中野京子の「花つむひとの部屋」

本と映画と音楽と。絵画の中の歴史と。

シンデレラと纏足

2018年01月09日 | 
 明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしく。すばらしい年になりますように!

 去年暮れに怖い絵展関連で知ったこと。

・讀賣新聞「俳壇」で選者の正木ゆう子氏が選んだ一句。

 風邪引くものこのこ行くや怖い絵展 ― 鳥畑 泉

 わあ~い、嬉しいですね、俳句に詠まれるなんて🎵

・スターバックスのロゴは人魚とばかり思っていましたが、セイレーンなのだそうです。

・ツィッターで「怖い絵展にマイティ・ソーがいた!」と書いている人がけっこういましたが、わたしはずっと「ソウ」という映画のパート5とか6かと思っていました。「強力なノコギリ」、そんなものは飾っていないはずなのに・・・と。
 なんと、ソーは北欧神話の「トール」のことだとやっとわかりました。英語読みはやめてほしい。ハリウッド映画のようです。

 話変わって、年末には新著「100分de名著別冊シンデレラ」の講演をしました。シンデレラの最古の文献が中国のものであり、シンデレラの誰にも履けない靴は、彼女が纏足の可能性も示唆するとの話をしました。

 そしてサイン会の時。70歳という女性からこんな体験を教えていただきましたーー

 彼女がまだ小さなころ、住んでいた地域には中国人がたくさんいたそうです。銭湯で、年を取った中国人女性が介護の人に助けられながら入ってきたので、ふとその足を見ると纏足だったというのです。もちろん当時の彼女は幼すぎたのでその言葉を理解するのはずっと後のことでしたが、強烈な印象だったといいます。

 纏足は20世紀初期まで行われていたのですから、そういうこともあるわけですが、意外と近い過去なのだなという驚きとともに、纏足をした女性が老いると歩けなくなるのは当然なのにあまりそこまで考えなかった自分にも驚きました。グリムのシンデレラの、「王族になったら自分で歩く必要はない」という継母の言葉もリアルに感じられましたね~

 東洋経済でシンデレラのインタビューが掲載されているのでお読みくださいませ。

http://toyokeizai.net/articles/-/202855


☆☆今後の講演会

・1月13日(土)15時~ 「21世紀の<ヌード>」TKPガーデンシティ神保町プレミアムガーデン
https://www.shueisha.co.jp/artgallery/event

・2月3日(土)15時~ 朝日カルチャー立川 「ヌード かぐわしき夢」
https://www.asahiculture.jp/tachikawa/course/34632a93-3298-66be-1303-59e6ebe309e4

・3月10日(土)13:30~15:00
「プラド美術館展の見どころ」【お申込み】よみうりカルチャー事業担当(03-3642-4301)
【会 場】よみうり大手町スクール(読売新聞社3階)


・4月4日(火) 札幌JRタワーおとな大学 第31回開講


☆☆月刊「文藝春秋」連載「中野京子の名画が語る西洋史」のオンライン化
http://bunshun.jp/articles/-/4976

☆最新刊「別冊NHK100分de名著 読書の学校 中野京子 特別授業 『シンデレラ』 (教養・文化シリーズ)
https://www.amazon.co.jp/%E5%88%A5%E5%86%8ANHK100%E5%88%86de%E5%90%8D%E8%91%97-%E8%AA%AD%E6%9B%B8%E3%81%AE%E5%AD%A6%E6%A0%A1-%E4%B8%AD%E9%87%8E%E4%BA%AC%E5%AD%90-%E3%80%8E%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%83%87%E3%83%AC%E3%83%A9%E3%80%8F-%E6%95%99%E9%A4%8A%E3%83%BB%E6%96%87%E5%8C%96%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA/dp/4144072274/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1511829309&sr=1-1

☆「名画で読み解く イギリス王家12の物語」(光文社新書)4刷になりました🎵
 https://www.amazon.co.jp/dp/4334043135/

☆『怖い絵のひみつ』(KADOKAWA) 4刷になりました🎵
name="amazletlink" target="_blank"> alt="怖い絵のひみつ。 「怖い絵」スペシャルブック" style="border: none;" />


☆『中野京子と読み解く運命の絵」(文藝春秋) 2刷になりました🎵
name="amazletlink" target="_blank"> alt="中野京子と読み解く 運命の絵" style="border: none;" />

☆「新 怖い絵」(角川書店) 10刷になりました🎵
target="_blank">

☆「名画と読むイエス・キリストの物語」(文春文庫)

時代小説作家の千野隆司氏がHPで紹介してくださいました♪

http://blog.livedoor.jp/chino17jidai/archives/52067341.html#comments

☆「美術品でたどる マリー・アントワネットの生涯」(NHK新書)
美術品でたどる マリー・アントワネットの生涯 (NHK出版新書 497)

☆「名画の謎 旧約・新約聖書篇」(文春文庫)

名画の謎 旧約・新約聖書篇 (文春文庫 な)
  『弐代目 青い日記帳』さんがさっそく紹介してくださいました♪ 3月6日のページです。
http://bluediary2.jugem.jp/


☆「残酷な王と悲しみの王妃 2」(集英社)

残酷な王と悲しみの王妃2
担当者さんが紹介してくれました♪


http://renzaburo.jp/shinkan_list/temaemiso/151023_book01.html


☆『「絶筆」で人間を読む - 画家は最後に何を描いたか』(NHK出版新書)
 3刷になりました♪

「絶筆」で人間を読む―画家は最後に何を描いたか (NHK出版新書 469)

☆「中野京子と読み解く 名画の謎 対決篇」(文藝春秋)3刷になりました🎵
<a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4163903089/hanatumuhiton-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank">中野京子と読み解く 名画の謎 対決篇
「青い日記帳」さんが紹介してくださいました。素敵な紹介で嬉しいです♪
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=4050

☆文藝春秋WEBサイトでは、短いですけどわたしのインタビュー記事も載りました。お読みくださいね!→http://hon.bunshun.jp/articles/-/3935


☆「名画の謎 ギリシャ神話篇」(文春文庫) 2刷になりました🎵

名画の謎 ギリシャ神話篇 (文春文庫)


☆「愛と裏切りの作曲家たち 」(光文社知恵の森文庫)

愛と裏切りの作曲家たち


☆「マンガ西洋美術史03」(美術出版)

マンガ西洋美術史03 「市民社会」を描いた画家」 ブリューゲル、フェルメール、ホガース、ミレー、ゴッホ



☆「マンガ西洋美術史02」(美術出版社)
マンガ西洋美術史02「宗教・神話」を描いた画家  ボッティチェリ、ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロ、ティツィアーノ、エル・グレコ、ルーベンス


☆「危険な世界史 運命の女篇」(角川文庫) 3刷になりました。

危険な世界史 運命の女篇 (角川文庫)

☆「マンガ西洋美術史01」監修(美術出版社)
マンガ西洋美術史01 「宮廷」を描いた画家 ベラスケス、ヴァン・ダイク、ゴヤ、ダヴィッド、ヴィジェ=ルブラン


☆「ヴァレンヌ逃亡」(文春文庫)
ヴァレンヌ逃亡 マリー・アントワネット 運命の24時間 (文春文庫 な 58-2)


☆「名画で読み解く ロマノフ家12の物語」(光文社新書)4刷になりました♪

名画で読み解く ロマノフ家 12の物語 (光文社新書)   

☆「印象派のすべて」(宝島社別冊ムック)
印象派のすべて (別冊宝島 2200)

☆「名画に見る 男のファッション」(角川書店)
名画に見る男のファッション (単行本)

☆「橋をめぐる物語」(河出書房)
中野京子が語る 橋をめぐる物語

☆「中野京子と読み解く 名画の謎 陰謀の歴史篇」(文藝春秋) 3刷になりました♪
中野京子と読み解く 名画の謎 陰謀の歴史篇

☆「残酷な王と悲しみの王妃」(集英社文庫)4刷になりました♪
残酷な王と悲しみの王妃 (集英社文庫)

☆「怖い絵」(角川文庫) 単行本に新しく書き下ろし2作を加え、全22作品です。14刷になりました🎵 怖い絵  (角川文庫)

☆「はじめてのルーヴル」(集英社)2刷になりました🎵 はじめてのルーヴル (集英社文芸単行本)

☆「名画の謎 旧約・新約聖書篇」(文藝春秋) 5刷になりました🎵
中野京子と読み解く 名画の謎 旧約・新約聖書篇

☆「怖い絵 死と乙女篇」(角川文庫) 12刷になりました🎵 怖い絵  死と乙女篇 (角川文庫)

☆最新刊「名画と読む/イエス・キリストの物語」(大和書房) 3刷になりました🎵
名画と読むイエス・キリストの物語

☆「危険な世界史 運命の女篇」(角川書店) 2刷になりました🎵
危険な世界史 運命の女篇

☆「危険な世界史 血族結婚篇」(角川文庫)9刷になりました🎵
危険な世界史 血族結婚篇 (角川文庫)

☆「怖い絵 泣く女篇」(角川文庫)~「怖い絵2」の文庫化~ 17刷になりました🎵
怖い絵 泣く女篇 (角川文庫)

☆『中野京子と読み解く 名画の謎 ギリシャ神話篇』(文藝春秋) 7刷になりました🎵
中野京子と読み解く名画の謎 ギリシャ神話篇


☆「印象派で「近代」を読む ~光のモネからゴッホの闇へ~」(NHK新書)6刷になりました♪
印象派で「近代」を読む―光のモネから、ゴッホの闇へ (NHK出版新書 350)

☆「『怖い絵』で人間を読む 」(NHK出版生活人新書) 16刷になりました🎵
「怖い絵」で人間を読む 生活人新書


☆光文社新書「名画で読み解く ブルボン王朝12の物語」 8刷になりました♪
名画で読み解く ブルボン王朝 12の物語 (光文社新書)

☆「名画で読み解く ハプスブルク家12の物語」(光文社新書) 22刷になりました🎵 名画で読み解く ロマノフ家 12の物語 (光文社新書)

☆「芸術家たちの秘めた恋 ―メンデルスゾーン、アンデルセンとその時代 (集英社文庫)
芸術家たちの秘めた恋 ―メンデルスゾーン、アンデルセンとその時代 (集英社文庫)

☆「おとなのためのオペラ入門」(講談社+α文庫) 3刷になりました🎵 おとなのための「オペラ」入門 (講談社+α文庫)

☆「恐怖と愛の映画102」(文春文庫)
恐怖と愛の映画102 (文春文庫)

☆「歴史が語る 恋の嵐」(角川文庫)。「恋に死す」の文庫化版です。
歴史が語る 恋の嵐 (角川文庫)

^^^^^^^^^^^^^^^^
☆以下の単行本は絶版としました。文庫本をお求めくださいまし~

☆「怖い絵」16刷中。怖い絵

☆「怖い絵2」、9刷中。 怖い絵2

☆「怖い絵3」 6刷中。 怖い絵3










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9 コメント

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今年もよい年になりますように! (大和田繭)
2018-01-09 13:35:33
中野先生、新年おめでとうございます♪

今年もよい年になりますように祈りつつ、先生について行きたいと思います!

纏足のお話は以前、中国の伝記のようなもので読んだことがありますが、シンデレラに通じるとは想像だにしませんでした。
足がむくんでいる時にヒールを履くと纏足している気になってましたが、そんな甘っちょろい話ではなかったのですね。

先日、読んでいた本で、ビーナスのことをラテン語でヴェヌス?と書かれていて、誰やねんと戸惑いました。わりと普通に知られているなら恥ずかしいんですけど、はじめて知りました。

今年も先生にたくさん教わりたいです。どうぞよろしくお願い致します!!
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Unknown (大和田繭さん(kyoko)
2018-01-10 18:33:52
  ラテン語ではウェヌスと濁らないので、「ヴェ」と書いてあったとしたら英語読みに引っ張られたのかも。Freudも昔はフロイドと英語混じりでしたね。ドイツ語は語末のdは濁らないので「フロイト」なんですが。。。ボッシュがボスになったのも、なんだか「上司」みたいで違和感が。。。
 そんなこんなですが、今年もよろしくね♪
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Unknown (かえ)
2018-01-11 22:45:30
あけましておめでとうございます。ことしも先生にとって、良い年になりますようにお祈りいたします。ところで、去年買ったソドムとゴモラの絵葉書を本のしおりにして大切に使わせていただいています。
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セイレーン (トクちゃん)
2018-01-13 16:39:17
京子さん 今年も絵画の楽しさを教えてくださいね。
よろしくお願いします。
スターバックスのマークがセイレーンだと知り、タンブラーを購入してしまいました・・・。
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Unknown (かえさん&トクちゃんさん(kyoko))
2018-01-14 12:12:09
かえさん
 ふたりの巨大天使像ですね。絵葉書を栞にする発想がなかったので、あんがいいいかも♪ 怖い絵の絵葉書はちょっぴり出しにくいですもんね。

トクちゃんさん
 スターバックスという名の由来もネット情報ですが、「白鯨」の登場人物だそうです(一人なのでSが付くのは変ですが)。それに船を沈めるセイレーンをロゴにするという発想もなかなかどう
も。。。
返信する
講演会 (うさこママ)
2018-01-15 22:32:12
土曜日の講演会も、とても興味深い内容で、当選したのをうれしく思いました。中野さんの通常の
講演と比べて男性が多く感じられたのは、企画の為でしょうか。確かに「ヌード」というテーマは
泰西名画の女性を描いた絵がメインですが、今の時代を反映した対象は当然ですね。フリーダ・カーロやタマラ・ド・レンピッカも大型スクリーンではドキッとしましたが、<新怖い絵>で見た「折れた背骨」、<名画の謎>の「ある男の肖像」でのレンピッカの生涯を思い出し、うれしかったです。「ダンテとウェルギリウス」、私も最近、見た気がして、巨大な画面と戦う男たちの凶暴さが強烈でしたが、数年前の新国立のオルセー展だったかもしれませんね。
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Unknown (うさこママさん (kyoko))
2018-01-16 11:31:01
 ご参加いただきありがとうございました~
 200人定員のところ980人の応募があり、ランダムに選んで男性が多かったということなのかしらん。画集を買ってくださったのも男性が多かったです。
 ブグロー、そうです。オルセー展でした!
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シンデレラと纏足 (貴名)
2018-02-05 10:04:28
とても興味深く読ませて頂きました。よく「昔話は深い」と言われますが、先生の様な方に解説して頂くと、より深く掘り下げられた内容を知る事ができ、うれしい限りです。さっそく『100分de名著別冊シンデレラ』も買って読まねば!伝説・昔話好きとしては、非常に楽しみです。
ところで、先生のお話を読んで突然思い出した事があります。以前の会社の同僚で、80年代終わりに中国に留学し、その後も駐在で日本と中国を行ったり来たりしている人がいたのですが、彼は纏足の女性を見た事があるそうです。どういう状況だったのかは不明ですが、見かけただけでなく、纏足も見せて頂いたそうなので、授業かなにかだったのかもしれません。文系の人ではないので、深いコメントは聞けませんでしたが。
さすがにもう今は纏足の女性はいらっしゃらないでしょうが、80~90年代には確実に纏足の女性が生きておられたのですね。こういう話を聞くと、歴史のひとこまが強烈に身近に感じられます。
返信する
Unknown (貴名さん(kyoko))
2018-02-06 10:03:17
 80年代末! すごいですね。50年代の目撃譚でも驚いていたのに。。。宦官より纏足のほうが長く続いていたのでしょうね。思えば日本は古来さまざまなシステムを中国から導入してきましたが、科挙と宦官と纏足を拒否してくれて、しみじみありがたいです。
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