
以前乗ってましたG100系シャレードは、4気筒の1300cc車に4WDが設定されています。俺のはディージェルだったので2WDでしたが、カタログを見てビックリ!
通常、この手のコンパクトカーの4WDは、ビスカスカップリングをデフ兼用にした簡易4WD(いわゆるスタンバイ式)でフルタイム4WDと言うには語弊のあるシステムなんですが、シャレードの4WDは機械式のセンターデフにビスカスカップリング(センターデフロック用のLSDとして作用)を組み合わせたガチ4駆だったことが判明。センターデフで駆動を分配していますので、常時4輪に駆動力が均等配分されており、前後で回転差が生ずればビスカスカップリングがLSDとして機能して自動でデフロック。滑り出しを機械的に検知したときにのみ駆動力が4輪になるスタンバイ式とは比較にならないちゃんとした4WDです。さらに、通常は3リンクコイルリジッドとかで済ませるリアサスも独立懸架のストラット式で、2WDとは異なる専用設計。
このシャレードに搭載時点で、国産車ではニッサンはブルーバードのアテーサ、三菱なんかもギャランVR-4あたりでやっとビスカス+センターデフの組み合わせのフルタイム4WDを出した頃なのに(ファミリアGT-XとかセリカGT-FOURとかはセンターデフに機械式デフロックでビスカス無し)、サラッとシャレードに同じシステムを載せてしまうあたり、当時のダイハツの謎の技術力が垣間見れます。開発コストの都合からか、5速マヌュアルのみの組み合わせで、オートマチックはありません。先述の通り、1300cc4気筒車にしか設定されないので、肝心の1000cc車には設定そのものがありません。車格はともかく、フルタイム4WDだけは最高級のシステムです。

次の型のシャレードもシステム的には使い回しのシャシー周りなので、エンジンを1500ccに増強した上で引き続きセンターデフにビスカスカップリングを組み合わせたフルタイム4WDが継続採用されていました。この型では、オートマチック車も選べるようになりました。
ただ、肝心の左右デフにLSDの設定がないため、あんまり条件の悪い路面だとハマる可能性大。積雪路やフラットダートなどであれば、かなりの走破性が期待できそうです。シャレードというと、すぐにディーゼルだとかデトマソだとか、そういう有名なのばかり話題になりますが、これからはこのフルタイム4WDシステムを話題にしましょう(笑)。