朝日新聞ブログ「ベルばらkidsぷらざ」で連載中の「世界史レッスン」第126回の今日は「コレラの時代」⇒ http://bbkids.cocolog-nifty.com/bbkids/2008/09/post_06d5.html#more
江戸時代に日本でも3度大流行をみましたが、その中でも最大規模だった「安政ころり」について書きました。あまりにひどい病気のため、「狐狼狸(ころり)」という漢字を当てて怖れていたようです。
日経新聞連載「美の十選」では、
昨日1日(月)リゴー「ルイ14世」
今日2日(火)ベラスケス「王妃マリアナ」を書きました。
さて、映画の「コレラの時代の愛」についてですが、これはわたくし的にはとても面白かった! ガルシア・マルケスのは「エレンデラ」にせよ「キング罪の王」にせよ、何というか、ものすごく違和感を覚え、南米の苛烈な世界観はかなわないなあ、という感想しかなかったのですが、本作は違いました。
違和感はもちろんあるのです。リアリズムと法螺話の混交、ユーモアと悲惨の混交が、日本人的文脈とは相容れないものですからなかなかすんなり受け入れられず、ちりちり皮膚を刺される感じなのですが、「愛」というテーマはそれら小さな差異を圧倒するのでしょうか、数々のありえない話の積み重ねの後に、ふいに愛の真実が立ちのぼる、といった深い感動を覚えました。
50年以上も愛し続ける、というのは抽象的にはありえても、リアルな現実を思えば、相手の女性は70歳を越えているわけです。それでもなお彼女とベッドインしたいと願う心も抽象的にはありえても、リアルな現実では、自分も彼女の肉体も、早い話、老いさらばえているわけです。
映画は(もちろん特殊メイクですけど)、そんな彼女の、老いてしなびた肉体、シミの浮き出た肌を、敢えてスクリーンに映し出します。前半で観客は彼女の若いころの輝く裸体を眼にしていますから、主人公がその美しかったころの彼女の姿は知らず、今初めて見る体がこれなのだ、と思うとどうしても哀れを覚えしまう。でもそれは凡人の感覚でしかない。
続くベッドシーンには、涙があふれてしまいました。
主人公の法悦が、熱風のように吹き付けてきて。。。。。
「恋は恩寵です」ーー彼は恋文にそう書きましたが、ほんとうにほんとうにそうなのだと納得させられたのでした。
☆最新刊「ハプスブルク家 12の物語」(光文社新書)、3刷になりました♪
担当編集者さんを同じくする宮下誠さんが、ご自身のブログでご紹介くださいました。⇒ http://ameblo.jp/kegel/entry-10130612338.html
☆最新刊「危険な世界史」(角川書店)
2年分の世界史レッスン(100エピソード)の書籍化です♪
☆「怖い絵2」、東海テレビの「書店員さんのいちおし本」で紹介されました。名古屋三省堂の海老原さん、ありがとうございました~!!(この声、届くかな?)
☆『怖い絵』、9刷になりました。ありがとうございます♪
コメントのシステムが変わったらしく、数字を入れなくてはならないようです。その時、文字を半角にして数字を入れないとうまく機能しません(実はわたしも全角で一生懸命何度もやって失敗しました)。お手数ですが、どうぞよろしく!
江戸時代に日本でも3度大流行をみましたが、その中でも最大規模だった「安政ころり」について書きました。あまりにひどい病気のため、「狐狼狸(ころり)」という漢字を当てて怖れていたようです。
日経新聞連載「美の十選」では、
昨日1日(月)リゴー「ルイ14世」
今日2日(火)ベラスケス「王妃マリアナ」を書きました。
さて、映画の「コレラの時代の愛」についてですが、これはわたくし的にはとても面白かった! ガルシア・マルケスのは「エレンデラ」にせよ「キング罪の王」にせよ、何というか、ものすごく違和感を覚え、南米の苛烈な世界観はかなわないなあ、という感想しかなかったのですが、本作は違いました。
違和感はもちろんあるのです。リアリズムと法螺話の混交、ユーモアと悲惨の混交が、日本人的文脈とは相容れないものですからなかなかすんなり受け入れられず、ちりちり皮膚を刺される感じなのですが、「愛」というテーマはそれら小さな差異を圧倒するのでしょうか、数々のありえない話の積み重ねの後に、ふいに愛の真実が立ちのぼる、といった深い感動を覚えました。
50年以上も愛し続ける、というのは抽象的にはありえても、リアルな現実を思えば、相手の女性は70歳を越えているわけです。それでもなお彼女とベッドインしたいと願う心も抽象的にはありえても、リアルな現実では、自分も彼女の肉体も、早い話、老いさらばえているわけです。
映画は(もちろん特殊メイクですけど)、そんな彼女の、老いてしなびた肉体、シミの浮き出た肌を、敢えてスクリーンに映し出します。前半で観客は彼女の若いころの輝く裸体を眼にしていますから、主人公がその美しかったころの彼女の姿は知らず、今初めて見る体がこれなのだ、と思うとどうしても哀れを覚えしまう。でもそれは凡人の感覚でしかない。
続くベッドシーンには、涙があふれてしまいました。
主人公の法悦が、熱風のように吹き付けてきて。。。。。
「恋は恩寵です」ーー彼は恋文にそう書きましたが、ほんとうにほんとうにそうなのだと納得させられたのでした。
☆最新刊「ハプスブルク家 12の物語」(光文社新書)、3刷になりました♪
担当編集者さんを同じくする宮下誠さんが、ご自身のブログでご紹介くださいました。⇒ http://ameblo.jp/kegel/entry-10130612338.html
☆最新刊「危険な世界史」(角川書店)
2年分の世界史レッスン(100エピソード)の書籍化です♪
☆「怖い絵2」、東海テレビの「書店員さんのいちおし本」で紹介されました。名古屋三省堂の海老原さん、ありがとうございました~!!(この声、届くかな?)
☆『怖い絵』、9刷になりました。ありがとうございます♪
コメントのシステムが変わったらしく、数字を入れなくてはならないようです。その時、文字を半角にして数字を入れないとうまく機能しません(実はわたしも全角で一生懸命何度もやって失敗しました)。お手数ですが、どうぞよろしく!
実は、「画家と庭師とカンパーニュ」に続き、ル・シネマのお得意さんとなっております。
ま、家が近いんで……ついつい。
ちょっとプライベートで色々考えるところもあり、凹むこともあり、こういう時は凹んだところを、パワーのあるものをインプットすべし!というのが私の術なので。
そういう意味でも「コレラの……」は観てよかったですね。確かに荒唐無稽であり、リアルとは言い難かったですが、何だろう、読後感がよかったです。
俳優ってのもありますよね。
この人なら、ありかも!って。
ハビエル・バルデムって、すごいなぁ。
一番「ああぁ、わかるー」と思ったのは、成長した二人が再会するシーン。
「今、この瞬間にわかった。あれは幻想だったのね」って言ったでしょう?(汗)
申し訳ないけど、たぶん・・私でも言ってる。
後、音楽がよかったですね!
官能的かつ熱情的とも言える女性の歌には胸が締め付けられました。
サントラ買おうと思います。
バルデムはすばらしい俳優ですね。「海を飛ぶ夢」のあの知的なユーモリストと、「ノーカントリー」の野獣のようなオカッパ殺人鬼と、そして、これ。同一人物とはとても思えません。次が楽しみです。
(プライベートでの凹み、回復いたしますように!さらなる糧となりますように!)
でも、今日は書かねば!
担当編集さんと打ち合わせがあったのですが、彼女も絵画が好きな人なので……一緒に本屋へ。私の大推薦により、怖い絵1,2お買い上げ~!(笑)
私も「ハプスブルク家 12の物語」と「危険な世界史」を買うことができました。
今から楽しみで仕方ありません。
でも……またも悲しい出来事があり、浮いたり沈んだり、ボウフラのようです(涙)
とにかく、中野さんには本当になんと感謝していいかわかりません。私の導き手です。
もろもろお互い頑張りましょうね!
遅ればせながら「怖い絵2」と「危険な世界史」を購入、(「怖い絵」は既に拝読済みです)どちらも面白く、一気に読んでしまいました。
「危険な~」の表紙は「怖い絵2」にも出てたカルロス2世像…
確かにこの絵は怖いですね。絵画としての出来がいいためか、パッと見はそれ程変とも思わなかったのですが、よ~く見るとやはりこの顔は異様なものがありますね。
しかもこれで目一杯美化されてて、実物は多分こんな風にしゃきっと立つ事も出来なかった訳で、うむむ…
「2」も「危険な~」も読んでくださったのですね。ありがとうございます♪
カルロス2世像は数年前上野でプラド美術展をやったとき、来ていたんですよ(たぶんそれが初来日だったんじゃないかしら)。