中野京子の「花つむひとの部屋」

本と映画と音楽と。絵画の中の歴史と。

「自爆する若者たち」

2010年04月13日 | 
 朝日新聞ブログ「ベルばらkidsぷらざ」で連載中の「世界史レッスン<映画篇>」第36回の今日は、「自分で自分の身体にメス」⇒ http://bbkids.cocolog-nifty.com/bbkids/2010/04/post-dc72.html#more
 ナポレオン戦争を舞台にした海洋映画「マスター・アンド・コマンダー」について書きました。

 ポール・ベタニーが軍医役で、自分で自分の手術をするシーンでしたが、いやあ、こっちまで油汗が出そうなほどの迫力でした。

 さて、最近読んだ本でお勧めは、「自爆する若者たち」(グナル・ハインゾーン、新潮選書)。人口学から読む歴史です。強烈!

 テロの真の原因は、民族問題でも宗教でも貧困でもなく、ユース・バルジだというのです。バルジとは、人口ピラミッドにおける、外側に大きく膨らんだ部分をいいます(日本の団塊の世代がそうであるような)。

 そしてユース・バルジとは、戦闘能力の高い15歳から25歳までの男性群の多さを言います。要するに若者が突出して増えると、紛争は必然というのです。これが今のイスラムの状況であり、「余り者」である彼らは居場所を求めて外へ出たり、テロをくり返すのだと。

 非常に説得力があったのですが、果たしてそれだけと言い切っていいのかどうか、まだ迷います。もしこれが正しければ、解決策など永遠にないことになってしまうし、対策としては望まぬ妊娠の、あるいは堕胎の強制へつながる気がして怖い。もっと人間の英知を信じたい・・・

 ぜひ皆さんもお読みください!そして考えてみてほしいです。


☆大塚美術館での講演は、5月30日です。お時間がありましたら、いらしてくださいね♪⇒ http://www.o-museum.or.jp/info/event/100430_137.html

☆「怖い絵」15刷中。
怖い絵

☆「怖い絵2」、8刷中。

怖い絵2

☆「怖い絵3」♪ シリーズ完結篇です。5刷中♪

怖い絵3

☆「名画で読み解く ハプスブルク家12の物語」(光文社新書)
名画で読み解く ハプスブルク家12の物語 (光文社新書 366)

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探究この世界 2010年2-3月 (NHK知る楽/月)

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危険な世界史

☆「恐怖と愛の映画102」(文春文庫)
 恐怖と愛の映画102 (文春文庫)

☆「おとなのためのオペラ入門」(講談社+α文庫)
おとなのための「オペラ」入門 (講談社+アルファ文庫 D 61-1)

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a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4043940017/hanatumuhiton-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank">歴史が語る 恋の嵐 (角川文庫)





コメント (7)
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