中野京子の「花つむひとの部屋」

本と映画と音楽と。絵画の中の歴史と。

切り裂きジャック事件の容疑者

2011年10月11日 | 朝日ベルばらkidsぷらざ
 朝日新聞ブログ「ベルばらkidsぷらざ」で連載の「世界史レッスン<映画篇>」第70回の今日は「ファイティング・ホームズ」⇒ http://bbkids.cocolog-nifty.com/bbkids/2011/10/post-43ac.html#more
 ホームズにロバート・ダウニーJr.、ワトソンにジュード・ロウというまさかの(しかしそう悪くもなかった)キャスティングの「シャーロック・ホームズ」について書きました。

 ベースにある切り裂きジャックについてですが、犠牲者は全て売春婦。4人は40代、最後の5人目だけが20代の美女だったといいます。そして彼女の肉体がもっともひどく損壊されていました。

 有力容疑者は、外科医数人、弁護士、画家、宮廷侍医、教師、店員。

 女性(産婆)説もあれば、映画のように黒魔術団の儀式説もあり、有名なのではヴィクトリア女王の孫説もあります。厳重な警戒網の中、堂々と犯行に及んで逮捕されなかったため、有力者だった可能性は確かに無きにしも非ず。

 あの皮肉屋のバーナード・ショーは「犯人は社会改革者」と言っています。売春婦ばかりが狙われたからではありません。こういうショッキングな事件でもない限り、ロンドンの貧民たちの悲惨な状況に誰も関心を向けないからというのです。いかにも彼らしい説ですね!

 さて、先週のクイズの答えですが、「ヒットマンズ・レクイエム」。
 これはヴェネツィアそのものではなく、「北方のヴェネツィア」の異名をもつブリュージュ(「怖い絵」の「見捨てられた町」ですね♪)を舞台にした作品であり、「赤い影」へのオマージュなのです。2本いっしょに見ると面白いですよ。ただしヘンテコ映画なので、好き嫌いははっきり分かれるでしょうけれど。

☆「美の巨人たち」に出演します

放映日10月15日夜10時から(「イカロスの墜落の風景」)

☆10月の講演

10月24日(月)19時~20時半
「公開講座 Theミソ帳倶楽部」(会員以外でも大丈夫です)
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⇒ http://www.scenario.co.jp/miso/top.html#中野


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sai
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