したいと夢見るが、実行できるのはごく限られた選ばれた者だけなのだから。
この10年後、ブラウンは病死する。ウィンザー城で葬儀が行なわれた際、女王は「愛と感謝と友情をこめた言葉を捧げます」と異例の弔辞を送ったばかりでなく、ブラウンの弟へも手紙を出している、「『わたしほどあなたを愛した者はいませんよ』と、わたしはブラウンにいつも言ったものです」
なんと羨ましい恋人どうし!
♪♪ヴィクトリア女王については、拙著『恋に死す」をお読みください。⇒http://book.asahi.com/special/TKY200602280388.html
ところでヴィクトリア女王は夫のアルバート公亡きあと、スコットランド人の馬丁ジョン・ブラウンと禁断の恋に陥り、隠し子がいるのではないかとまでささやかれていたのは有名な話し。
ブラウンは馬丁の身分から昇格して女王の私設執事になり、「女王以外の命令に服する必要なし」と公式に指示され、年俸120ポンド(最終的には400ポンド)も賜って、城の内でも外でも女王にかしずいた。彼はまさに騎士道精神をもって、女王に命を捧げたのである。
ブラウンが男を上げたのは、恋人になってから7年後。女王がセントポール寺院からバッキンガム宮殿へ、幌なし馬車でゆっくり国民の歓呼に応えていたとき。
いつものようにブラウンは御車台に座り、車には女王とふたりの王子、そして侍女が乗っていた。突然、群集の間からひとりの男が走りより、馬車に足をかけてピストルを女王に向けた。彼女が悲鳴をあげるのと、ブラウンが男に体当たりを食わせるのは同時で、そのあと彼は逃げる男を追いつめ、捕まえたのである。
この事件でブラウンは、女王の日陰の男という立場から、一転、英雄になった。女王は彼に「献身勲章」という年金付き勲章と「エスクワイヤー」の称号を授けて愛と感謝を示した。
彼にとっては、だがそんなことより何より、自分が命をかけて姫を救う役をみごと果たせたことに誇りと悦びを感じたであろう。恋する男は誰でもみんな、こんなふうな劇的な形で愛を証明したいと夢見るが、実行できるのはごく限られた選ばれた者だけなのだから。
この10年後、ブラウンは病死する。ウィンザー城で葬儀が行なわれた際、女王は「愛と感謝と友情をこめた言葉を捧げます」と異例の弔辞を送ったばかりでなく、ブラウンの弟へも手紙を出している、「『わたしほどあなたを愛した者はいませんよ』と、わたしはブラウンにいつも言ったものです」
なんと羨ましい恋人どうし!
♪♪ヴィクトリア女王については、拙著『恋に死す」をお読みください。⇒http://book.asahi.com/special/TKY200602280388.html
ビクトリア女王の写真、晩年のしか知りませんが、デブおばさんみたい。女王だから、男に愛されたんでしょうか?ブラウンは、内面では、打算していたんじゃないのですか?
クイズ半分しか出来ませんでした(受験では、世界史取らなかった後遺症か?)
「恋に死す」ようやく、発送だそうです。中西悟堂自伝が品切れだったようです。
ヴィクトリア女王と馬丁ジョン・ブラウンとのことについては、邦題「クイーン・ヴィクトリア 至上の恋」(原題 Mrs Brown)という映画があって、私の本でも採りあげました。大英帝国がピークを迎える時期、イギリスの立憲政治ぶりがよく分かりました。
晩年は確かにそうですけど、彼女はいわゆる「可愛い女性」だったんじゃないでしょうか。
杉原さんへ
わたしも映画見ました。ヴィクトリア役のディンチは「恋におちたシェークスピア」でエリザベス女王役もやっていましたよね。エカテリーナにもなれそう。
ローエングリン症候群というのでしょうか?(造語)
私も、そうありたい。