部屋掃除していた時に、ダイハツのデルタワイドワゴンのカタログを見つけました。
これです、これ。まんまR20系タウンエースのやつ。ただ、デルタワイドはR20系ではなく、別途ダイハツで型式認定を受けているので、B20系になります。法規上は、全く別の車になります。
あまり知られていませんが、タウンエースは開発・生産ともダイハツが担当していたので、ある意味タウンエースの方がデルタワイドのOEMなのかもしれません(先述の通り型式は違うので、厳密にはOEMではありませんが)。
オプションカタログと4WD車のカタログも挟まってました。
タウンエースはR30系という別の型式にて、ずいぶん前から4WD車が追加されていましたが、4WDだけ製造工場が違うらしく、デルタワイドは最後の方になって初めて4WDが追加になりました。型式もB30系というタウンエースとは異なる型式で認定を受けています。
カタログ本編の方では、2WDのみ記載。普通は別途グレードが新設されたらカタログを作り直すもんなんですが、紙1枚封入する方を選んだあたり厳しいコスト管理が見え隠れします(笑)。まあ、いいとこ月に100台くらいしか売れてませんでしたからね。
4WDの切り替えは、ムードを損なうボタン切り替え式のパートタイム方式。しかし、トランスファのレバーにて、副変速機(4L、4H)が選択できます。
トヨタのパートタイムは、4WDの切り替えがボタン式なのが多いですね。俺は、なにもレバー1ノッチで済むものを…とは思いますが。
グレードはSE(タウンエースのスーパーエクストラ相当)のみで、エンジンは2200のターボD。ミッションはオートマチックもマニュアルも選べます。
さらに、タウンエースのフィールドツアラー相当の「RVパッケージ」仕様もオプションで選べます。ただし、グリルガードはタウンエース用ではなく、サイドエクステンションの省かれたライトエース用という組み合わせなのが面白いです。
先述の通り、ダイハツで別途B20系、B30系という型式を取得していることから、タウンエースとは(法規上)全く別の車ということで、製造事業者名もダイハツ工業となっています。
タウンエースの生産・開発を担当していたと言ってもあくまで受託生産なので、ダイハツとしてはあっても無くてもどちらでもいい車だったと思いますが、ダイハツ関係者はもちろんのこと、正規ディーラ網でカバーしきれないエリアの販売代理店(いわゆるサブディーラ)が多いダイハツだけに、案外需要はあったのかもしれません。この後のタウンエースノアも引き続きダイハツが開発と生産を担当したので、ワイドが抜けて単にデルタと名称変更したタウンエースノアがありましたし、ノアがトヨタ単独開発・生産になってからもアトレーのお尻を伸ばしてアトレー7を作ったりしていましたから、多人数乗車のワゴンタイプは販売上必要だったのかもしれませんね。
最終的に、今のライトバンとトラックタイプのタウンエースもダイハツ製のグランドマックスに戻ってしまったあたり、トヨタにとっては欠かせないパートナーなんでしょう。
ついでに。こちらノアベースになる直前の最終型デルタワイドのカタログです。
こちらは、ちゃんと4WDも掲載された作り直し版になっており、紙1枚封入という姑息なカタログではありません(笑)。