中野京子の「花つむひとの部屋」

本と映画と音楽と。絵画の中の歴史と。

あまり近づかないでね!

2006年03月27日 | 雑記
 国によって人種によって、人の距離感というのはずいぶん違う。居心地よいテリトリーの範囲がまちまちだからだ。

 このことは少しでも外国人と接した人なら誰でも気づくことだろう。しかし面白いのは、語学の教員も、長くやっているうち次第に専門言語のメンタリティに近づいてゆくらしいこと。

 ドイツ人と日本人は微妙な離れぐあいが似ているので、わたしとしては助かる。ラテン系はやはりくっついてくるんですね、これが。

 知人のスペイン語教員。彼女のばあいはとりわけ南米に長くいたせいもあってか、お化粧やファッションもなかなか日本人離れしているのだが、身振り手振りは完全にラテン。そしてどんどん近づいてくるのです。

 初対面はペンクラブのパーティ。飲みものの載った小テーブルのそばで、最初は歓談していたのです。ところがしゃべっているうちわたしはどうにも居心地が悪くなり、彼女から少し離れる、すると今度は彼女が不安になるらしくて、また距離を縮めてくる。離れる、くっつく、離れる、くっつく・・・とやっているうちに、とうとうわたしは壁際に追い込まれてしまったではありませんか。

 これってもともとラテン気質だから専攻もそうなるのか、専攻言語ゆえにラテン的になってしまったのか、どちらが先かわからないという意見もありますが。





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4 コメント

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最近読んだ新書 (Black Cat)
2006-03-27 22:24:54
小林標『ラテン語の世界 -ローマが残した無限の遺産-』中公新書,先月,は幾つか「ヘーッ」がありました。すでに知識として知っていることでも,それについて納得できる説明をしてもらえると,喉のつかえが取れたよう。言語学を知らない僕としては,たとえば「ラテン語は屈折語」は良いとして,「日本語は膠着語」っていうんだ,とか。
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Unknown (Black Catさんへ(kyoko))
2006-03-27 23:26:58
膠着語を使っているのに、くっつくのは嫌がる日本人は変?とか?
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地域によっても (遅咲くら )
2006-03-28 08:02:16
 日本語って膠着語なのですか。

 語感からいくと、屈折語のような気がしないでもないです、素人考えですが。

 地域によっては、京都など屈折語という感じがします。

 単細胞のわたしは、率直語がいいな。
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率直語 (遅咲くらさんへ(kyoko))
2006-03-28 10:02:37
あはは。率直語っていいですね。

京都は「ぶぶ茶飲んでおいきやす」と言って、「お言葉に甘えて」とやると軽蔑されるとか聞きましたが、確かに屈折してるわなあ・・・
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