中野京子の「花つむひとの部屋」

本と映画と音楽と。絵画の中の歴史と。

ヴィーナスのあっけらかん

2009年07月21日 | 音楽&美術
 22日発売の月刊誌「オール読物8月号」(文藝春秋社)で連載中の「絵画で読む神話」第3回(p.95)は、「ヴィーナスのあっけらかん」

 ティントレットの「ウルカヌスに見つかったヴィーナスとマルス」について書きました。これは浮気現場における夫、妻、間男、三者三様のリアクションを描いて、かなり可笑しな絵画です(画家もクスクス笑いながら絵筆を動かしていたような気が。。。)

 人妻とのベッドインの最中に夫に踏み込まれた男は、小咄だとたいていベランダへ隠れ、その後、下着姿のままスタコラ逃げるのが定番?ということになっています。

 一方、女の方は夫に対して何食わぬ顔を装う(これも定番?)

 ティントレットもそのへんを承知していたのかどうか知りませんが、夫に疑われても全く動じず、あっけらかんとした人妻の図太さを描いています。

 弁解もせず平然たる女性。一方、男が浮気した場合は妻にあれこれ言い訳して、かえって相手を怒らせるというのもまた定番かな?

 こんな笑い話。

 妻に対しては絶対に浮気を認めてはいけない。ベッドに裸で女性といるところを見つかった場合は、「今ちょうどベッドをまたいで向こう側へ行こうとしていたところだ」と言えばよろしい。

 ちっともよろしくないわね~


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