恩師のご著書「講演集」より
講演集、 二
「お陰様で」
先の続き・・・
また、あのお日様の熱や光に対して、
心から感謝できましたか。
これも、なかなか私たちにはできません。
私たちの目を楽しませてくれる花、
こうして花を生けて下さる方の私たちのへの思いやり、
すべてはお陰様の中に生きさせていただいております。
当たり前のように思っているので、有難さが分かりません。
お日様も照って当たり前、しかし無かったらどうしますか。
常に「もし無かったら」と思わせていただいた時、
有難さが身にしみてきます。
夫婦の間もそうです。
健全に守っていただいている間は喧嘩ばかりして、
亡くなった時、
ああ、えらいことをしたと言って、
相手が死んでから一生懸命お墓にお参りして、
お父ちゃんお父ちゃんと言っておられる方があります。
生きていた間はさんざん意地悪をして―――。
しかし十分に尽くさせていただいた時には
お墓へお参りしなくていいのです。
生きている時に満足を与えていたなら、
お墓へもお仏壇へもお参りしなくても、
うらめしやと出て来られることはありません。
本当に尽くし抜いた時は、
絶対に夢に出て来られることはありません。
夢ばかり見るのは、自分の良心が、
尽くしていない分だけ自分を責めて、
夢を見せるのです。
死んだ人が夢の中に出て来て、
こわい夢でうなされたというのは、
完全に自分の良心が自分を責めているのです。
そういうことがないように、
生きている間によく尽くすことですね。
そして、死んでしまってからも何の悔いも無いように、
死なれた時も思いを残さないように、
又あとに残された者も思いを残さないように、
日々に十分、お互いに尽くし合っていくことですね。
そうすれば悔いは残りません。