恩師のご著書「講演集」より
講演集、 二
愛によって相手が救われた時の喜び
「法」とは有難いものです。
一昨日、二十歳前後の兄弟の弟さんのほうが来てくれました。
そのお兄さんのほうは家庭の破壊者だったのです。
気に入らないと、物はぶつける、お膳はひっくり返すと、
手に負えなかったのですが、以前こられた時、
僅か半時間か四十分お話させてもらっただけで
帰り際の靴をはくところから
もう変わってきたのですね。
変われるというのは、ご本人の魂がもともと高かったからです。
ただ道を知らない為にそういう過ちを犯しておられたのが、
一旦道が示されますと、
即もう百八十度の転回となったのです。
お母さんも、息子を恐いものに触れるように、
ハラハラした生活をしておられたのですが、
あまりの変貌ぶりにびっくりされ、また周りの方も驚かれたのです。
これが機縁でヘソ曲がりの弟さんもここに見えて、
それ以来いい子になってくれました。
高橋信次先生の「心」についての本を買って帰られて、
その本を夢中になって読み、
ある朝澄まして起きてきて、
「私はゴータマ・ブッダだよ」と言って、まあ、
えらく感動してしまったのですね。