朝日新聞ブログ「ベルばらkidsぷらざ」で連載中の『世界史レッスン』第９９回目の今日は、「敵国の元帥を国王に」⇒ http://bbkids.cocolog-nifty.com/bbkids/2008/02/post_f255.html
スウェーデンの現ベルナドット王朝について書きました。
オーストリアのナポレオン嫌いを反映してか、著名な文化史家であるパウル・フリッシャウアーは、こう書いている、
「ナポレオンは、彼が立身するまでは衣食にもこと欠いた家族の小市民的根性からついに抜け出せなかった」
「貴族的なロココのフランスを市民化したのは、革命でも総裁政府でもなく、王冠で満足せずに皇帝としてヨーロッパの支配者たちの元首になろうとした、落ち着きない成り上がり者である」
「ナポレオン風の豪華は外装であり、伝統的な生活技術を欠く不自然なファサードにすぎない。皇帝はさまざまな恩恵を与えるといって、革命を生きのびた貴顕男女を宮廷に呼び寄せようとしたが、それもさっぱり効き目がなかった。そういう人たちには、帝位についた成り上がり者の環境が、彼自身感じていたのと同じように、快く感じられなかったのである」
全くさんざんの言われようだ。もっとひどいのは、
「当時のもっとも偉大な人物である彼が、セントヘレナで死んだ後の検証によれば、きわめて小さい、ほとんど退縮したと行ってもよいくらいの・・・・持ち主であったことに起因するのかもしれない。性的に不完全だという感情に苦しめられ、衝動を十分に満足させられなかった彼であればこそ、平和よりも戦争を好んだとも考えられる」
新聞で読んだことがあるが、ナポレオンの遺体解剖した医師が密かに彼の身体の一部を切り取って保存、後にそれが実際にサザビーズにかけられたが、買った者はいなかった由。売買されるというところが凄すぎる！
☆『怖い絵』、５刷中。
☆☆年始の「週刊現代」で、桜庭一樹さんが書評してくださいました♪
☆マリーもお忘れなく！(ツヴァイク「マリー・アントワネット」（角川文庫、中野京子訳）
スウェーデンの現ベルナドット王朝について書きました。
オーストリアのナポレオン嫌いを反映してか、著名な文化史家であるパウル・フリッシャウアーは、こう書いている、
「ナポレオンは、彼が立身するまでは衣食にもこと欠いた家族の小市民的根性からついに抜け出せなかった」
「貴族的なロココのフランスを市民化したのは、革命でも総裁政府でもなく、王冠で満足せずに皇帝としてヨーロッパの支配者たちの元首になろうとした、落ち着きない成り上がり者である」
「ナポレオン風の豪華は外装であり、伝統的な生活技術を欠く不自然なファサードにすぎない。皇帝はさまざまな恩恵を与えるといって、革命を生きのびた貴顕男女を宮廷に呼び寄せようとしたが、それもさっぱり効き目がなかった。そういう人たちには、帝位についた成り上がり者の環境が、彼自身感じていたのと同じように、快く感じられなかったのである」
全くさんざんの言われようだ。もっとひどいのは、
「当時のもっとも偉大な人物である彼が、セントヘレナで死んだ後の検証によれば、きわめて小さい、ほとんど退縮したと行ってもよいくらいの・・・・持ち主であったことに起因するのかもしれない。性的に不完全だという感情に苦しめられ、衝動を十分に満足させられなかった彼であればこそ、平和よりも戦争を好んだとも考えられる」
新聞で読んだことがあるが、ナポレオンの遺体解剖した医師が密かに彼の身体の一部を切り取って保存、後にそれが実際にサザビーズにかけられたが、買った者はいなかった由。売買されるというところが凄すぎる！
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☆☆年始の「週刊現代」で、桜庭一樹さんが書評してくださいました♪
☆マリーもお忘れなく！(ツヴァイク「マリー・アントワネット」（角川文庫、中野京子訳）
オークションっていうのはすごいですね。
そういえば、あの一流サッカー選手も、自分の毛束を
オークションに出したんですよね。その後、どう
なったのかは不明ですが。
でも、ナポレオンの身体の一部なんて、高値で
落札されそうなのに、売れなかったんですね。
不思議。ヒットラーのだったら、高く売れたかも？？
ヒトラーが、死後、遺体を完全焼却させたのは、こういうことまで考えたのかな？
ヨーロッパは土葬なので、有名人は棺に入った後も、どんな輩にどんな目にあわされるかと思って不安なのじゃないかしら。
裏切る側には、それ相応の不満があったのだろうし、ゲーテを見て、「これぞ人間」と言ったナポレオンの側も、自らの育ちの限界が分かっていたということではないですか。
ゲーテは、大臣になる以前から、市民としては、裕福で教養ある階級だったのですから。
そう思うと、日本の江戸時代以前、ないしはその名残のある身分社会も、捨てたものではないような気も……。日常生活を切り詰めてまで、文化保存に貢献するような、かつての士族の心意気は、今の日本人にはないように思うのですが。
確かにナポレオンから離反していった人間の数は多すぎますね。特に諸外国へ幻滅を与えたのが、皇帝として戴冠したことだと思います。
権力を掌握するまでは魅力的でも、その後がちょっと、という歴史上の人物は数知れずですが、その典型みたいな。。。