
サービスマニュアルの技術解説頁より抜粋。TZRのオイルポンプの解説コーナーです。
従来のスロットル感応の他、YPVS(電子制御排気デバイス)と連動し、オイル消費を低減しているとのこと。

構造的には、オイルポンプを動作するワイアが2又になっており、片方がスロットル、もう片方がYPVS(電子制御排気デバイス)に繋がっています。従来はスロットルとオイルポンプを動作させるワイアが直結で、アクセル開度に応じて油量の増減を行っているようですが、この構造を用いることで、スロットル全開でもオイルポンプの流量は最大にならず、オイル消費を低減。エンジンが高回転になってYPVS(電子制御排気デバイス)が動作すると、オイルポンプの流量が増量される構造です。また、高回転時にスロットルを戻してもYPVS(電子制御排気デバイス)側のワイアが伸びたままなので、オイルポンプの流量は最低にならず、焼き付きを防止するようです。
なかなか考えられている構造です。

ポンプ流量のグラフが載っています。これによると、5000回転を境にYPVS(電子制御排気デバイス)が動作するのか、急激に流量が増えていますが、それまでは従来比でかなりの低減を図っているのが分かります。全開に関しては、全域で流量の低減が実現しています。もっとも、公道でずっと全開で走っていたら、何枚免許があっても足りませんが(笑)。
このポンプワイアがきちんと動作しているか、今度調べてみよう。
※11/12追記
この構造のポンプワイアですが、どうやら1KTの初代TZR250より採用されてるようです。1KT系エンジンのTDR250、R1-Zにも採用されており、また、DTのエンジンと共通の(全く同じではない)エンジンを搭載したSDRにも採用されています(DTは不採用)。おのおの品番は異なり、専用設計です。
しかしTDR乗ってたときは、こんな凝った仕掛けがあるとは思えないくらい、オイル消費激しかったですが(笑)。