中野京子の「花つむひとの部屋」

本と映画と音楽と。絵画の中の歴史と。

想像妊娠による結婚

2012年11月13日 | 雑記
 脳科学の本を読んでいると、想像妊娠についての記述がありました。1700年代には200人に1人の割合で想像妊娠があった由。当時の妻たちの、跡継ぎを産まねば、というプレッシャーがそれだけ高かった、ということらしい。現代では1万人に1人だそう。

 想像妊娠するとホルモンに変動をきたし、実際に妊娠したのと同じ状態になる。生理は止まり、つわりが起こり、稀には子宮も拡大するというから、人間の体(脳の働きというべきか)は面白い。

 これに関しては昔、高校の同級生(男子)から直接聞いた話が凄いインパクトだった。

 彼の大学でのゼミ仲間が、つきあっていたOLの女性を妊娠させてしまったというので、まだ学業中だったが(4年生。就職先は決定済み)、結婚した。

 件の我が同級生も結婚式に出たので、おなかの大きな花嫁を見たという。それからまもなく、あれは想像妊娠だったということがわかり、ゼミ内部ではいっとき「女は怖い、気をつけよう」と囁かれたのだとか。

 確かに、その想像妊娠がなければ、男性のほうは結婚を急ぎはしなかっただろう。とはいえ女性も騙すために想像妊娠したわけではなく、結婚したい、したい、そのためには赤ちゃんがほしい、ほしい、という思いがそういうことになったのだろう。。。でもやっぱり凄いことは凄いけど。。。

 「ハプスブルク12の物語」にも書きましたが、フェリペ2世と結婚したイングランドのメアリ女王も、おなかが膨れてきたので妊娠したと大喜びしたのでしたが、それはけっきょく悪性癌でした。こちらは悲しい結末でした。

 でももしふたりの間に子が生まれていたら、イングランドもスコットランドも全てスペイン・ハプスブルク家の領土になったわけで、それはそれでよかったどうか、判断の難しいところですわね。


☆「二代目・青い日記帳」に「イエス・キリストの物語」紹介が載りましたのでお読みくださいませ♪

 http://bluediary2.jugem.jp/?eid=3047


☆☆2013年の講演会予定。

1月19日(土)
千葉市朝日カルチャー

2月23日(土)
姫路市立美術館

3月2日(土)
名古屋朝日カルチャー


☆最新刊「怖い絵 死と乙女篇」(角川文庫)
2刷になりました♪

怖い絵  死と乙女篇 (角川文庫)


☆最新刊「名画と読む/イエス・キリストの物語」(大和書房)
2刷になりました♪

名画と読むイエス・キリストの物語



☆「マリー・アントワネット 運命の24時間
    ~知られざるフランス革命ーヴァレンヌ逃亡」(朝日新聞出版社)
 新聞評⇒http://chroniclelibrary.blogspot.jp/2012/04/asahi-shohyo_5455.html
     
マリー・アントワネット 運命の24時間 知られざるフランス革命ヴァレンヌ逃亡

☆「危険な世界史 運命の女篇」(角川書店) 2刷中。
危険な世界史 運命の女篇

☆「危険な世界史 血族結婚篇」(角川文庫)4刷になりました♪
危険な世界史 血族結婚篇 (角川文庫)

☆「怖い絵 泣く女篇」(角川文庫)~「怖い絵2」の文庫化~
5刷になりました♪
     怖い絵 泣く女篇

☆『中野京子と読み解く 名画の謎 ギリシャ神話篇』(文藝春秋) 3刷になりました♪
 中野京子と読み解く名画の謎 ギリシャ神話篇
(画像をクリックするとアマゾンへゆきます)
文春「本の話」から、「自著を語る」(「謎が解けたら、絵画は最高のエンターテインメントになる」)はこちら

http://www.bunshun.co.jp/jicho/1104nakano/index.htm

☆「印象派で「近代」を読む ~光のモネからゴッホの闇へ~」(NHK新書)2刷中。
印象派で「近代」を読む―光のモネから、ゴッホの闇へ (NHK出版新書 350)

☆「『怖い絵』で人間を読む 」(NHK出版生活人新書) 8刷中。

「怖い絵」で人間を読む (生活人新書)

☆「名画で読み解く ハプスブルク家12の物語」(光文社新書)
15刷中。
名画で読み解く ハプスブルク家12の物語 (光文社新書 366)

☆「芸術家たちの秘めた恋 ―メンデルスゾーン、アンデルセンとその時代 (集英社文庫)
芸術家たちの秘めた恋 ―メンデルスゾーン、アンデルセンとその時代 (集英社文庫 な 53-1)
「週刊朝日」書評⇒ http://book.asahi.com/reviews/column/2011100300004.html


☆「残酷な王と悲しみの王妃」(集英社) 2刷中。
 レンザブローで本書についてインタビューが載っています。お読みくださいね!⇒ http://renzaburo.jp/(「特設サイト」をクリックしてください)

残酷な王と悲しみの王妃


☆光文社新書「名画で読み解く ブルボン王朝12の物語」4刷中。

名画で読み解く ブルボン王朝 12の物語 (光文社新書 463) 


☆「怖い絵」16刷中。

怖い絵

☆「怖い絵2」、9刷中。

怖い絵2

☆「怖い絵3」 6刷中。

怖い絵3


☆「危険な世界史」(角川書店) 5刷中。
危険な世界史


「おとなのためのオペラ入門」(講談社+α文庫)
おとなのための「オペラ」入門 (講談社プラスアルファ文庫)

☆「恐怖と愛の映画102」(文春文庫)
 
 恐怖と愛の映画102 (文春文庫)

☆「歴史が語る 恋の嵐」(角川文庫)。「恋に死す」の文庫化版です。

歴史が語る 恋の嵐 (角川文庫)

sai





















 
コメント (8)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 講演会車中の読書 | トップ | NHK『検索deゴー;世界遺産ミ... »
最新の画像もっと見る

8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
テラコッタ (pascin)
2012-11-13 11:17:18
昨日小樽在住の彫刻家の講演を聴きました。
自然体の親しみやすいお話ぶりに聴き入りました。
海外での展覧会ではお国柄が出ていて、
中国では何日もかけて会場に駆けつけた青年、パリでは来館者が作家そっちのけで作品や会場を占領?して戸惑ったこと、そして感想文のひとつに『美しいものに壊れやすさが加わると より美しく感じる』と・・その彫刻家はブロンズの他テラコッタの彫像があり、これがとても好評で、この言葉にご本人はとても感激された由・・作品を通して自分を表現する側には最高の賞賛と思いました。
返信する
こんにちは (AYA)
2012-11-14 19:30:27
想像妊娠のお話、怖いですね。私もすぐメアリー女王が浮かびました。子供の頃から苦労し通しの彼女の生涯を思う(ブラッディメアリー時代は除いて)と、フェリペに妊娠を告げて想像妊娠とわかった時の絶望感は察するにあまりあります。女性には過酷な時代だったのでしょうね…。
それにしても、メアリーにも、続くエリザベス女王にも子供がいないとは何とも皮肉ですね。もし彼女達の血を受け継ぐ子孫がいたら、かなり強烈だったのでは?と想像してしまいますね!
返信する
Unknown (pascinさん&AYAさん(kyoko))
2012-11-14 21:57:26
pascinさん
 自己主張の強いフランス人らしいエピソードですねえ。ちょっと思い出しましたが、以前、大学生の国際比較を企てた心理学の先生が言っていたことです。ドイツの大学の学生たちは、簡単な心理アンケートに答えるだけでも礼金をもらうのは当然とするので、研究費が足りなくなって困った、と。

AYAさん
 もしメアリーが世継ぎをなしていたら、エリザベス一世は歴史に登場できず、全く別の世界になってしまったわけですよね。不思議な感覚。。。


返信する
遅ればせながら… (mid mid)
2012-11-17 09:45:40
「イエス・キリストの物語」についてコメントさせていただきます。カトリックの家に生まれ、学校も含めると何十年もキリスト教や聖書に触れてきたはずの私ですが、何にもわかっていなかったことをわかってしまった衝撃の一冊でした!クリスチャンではない中野先生が、客観的に様々な角度から考察するイエス・キリスト像は大変興味深く、今まで点でしかなかった知識が線になり、まさに腑におちた感じです。学生時代ですら真面目に聖書を読んでみようなんて思わなかったのに(意外とそんなもんです…)私に聖書を読んでみようと思わせるこの本はスゴイと思いました。しかも先生のサイン入り!これぞ我が家のバイブルとして、末代まで家宝にします☆
返信する
Unknown (しなの)
2012-11-18 09:49:33
はじめまして^^
17日にテレビをつけたところ、中野先生がテレビに出演されてたので驚きました。
最近、西洋美術に興味を持ち始めて、「名画の謎」を読見終えた所で、どんな方か気になっていたところでした。
とっても可愛いお顔とキレイな肌の素敵な方ですね。
姫路での講演会絶対行くつもりです。楽しいお話生で聴くのが今からすっごく楽しみです(^O^)/
返信する
Unknown (mid midさん&しなのさん(kyoko))
2012-11-18 18:05:37
mid midさん
 わあ、そう言っていただけてすご~く嬉しいです♪今回、聖書をいろんな訳で読みましたが、わたしとしてはやはり文語訳が一番良かったです。

しなのさん
 ご訪問、ありがとうございます。姫路の講演会へも来ていただけるとのこと、嬉しいです♪
 テレビでは、メイクの方が少しでも実物より良くしようと、頑張ってくださいました。。。 
返信する
NHK (うさこママ)
2012-11-18 21:40:26
昨晩、何げなくTVをつけたら、エエッ!冒頭は見逃しましたが、楽しめました。これまでTV出演の時は予告がありましたが、体調不良と多忙が重なり、お忘れになったのでしょうね。私も先月、久々の京都を満喫。行きたい所があり過ぎて心残りでしたが、旅も予習・復習によって、ますます興味が増し、すぐに再訪したくなります。
「銀座百点」の連載、すごくうれしいです。中身の濃さ、面白さに読む度、さすが銀座!と、無料で読める有難さを感じますし、新たな発表媒体で、美術や歴史と縁が薄い読者にもアピールする事でしょうね。
返信する
Unknown (うさこママさん(kyoko))
2012-11-20 09:35:43
 「銀座百点」は1月号からの連載なので、来月発売です♪ この老舗小冊子はわたしも銀座で食事するたびに読んでいました。ピンポイントの読者向けなのに、さすが銀座、愕くほどの発行部数の多さです。
返信する

コメントを投稿

雑記」カテゴリの最新記事