いま上野で展覧中の「ナポリの宮廷と美/カポディモンテ美術館展」ですが、この王宮を建てたのはナポリ王カルロ7世となっています。
この王の名前にはあまりピンとこないと思いますが、要するに、スペイン・ブルボン家のカルロス3世のことです。
ゴヤのあのびっくりの王室肖像画「カルロス4世と家族像」で、「富籤を当てたパン屋の主人」(ゴーチェ曰く)と笑われた愚鈍なカルロス4世。その父親です。息子である4世のことを、常々「なんておまえはバカなんだ」と嘆いていた王様といえば、もっとわかりやすいでしょうか(拙著『ブルボン王朝12の物語』をお読みください!)
さて、日本人から見ると、なぜ同じ名前に統一しないんだ、と腹が立ちますが(だってこんぐらかるんだもの)、スペイン王としてはカルロス3世であり、ナポリ王としてはカルロ7世、パルマ公としてはカルロ1世で、シチリア王としてはカルロ5世だったのです。やれやれ。。。
いったいにヨーロッパは名前のバラエティが少ないので(聖人や聖女の名前をつけるため)、同名が多くなる。マリー・アントワネットのドイツ語読みはマリア・アントニアですが、あのマルガリータちゃんが産んだ子もマリア・アントニアでした。
ゾフィア・ドロテアなど、娘もゾフィア・ドロテア、姑もゾフィアでした。マリアとゾフィア(=ソフィー)はとにかく多い。
そこへもってきて、各国語読みになります。つまりペテロ=ピーター=ペーテル=ピョートル、カルロ=カルロス=チャールズ=シャルルといった按配。
去年公開された映画「ブーリン姉妹」では、「チャールズがローマを襲った!」という台詞があって、一瞬こちらは「ん??」となりましたが、これはカール5世の「サッコ・デ・ローマ(ローマ虐殺)」のことです。わかりにくいですよねえ。
ついでながら、『ジーザス・クライスト・スーパースター』は大好きなミュージカルですけど、イエスの使徒たちを、ピーターとかジョンと呼ぶのは違和感あります。ペテロとかヨハネと言ってもらわないと、時代色が出なくて。。。
さて、今月は火曜日が5週あるため、ベルばらkidsの「世界史レッスン」は17日と31日になります。そしてこの「花つむひとの部屋」は来週は旅行でお休みします。また24日に!
☆最新刊 「『怖い絵』で人間を読む 」(NHK出版生活人新書)
動画がアップされました♪
NHKWebサイト
⇒ https://www.nhk-book.co.jp/seikatujin/10_08/movie/book1.html
と、
You Tube
http://www.youtube.com/watch?v=Uv0lmuwSs-k
アマゾンはもう少し後です。
(本書は今年の2月から3月にかけて、NHK教育テレビ「知る楽」で8回、後にNHK/BSで2回に再編集されて再放送された番組のテキストを、加筆・再編集して新書化したものです。絵の数はテキストよりだいぶ増やしました♪33点のカラー図版、10点のモノクロ図版)
![「怖い絵」で人間を読む (生活人新書)](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51EG3KzRDCL._SL160_.jpg)
☆光文社新書「名画で読み解く ブルボン王朝12の物語」2刷中。
☆「名画で読み解く ハプスブルク家12の物語」(光文社新書)12刷になりました。
![名画で読み解く ハプスブルク家12の物語 (光文社新書 366)](http://ecx.images-amazon.com/images/I/317DmprK0ZL._SL160_.jpg)
☆「怖い絵」16刷中。
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☆「怖い絵2」、9刷中。
![怖い絵2](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51DISobTrZL._SL160_.jpg)
☆「怖い絵3」♪ シリーズ完結篇です。6刷中♪
![怖い絵3](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51sMg6wgQUL._SL160_.jpg)
☆「危険な世界史」(角川書店) 4刷になりました♪
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☆「恐怖と愛の映画102」(文春文庫)
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☆「おとなのためのオペラ入門」(講談社+α文庫)
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☆「歴史が語る 恋の嵐」(角川文庫)。「恋に死す」の文庫化版です。
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ついでながら、『ジーザス・クライスト・スーパースター』は大好きなミュージカルですけど、イエスの使徒たちを、ピーターとかジョンと呼ぶのは違和感あります。ペテロとかヨハネと言ってもらわないと、時代色が出なくて。。。
さて、今月は火曜日が5週あるため、ベルばらkidsの「世界史レッスン」は17日と31日になります。そしてこの「花つむひとの部屋」は来週は旅行でお休みします。また24日に!
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