中野京子の「花つむひとの部屋」

本と映画と音楽と。絵画の中の歴史と。

サービス過剰でメリハリ無しの四季に

2016年11月15日 | 雑記
 まだ11月半ばだというのに、もう街路樹の点灯が始まった。かつてこれはクリスマスのもので、冬の、ほんの短い期間限定の風物詩だったはずだ。確かにきれいだけれど、一カ月も二カ月も飾られてはありがたみも薄い。

 何より晩秋の美しい樹木の佇まいが見られない。秋が失われてしまった。木だって迷惑だろう。彼らも生きているのだ。
 
 同じようにお正月三が日のスーパーやデパートの営業もやめたらどうなのかな。消防、警察、電車といった特別な仕事は別にして、通常の会社の従業員ならお正月は家で過ごしたいだろう。それでなくとも昨今は24時間開いているスーパーだの、何度も再配達させられる宅配だの、寝る間もないトラック運転など、想像するだに過酷な労働環境だ。

 日本は世界に誇るサービスの良さだが、いよいよますますどんどん過剰になり、過剰になるから利用者は当然と思い、クレームまで増大し、働く人にばかりしわ寄せがゆく。

 皆が少々の不便を我慢することで、春夏秋冬の季節をとりもどし、日常のメリハリをとりもどし、疲れと退屈もとりもどせると思う。

 拙著にも書いたけれど、現代日本人は「鬱」は熟知していても「躁」を知る人は減ってしまった。なぜなら365日、お店で音楽、テレビはわいわい、常に「躁」状態なんだもの。外界が躁状態だから鬱も増えるのではと思ってしまうほど。
 

☆☆「怖い絵展」情報
http://www.kowaie.com/

☆今後の講演予定

・12月9日(金)11時~ 「華の会」(アークヒルズクラブ)会員の方のみのご参加です。

・12月18日(日)14時~15時半 青山ブックセンター
「マリー・アントワネットの素顔」
http://www.aoyamabc.jp/culture/antoinette/


☆最新刊「はじめてのルーヴル」(集英社文庫)
はじめてのルーヴル (集英社文庫 な 53-3)


☆「美術品でたどる マリー・アントワネットの生涯」(NHK新書)
慶應大新聞部WEBページでの紹介

http://www.jukushin.com/archives/27119
美術品でたどる マリー・アントワネットの生涯 (NHK出版新書 497)

☆「新 怖い絵」(角川出版) 5刷になりました🎵
文春WEB「本の話」インタビュー
http://hon.bunshun.jp/articles/-/5233
name="amazletlink" target="_blank"> alt="新 怖い絵" style="border: none;" />

☆「名画に見る 男のファッション」(角川文庫) 

名画に見る男のファッション (角川文庫)


☆「名画の謎 旧約・新約聖書篇」(文春文庫)

名画の謎 旧約・新約聖書篇 (文春文庫 な)
  『弐代目 青い日記帳』さんがさっそく紹介してくださいました♪ 3月6日のページです。
http://bluediary2.jugem.jp/


☆「残酷な王と悲しみの王妃 2」(集英社)

残酷な王と悲しみの王妃2
担当者さんが紹介してくれました♪


http://renzaburo.jp/shinkan_list/temaemiso/151023_book01.html


☆『「絶筆」で人間を読む - 画家は最後に何を描いたか』(NHK出版新書)
 3刷になりました♪

「絶筆」で人間を読む―画家は最後に何を描いたか (NHK出版新書 469)

☆「中野京子と読み解く 名画の謎 対決篇」(文藝春秋)2刷になりました♪

中野京子と読み解く 名画の謎 対決篇
「青い日記帳」さんが紹介してくださいました。素敵な紹介で嬉しいです♪
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=4050

☆文藝春秋WEBサイトでは、短いですけどわたしのインタビュー記事も載りました。お読みくださいね!→http://hon.bunshun.jp/articles/-/3935


☆「名画の謎 ギリシャ神話篇」(文春文庫)

名画の謎 ギリシャ神話篇 (文春文庫)


☆「愛と裏切りの作曲家たち 」(光文社知恵の森文庫)

愛と裏切りの作曲家たち


☆「マンガ西洋美術史03」(美術出版)

マンガ西洋美術史03 「市民社会」を描いた画家」 ブリューゲル、フェルメール、ホガース、ミレー、ゴッホ



☆「マンガ西洋美術史02」(美術出版社)
マンガ西洋美術史02「宗教・神話」を描いた画家  ボッティチェリ、ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロ、ティツィアーノ、エル・グレコ、ルーベンス


☆「危険な世界史 運命の女篇」(角川文庫)

危険な世界史 運命の女篇 (角川文庫)

☆「マンガ西洋美術史01」監修(美術出版社)
マンガ西洋美術史01 「宮廷」を描いた画家 ベラスケス、ヴァン・ダイク、ゴヤ、ダヴィッド、ヴィジェ=ルブラン


☆「ヴァレンヌ逃亡」(文春文庫)
ヴァレンヌ逃亡 マリー・アントワネット 運命の24時間 (文春文庫 な 58-2)


☆「名画で読み解く ロマノフ家12の物語」(光文社新書)2刷になりました♪

名画で読み解く ロマノフ家 12の物語 (光文社新書)   

☆「印象派のすべて」(宝島社別冊ムック)
印象派のすべて (別冊宝島 2200)

☆「名画に見る 男のファッション」(角川書店)
名画に見る男のファッション (単行本)

☆「橋をめぐる物語」(河出書房)
中野京子が語る 橋をめぐる物語

☆「中野京子と読み解く 名画の謎 陰謀の歴史篇」(文藝春秋) 3刷になりました♪
中野京子と読み解く 名画の謎 陰謀の歴史篇

☆「残酷な王と悲しみの王妃」(集英社文庫)4刷になりました♪
残酷な王と悲しみの王妃 (集英社文庫)

☆「怖い絵」(角川文庫) 単行本に新しく書き下ろし2作を加え、全22作品です。8刷になりました♪
怖い絵  (角川文庫)

☆「はじめてのルーヴル」(集英社)2刷になりました♪
はじめてのルーヴル (集英社文芸単行本)

☆「名画の謎 旧約・新約聖書篇」(文藝春秋) 5刷になりました♪
中野京子と読み解く 名画の謎 旧約・新約聖書篇

☆「怖い絵 死と乙女篇」(角川文庫) 5刷になりました♪
怖い絵  死と乙女篇 (角川文庫)

☆最新刊「名画と読む/イエス・キリストの物語」(大和書房) 3刷になりました♪
名画と読むイエス・キリストの物語

☆「危険な世界史 運命の女篇」(角川書店) 2刷になりました。
危険な世界史 運命の女篇

☆「危険な世界史 血族結婚篇」(角川文庫)6刷になりました♪
危険な世界史 血族結婚篇 (角川文庫)

☆「怖い絵 泣く女篇」(角川文庫)~「怖い絵2」の文庫化~ 11刷になりました
怖い絵 泣く女篇 (角川文庫)

☆『中野京子と読み解く 名画の謎 ギリシャ神話篇』(文藝春秋) 7刷になりました♪
中野京子と読み解く名画の謎 ギリシャ神話篇


☆「印象派で「近代」を読む ~光のモネからゴッホの闇へ~」(NHK新書)6刷になりました♪
印象派で「近代」を読む―光のモネから、ゴッホの闇へ (NHK出版新書 350)

☆「『怖い絵』で人間を読む 」(NHK出版生活人新書) 14刷になりました♪
「怖い絵」で人間を読む 生活人新書


☆光文社新書「名画で読み解く ブルボン王朝12の物語」 7刷になりました♪
名画で読み解く ブルボン王朝 12の物語 (光文社新書)

☆「名画で読み解く ハプスブルク家12の物語」(光文社新書) 20刷になりました♪
名画で読み解く ロマノフ家 12の物語 (光文社新書)

☆「芸術家たちの秘めた恋 ―メンデルスゾーン、アンデルセンとその時代 (集英社文庫)
芸術家たちの秘めた恋 ―メンデルスゾーン、アンデルセンとその時代 (集英社文庫)

☆「おとなのためのオペラ入門」(講談社+α文庫) 2刷になりました♪
おとなのための「オペラ」入門 (講談社+α文庫)

☆「恐怖と愛の映画102」(文春文庫)
恐怖と愛の映画102 (文春文庫)

☆「歴史が語る 恋の嵐」(角川文庫)。「恋に死す」の文庫化版です。
歴史が語る 恋の嵐 (角川文庫)

^^^^^^^^^^^^^^^^
☆以下の単行本は絶版としました。文庫本をお求めくださいまし~

☆「怖い絵」16刷中。怖い絵

☆「怖い絵2」、9刷中。 怖い絵2

☆「怖い絵3」 6刷中。 怖い絵3


 
コメント (8)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 宮部みゆきさんの「新 怖い... | トップ | 夢のシンボル性 »
最新の画像もっと見る

8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
便利な日本 (carpediem)
2016-11-15 12:37:33
便利な日本に私もだいぶ毒されてると気づいたのが、ローマでマロングラッセ発祥の店に8月に行って「マロングラッセ欲しい!」と言ったら「シニョーラ、今は8月よ!あるわけないでしょ!秋以降にいらっしゃい」と飽きれた顔で言われました…またシチリアに5月に行った時、名物の赤いオレンジジュースを飲みたいと思って「サングイネッラ欲しい!」と言ったら、また飽きれた顔で「あるわけないだろ!あれは冬のオレンジ!」と言われガックリしたことを覚えています…
返信する
名ばかりの四季 (pascin)
2016-11-15 13:24:40
 本当にわたしもそう思います!
こちら北国は10月中頃に雪が降り、いつも通う北大キャンパスの紅葉は散々でした。。
大イチョウの木には似合わない小ぶりな黄色い落ち葉をサクサク踏みしめることもなく、景色はすっかり冬模様です。
でも楽しみは銀杏!融けない雪の上では見つけやすく、匂いも何のその、夢中で拾います♪
 来月はもう師走・・文中に中野さんのお忙しさをひしひし感じています。。。
返信する
Unknown (うさこママ)
2016-11-15 21:37:11
全く同感です。ハロウィーンが終わったらクリスマス、26日からはお正月、とまるで止まったら倒れるコマの様。近くの公園も紅葉の盛りで、ごく日常の自然の美をしみじみ感じます。
宮部みゆきさん、私も大ファンですが、最近、欧米で悪質なピエロが出没するニュースを見て、ゲイシーが現実に現れた!と恐怖心が湧き起りました。「たまむすび」も聞いてみましたが、久世光彦さんの「怖い絵」も読んでみたくなりました。
返信する
Unknown (みなさま(kyoko))
2016-11-15 22:31:25
carpediemさん
 ヨーロッパの人たちは不便を楽しむというステキな部分を残していますよね。日本も昔はそうで、「楽しみに待つ」というキラキラした時間を大切にしていたのになあ。。。

pascinさん
 北海道の初雪は10月ですもんね。ユキムシもたくさん飛ぶ時期がありましたが、まだいるでしょうか、雪虫、、、もうずっと見ていません。

うさこママさん
 「止まったら倒れるコマの様」、言い得て妙です! こんなに先へ先へと追い立てられるので、歳を取るのが早く感じられるのかも。もっとゆっくりいきたいものです。
返信する
Unknown (マリー)
2016-11-16 13:33:10
同感致します!25年ドイツに住んでいましたが、今では当時「不便」と感じていたことがとても懐かしく思います。朝起きたらゆっくりとコーヒー豆を挽き、慌ただしい中にもちょっとしたゆとり生活を取り入れる。5月になるとホワイトアスパラとイチゴのシーズンなのでこの二つを1年分食べたおす。シーズンを待つ喜び、楽しみがありました。日本ではいつでも何でも手に入りますが、すべてが”当たり前”で心から何かを待ちわびるという想いがなくなるのは寂しいですね。
返信する
ハレとケ (豆吉)
2016-11-16 21:11:42
同感!
全く同感!でございます。
普段を抑えることが、特別な日の幸福感培増の近道です。
返信する
正月=何もしない日 (ひでかず)
2016-11-16 23:56:49
「元旦には家の掃除をするものではない」と,昔の年寄りから聞いたおぼえがあります.お節料理というのも,いまではデパートなどが高価なお重を販売しているので,正月だから豪華な食事をするのだと考えるひとが多いかともおもいますが,あれは年末に作り置きしたものを食べる,すなわち正月早々から炊事や調理といった雑事をするのを避けるということに,元来の意味があったのではないでしょうか.
返信する
Unknown (みなさま(kyoko))
2016-11-19 09:38:59
マリーさん
 長くドイツ生活でいらっしゃったのですね。日本に帰るたび、都会の街並みが激変しているのに驚かれたのではないでしょうか。日本人はとりわけ建物を大事にしませんものね~

豆吉さん
 お久しぶり♪
 おっしゃるとおり、「便利な生活は特別な日のない生活」ですよね~

ひでかずさん
 そういえば高知の皿鉢料理も、女性が給仕にあわただしくせず、男性といっしょに楽しく飲食するためのもの、と聞いたことがあります。お正月もそうだったんですね!
 
返信する

コメントを投稿

雑記」カテゴリの最新記事