ぐらのにっき

主に趣味のことを好き勝手に書き綴っています。「指輪物語」とトールキンの著作に関してはネタバレの配慮を一切していません。

夢のまにまに(ネタバレ)

2008年11月15日 | 映画
井上芳雄くんが出てるというだけで観に行ってみました。岩波ホール、前に行ったことがあるような気がしてたけど初めてでした・・・。
90歳の監督デビュー、とちょっと話題になってましたが、90歳でデビューと言っても、長年美術で映画にかかわり、劇中の木室と同じように映画学校の校長もやっていたという人ですから、監督は初めてでも大御所ではあるんですよね。
というわけで豪華なキャスティングにびっくり。特に終盤にちょこっと登場した芳雄くん演じる村上大輔の母親が桃井かおりさんだったのにはびっくりでしたねー。こんな出番少ない役で桃井かおりって・・・!
そんな中芳雄くんがキャスティングされたのはどういうつながりなのかちょっと不思議でしたが。
いきなり歌いだした時は、ちょっと不自然で(上手すぎて・・・)「また歌要員?」と思ってしまったけど(この間はOLにっぽんでラマンチャ歌ってましたねー)、回想シーンのBGMとして流れだしたら、すごくハマッてて良かったです。
最後にも彼の歌を上手く使ってましたしね。
心を病んで苦しむ青年役はまさにお手のものという感じですね。彼が狂気の役が得意だってわかっててキャスティングされたのかなあ?
というわけで芳雄くんも結構良かったのですが、映画自体もなかなか良かったです。
90歳という年齢からか、現代の話のはずなのに、なぜか昭和40年代風でしたけど・・・(特に根拠はないけど、30年代ほど古くない感じだったのでなんとなく(汗))映画学校の学生たちも、服は今風だけど、ほとんどメイクしてなかったりとちょっと何かが違う感じでした。
宮沢りえさん演じる中埜順子も、今時あの年齢で毎日和服着てる人いるかなあとか・・・
でもまあ、その独特な雰囲気が、過去の回想とのフラッシュバックと相俟って独特の雰囲気を出していました。
老齢で少し足が不自由ながら(でも歳のせいではなく戦時中の傷のためだというのが回想シーンからわかりますが)矍鑠としていて、映画学校の校長にもなり、一方で痴呆の症状が出始めている妻をいたわりながら暮らしている木室が、戦争中、戦後まもなくの回想に悩まされるようになります。
戦争と言っても、戦時中よりも戦後まもなくの回想が多いのですが、そこには戦争を経たことによる痛みが感じられます。
思えば、戦中戦後を直接の記憶として語れる人はだんだん少なくなっているわけで・・・しかも、その時代に大人だった人はさらに少なくなっているんですよね。
これも、90歳の監督だからこそ作れた作品なんだなあと思いました。
過去の回想が現実と交錯するあたりの幻想的な雰囲気は結構好きでしたね。
そんな戦争の記憶が甦るというだけの話ではなく、平行して現代の平和な時代に生きながら、心を病んで苦しむ村上大輔との文通のエピソードが入ることで、物語にアクセントが出ていてとても良かったと思います。芳雄くんの演技も良かったからなあ。
苦しむ大輔と木室の交流と平行して、戦時中に若くして命を失った戦没画学生美術館や、特攻平和記念館も出てきました。繊細な大輔は描きたいのに命を失った戦没画学生に心を乱され、木室は大輔の苦しみに触れることで、若くして命を失った特攻隊に興味を持ちます。
症状が悪化して行く大輔を木室が励まし続けたのは、大輔と戦争で死んだ若者たちを重ねていた部分があったからなのでしょう。大輔の死を知った時の、悲しむよりもむしろ悔しがっていた姿が印象的でした。
単に戦争の回想だけだったら、ここまで鮮烈な印象は残せなかったでしょう。大輔の存在で、単なる回顧だけでなく、今も変わらない命の重さの物語へと昇華することに成功していたと思いました。
しかし、大輔の悲しい死の後に、最終的には前向きなハッピーエンドになっていたのがびっくりでしたが・・・
そう言えばガルシア=マルケスの最新作「わが悲しき娼婦たちの思い出」でも、90歳の主人公が前向きに生きていくハッピーエンドでびっくりしたものでしたが、歳を重ねることでかえって前向きに生きていく気持ちになるのかな。(ガルシア=マルケスは80歳にもなってなかったけど)
戦争で失われた命、多くの別れ、そして大輔の死も乗り越えて、今ある命を大切に生きて行こうとすることで、捉われていた過去から未来へと歩き出せたのですね。
ピアノの曲がどうしても途中で思い出せなくて弾けなかった木室の妻が最後まで弾くことができた時には思わずちょっと泣いてしまいました。ピアノを弾けたことよりも、家事を手伝ってた人の嬉しそうな顔にやられたのかも。
私はついつい芳雄くん演じる大輔のエピソードを中心に見ていましたが(いや実際中心でしたけど)、他にも木室の妻もまた過去の記憶に縛られてから開放されるまでが描かれていたし、映画人にとっての映画への思いも描かれていたし、宮沢りえさんが二役で演じていた順子と薄幸のスナックのママのエピソード、大輔を好きだったらしい木室家の家事を手伝っている映画学校の卒業生・・・と、結構たくさんのエピソードが盛り込まれていましたが、上手くまとめていたと思います。
美術畑で映画にかかわって来た監督だけあって、幻想的な画面も、ちょっと古めかしい日本家屋での木室の暮らしぶりも、美しかったです。ちょっと昭和40年代風だったけどね・・・(笑)
芳雄くんが出てなかったら決して見ることはなかったですが、芳雄くんのおかげでなかなか良いものが観られたなあと思います。

というわけで今年見た映画の順位。
1.イースタン・プロミス / 2.ミラクル7号 / 3.宮廷画家ゴヤは見た / 4.マイ・ブルーベリー・ナイツ / 5.グーグーだって猫である / 6.西の魔女が死んだ / 7.ナルニア国物語第二章 カスピアン王子の角笛 / 8.落下の王国 / 9.スウィーニー・トッド / 10.夢のまにまに / 11.転々 / 12.TOKYO! / 13.僕らのミライへ逆回転 / 14.コドモのコドモ / 15.パコと魔法の絵本 / 16.コレラの時代の愛 / 17.エリザベス ゴールデン・エイジ / 18.あぁ、結婚生活 / 19.ライラの冒険 黄金の羅針盤 / 20.奈緒子 / 21.L Change the World / 22.クリストファー・リーとフランク・ザッパのこわがることをおぼえようと旅に出た男 / 23.ティム・バートンのアラジンと魔法のランプ / 24.スターウォーズ クローンウォーズ / 25.デトロイト・メタル・シティ / 26.20世紀少年 / 27.マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋 / 28.カンフーくん / 29.フランシス・フォード・コッポラのリップ・ヴァン・ウィンクル / 30.ポストマン / 31.ミック・ジャガーのナイチンゲール
何が基準でこの順位なんだか自分でもよくわからない(汗)

あと、今年中に観に行く映画のリスト。
公開中 「崖の上のポニョ」「ブロードウェイ♪ブロードウェイ コーラスラインにかける夢」(鑑賞済み)「ブーリン家の姉妹」「レッドクリフpart1」
12月13日公開 「アラトリステ」
アラトリステやっと公開日決定したんですね。年内に見るかどうか微妙なところですが。しかしシャンテシネでやる映画って観損ねることが多くて実はまだ一度も行ったことないです・・・今度こそ見られるかなあ。
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落下の王国(ネタバレ)

2008年11月08日 | 映画
コドモのコドモを観に行った時、チラシを見て面白そう、と思って観に行ってみました。
最近、微妙な邦題が多くてどうなんだろう、というケースが多い・・・というかほとんどだったりするのですが(汗)これも原題のThe Fallになぜか「王国」がついているのが不評のようですね。
確かに映画を観たら、王国は変だな・・・と思いましたが、タイトルに「王国」がついてなかったら、この映画見る気になったかどうか。ファンタジー好きな人を引き寄せる効果はあったと思いますね。(だからふさわしい邦題かどうかはまた別ですが)
しかし、面白そうなのにあまり評判になっていないので、実はそれほどでもないのかな? という不安はありましたが。「パンズ・ラビリンス」なんて評判がすごかったですもんね。
まあ、レディースデーということを差し引いても、満員ではありましたが。
実際に見てみて、確かに「パンズ・ラビリンス」ほどのインパクトはなかったですね。
映像は美しかったけど、物語的に意外とカタルシスがなかったというか・・・いやしみじみとはしたんですけど。
ロイとアレクサンドリアが作った物語も、案外にフツーというか・・・引き込まれるほどの魅力はなかったですね。いや、映像は良かったんですけど。
まあ、そもそも適当に作ってる話なんだから、そんなにものすごく面白いわけもないと言えばないんですが。
終盤の、アレクサンドリアが変えた物語のラストも、あまりにもありがちというか普通というか・・・まあ悪くはないんですが、カタルシスはなかったですね。たとえばパンズ・ラビリンスのような・・・
映像もきれいだったし、いい表現もあったんですが。泳ぐ象とか、口から鳥が飛んで行くのとか。
物語の中の登場人物が現実の登場人物だったりとか、入れ歯を「力の源」だとか言っていたら物語の中を「霊者」の口から入れ歯が出てきたりとか・・・
途中から物語の中にアレクサンドリアが登場するのも好きでしたね。袋の中から小さな山賊が登場した時はワクワクしてしまいました。
そんなこんなで結構良かった面もあったのですが、最後のカタルシスに劇中劇の物語があまり関係してなかったというか。結局は現実のアレクサンドリアの思いがロイを動かしたのであって、物語のせいじゃないじゃん、というあたりが、ファンタジー好きにはちょっと物足りなかったかな。
このあたり、ファンタジーへの造詣の深さ如何が出たかなーと。
でもまあ、CGに頼らずに美しい映像を作ったあたりはさすがでした。どのシーンもそのまま抜き取って絵にできるような美しさで。もうちょっと大きい画面で見たかったな・・・
世界遺産の建造物を舞台にして撮っていたのですが、さすがにタージ・マハルとか万里の長城はどうかなーと思いましたが、知らないところも多かったので(汗)結構自然に見られました。
現実の世界の時代背景がよくわからなかったのですが・・・サイレント映画の時代のロスアンゼルス・・・1920年代? もっと前かな?
アレクサンドリアが何人なのかもよくわからず・・・(汗)移民のようですが、農園を持っていたりして、経済的には成功している?
それが原因で父親は暴動?で殺されたようですが、残された家族も依然としてオレンジ農園をやっていたりして・・・なんだか背景がよくわかりませんでした。まあ、そんなのを詳しく説明されても・・・でしたけど。
最初、父親が死んでると知って、もしや天涯孤独なのでは・・・(パコみたいに)と心配してしまいましたが、母親がお見舞いに来ていてちょっとホッとしました(笑)
アレクサンドリアはロイを慕っていましたが、物語の中でも「パパ、パパ」と呼んでましたが、父親の代わりのように思っていたんだな・・・というのがほろっとします。
最後の上映会で、物語の登場人物たちが現実の姿で集結しているのも良かった。
退院したアレクサンドリアが、おじいさんの入れ歯をオレンジに入れたり、インド人の使用人が物語の中の姿そのままの笑顔でいたり、なんてあたりもじわっとしました。
アレクサンドリアは映画の中に出てくるスタントたちをロイだと信じていて、何回も観たりしているのがいじらしくも悲しかったですね。ロイは二度とスタントはできないはずですから・・・
ロイはアレクサンドリアのために生きる気力を取り戻したけれど、その後どうしているのかは描かれず、アレクサンドリアの姿だけを出したのは良かったなあと思いました。
最初と最後に流れた音楽が印象的で、聞いているうちになんだかベートーヴェンっぽいなあ・・・と思ったら、ベト7の2楽章だったんですね。結局サントラの中でこのベト7の2楽章が一番良かったです。
最後は、ベト7に乗せて、サイレント映画でスタントたちが落下する映像が次々と映し出されるのも良かったです。
最初は、入院している女の子というシチュエーションが「パコと魔法の絵本」ともかぶるかな、と思ったんですが、映画への愛という点で、「僕らのミライへ逆回転」もちょっと入ってたなあ、と観終わってから思いました。

というわけで今年見た映画の順位。
1.イースタン・プロミス / 2.ミラクル7号 / 3.宮廷画家ゴヤは見た / 4.マイ・ブルーベリー・ナイツ / 5.グーグーだって猫である / 6.西の魔女が死んだ / 7.ナルニア国物語第二章 カスピアン王子の角笛 / 8.落下の王国 / 9.スウィーニー・トッド / 10.転々 / 11.TOKYO! / 12.僕らのミライへ逆回転 / 13.コドモのコドモ / 14.パコと魔法の絵本 / 15.コレラの時代の愛 / 16.エリザベス ゴールデン・エイジ / 17.あぁ、結婚生活 / 18.ライラの冒険 黄金の羅針盤 / 19.奈緒子 / 20.L Change the World / 21.クリストファー・リーとフランク・ザッパのこわがることをおぼえようと旅に出た男 / 22.ティム・バートンのアラジンと魔法のランプ / 23.スターウォーズ クローンウォーズ / 24.デトロイト・メタル・シティ / 25.20世紀少年 / 26.マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋 / 27.カンフーくん / 28.フランシス・フォード・コッポラのリップ・ヴァン・ウィンクル / 29.ポストマン / 30.ミック・ジャガーのナイチンゲール
評価のわりには高順位・・・やっぱり映像が素晴らしいし、完成度は高かったですね。
記念すべき今年30本目だったんだなあ。(2本立て2回を4本とカウントしてるけど)
今年はこれまでの人生で一番映画たくさん観てますね。

あと、今年中に観に行く映画のリスト。
公開中 「崖の上のポニョ」「夢のまにまに」(鑑賞済み)「ブロードウェイ♪ブロードウェイ コーラスラインにかける夢」「ブーリン家の姉妹」「レッドクリフpart1」
12月公開 「アラトリステ」
大分少なくなって来ましたが、まだ5本もある・・・(アラトリステは多分来年になりそうですが)いつもだったらそろそろ今年の映画の総括してしまったりしてたのですが、今年は結構ギリギリになるかも・・・
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僕らのミライへ逆回転(ネタバレ)

2008年11月07日 | 映画
以前ちらっとあらすじを知った時、ちょっと面白そうかな・・・と思ったのですが、その後ミシェル・ゴンドリー監督作品と知って、これは行かねばと。「エターナルサンシャイン」「恋愛睡眠のすすめ」と2つ見て、この監督は好きだな、と思ったので。
「エターナル-」も「恋愛睡眠-」も、男性とは思えない、なんだかかわいらしいというか、女性的な感覚の作品だったので(「TOKYO!」の「インテリアデザイン」もそうだったなー。まああれは原作者が女性でしたが)、今回はちょっと雰囲気が違うなあ、と見る前から思ってました。主演がジャック・ブラックな時点で女の子っぽいってあり得ないだろうし(笑)(でも主人公はモス・デフの方だと思ったけどなあ)
実際、ちょっと今までの作品とは違う印象でしたね。
今までは、舞台となる街もパリだったり、N.Y.近辺だったりと、そこそこおしゃれだったんですが、今回はニュージャージーのちょっとさびれた町。それも、さびれた町をおしゃれに撮るのではなく、そのままうらぶれた雰囲気のまま撮っていたのにちょっとびっくりしました。
登場人物たちも、今時DVDデッキも買わないような低所得の人たちが中心。黒人やヒスパニック、白人もジャック・ブラック演じるジェリーはキャンピングカーで生活しているし、ミア・ファローは養っている不良の甥っ子に脅されながら侘しく暮らしているし。(白人なのに甥っ子が黒人って、血のつながりはないのかな。旦那の甥っ子とか?)
そんなうらぶれた町に「こんな町大嫌いだ」と言いながら暮らす人たちが、最後には皆で映画を作ることで希望を見出す・・・というのが大筋でしたね。
フランス人でN.Y.に住んでる(らしい)彼がなぜこんな話を? というのが不思議な気がしましたが、逆にフランス人の彼が撮ったからこそドロドロせずに描けたと思う、という感想を読んで、そうかもなあ、と思いました。
結局、ゴンドリーが描きたかったのは、作ることでも観ることでも映画を楽しむ、ということを、もっと原点に帰って感じよう、ということだったのかなーと。ニュージャージーのうらぶれた町、という設定は、それを描くための舞台であって、アメリカの所得格差とかそういうことを批判しようというものではないんだろうな、と思いました。
まあ、アメリカに何年か住んでいれば、そのあたりの社会問題も嫌でも見えて来るでしょうから、全く意識してないことはないはずですが、やっぱり所詮は外国人が作った話だよなあ、というのはあるかな。
ただ、「TOKYO!」の時も、「外国人が東京を舞台にして撮った映画ではなく、日本の映画を撮りたい」というようなことを言っていたと思うので、それなりに誠意は感じるかなーと思いました。基本的にとても優しい人だと思いますしね、どの作品を見ても。
ラスト、皆が外から映画を見ていて・・・というのも、ありがちな「感動的なラスト」なんだけど、ビデオ店の取り壊しが取りやめになったかどうかまでは描かれていなくて(多分取りやめにはならなかっただろうと思うけど)、単なるハッピーエンドではなかったところも良かったかな。
って、いきなり真面目な感想から入ってしまいましたが、この映画の目玉は、手作り低予算リメイク映画のおかしさ、ですよね。
最初に撮ったリメイク映画が「ゴーストバスターズ」でしたが、ちょうど低予算な特撮技術をふんだんに?使える作品で、なかなかな選択だなーと思いました。図書カードの引き出しが勝手に開くのとか。
あと、他の映画のリメイクだったけど、撃たれて頭の下に血だまりが出来るのがピザというのが・・・(笑)
ダンボールアートもさすがゴンドリーという感じ(笑)
単にくだらないというだけではなくて、どこかかわいかったりほんわかしているところがあるのは、やっぱりゴンドリーだなーと思いました。やっぱりこの人の感覚は好きだなあ。
途中、LotRのポスターがよく映るな、と思ったら(やっぱりニューラインだから?)ついにリメイク版のパッケージも置いてあって、結構笑いを取ってました。「一体どんなのが!?」と思わせて本編は見せないところがなかなか上手いなあと(笑)
ちなみにこのLotRリメイクや他のちらっと出てきたリメイクの映像は、こちらで観られます。
LotRのリメイクは、本編で使われたものではないので、残念ながら監督もゴンドリーではないし、ジャック・ブラックもモス・デフも出てないんですが、なかなかおかしいです。他のリメイクで使われた、白黒反転機能とか回転する台?に乗ってぐるぐる回るのとかが使われたりして。
4,5人でやってるんで、旅の仲間がいつも入れ替わりつつ4,5人ずつしか出てなかったりとか(笑)
でも、まあ低予算なんですが、カメラワークとか明らかにプロっぽいし、ちゃんと本物のサントラ使ってたりして、ちょっと本編のリメイクと雰囲気違うのが残念かな。まあオマケですからねー。
でも、ゴンドリーが監督したLotRリメイク版も観てみたかったな・・・
ジャック・ブラックは主演となってますが、彼が演じるジェリーはかき回し役で、主人公はどちらかというとモス・デフ演じるマイクだったと思うのですが(リメイクもマイクのアイデアだし)、モス・デフでは主演には地味なのかな・・・
マイクはあまり頭が良くなくて自信もないという設定だったようですが、なんかモス・デフは賢そうに見えてしまったなあ・・・
全体として、映画への愛情に溢れていて、なかなか感動的だったけれど、「エターナル-」や「恋愛睡眠のすすめ」の方が好きかなーとは思いましたけど。やっぱり夢とかファンタジーな要素が入った方がゴンドリーらしいというか、私は好きですね。
でも、ほんわか笑えて、あったかい気持ちになれて、それでいて甘すぎない作りで、それなりに良かったと思います。

というわけで今年見た映画の順位。
1.イースタン・プロミス / 2.ミラクル7号 / 3.宮廷画家ゴヤは見た / 4.マイ・ブルーベリー・ナイツ / 5.グーグーだって猫である / 6.西の魔女が死んだ / 7.ナルニア国物語第二章 カスピアン王子の角笛 / 8.スウィーニー・トッド / 9.転々 / 10.TOKYO! / 11.僕らのミライへ逆回転 / 12.コドモのコドモ / 13.パコと魔法の絵本 / 14.コレラの時代の愛 / 15.エリザベス ゴールデン・エイジ / 16.あぁ、結婚生活 / 17.ライラの冒険 黄金の羅針盤 / 18.奈緒子 / 19.L Change the World / 20.クリストファー・リーとフランク・ザッパのこわがることをおぼえようと旅に出た男 / 21.ティム・バートンのアラジンと魔法のランプ / 22.スターウォーズ クローンウォーズ / 23.デトロイト・メタル・シティ / 24.20世紀少年 / 25.マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋 / 26.カンフーくん / 27.フランシス・フォード・コッポラのリップ・ヴァン・ウィンクル / 28.ポストマン / 29.ミック・ジャガーのナイチンゲール
順位難しい・・・とりあえず暫定です。しかしTOKYO!より下になるとは思わなかったなー(汗)

あと、今年中に観に行く映画のリスト。
公開中 「崖の上のポニョ」「落下の王国」(鑑賞済み)「夢のまにまに」(鑑賞済み)「ブロードウェイ♪ブロードウェイ コーラスラインにかける夢」「ブーリン家の姉妹」「レッドクリフpart1」
12月公開 「アラトリステ」
アラトリステの公開日はいつ決まるんだろう・・・
コメント (2)
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ミス・サイゴン帝劇千秋楽

2008年11月02日 | ミュージカル・演劇
帝劇では4回目、セントルイスも入れると6回目の、ミス・サイゴンイヤー?を締めくくる帝劇千秋楽に行ってきました。
セントルイスに行った後に見た8月、9月は、セントルイス後遺症とでもいうか、物足りなさも感じてしまったのですが、時間が経ったせいか、はたまた千秋楽のせいか、とても良かったです。
セントルイスでは、やっぱり人種の違う人たちがやってた方がわかりやすいな・・・と思ったのですが、今回見ていて、アジア人だけでやっていると、逆に人間同士のドラマとして見られるかもな、と思いました。
いや人種が違ってても人間同士には変わりないんですが(汗)やはり「アメリカ人とベトナム人は違う世界に住んでいる」感が出てきますから・・・まあ、そこがわかりやすいところでもあり、本来そういうものなのでしょうが。
キャストでは筧利夫さんが今回初見。4年前には見てるんですが。
4年前よりも随分歌が上手くなったなあと思いました。まあ、他の3人の方と比べてしまうとまだまだですが。
結構オーソドックスなエンジニアかな、と思いました、いい意味で。ズルい冷酷な部分もありつつも、人間臭さも感じて、好きなエンジニアですね。
4人のエンジニアを冷酷な順に並べると、別所>市村>筧>橋本 かな?
ちなみに好きな順はその逆だったりしますが・・・(汗)いや、必ずしも優しいのが好きというわけでもないんですが・・・いやそうなのかなあ?
藤岡クリスは、ますます良くなってましたね。前に見た時は1幕は今まで見たクリスの中で一番良かったけれど、2幕はまだ・・・と思ってましたが、今回は通してとても良かったです。彼のクリスは一番心情が理解できるというか共感できますね。
知念キムも、やっぱり良かったですね。彼女のキムの解釈もとても心情に共感しやすいなあと思います。
泉見トゥイは(とうとう泉見トゥイしかなかったけど)、セントルイスを見た後しばらくは「やっぱりマイケルが・・・」なんて思ってしまったのですが(笑)久々に見たらやっぱり良かったです。
ほのかさんのエレンは、今回ようやくI Still Believeで泣けましたよ。今までじわっと、はありましたけど。
でも、2幕は毎回マジ泣きですごいなあと。
なんか、見るごとに見慣れて来たのかメイクが上手くなったのか???クリスとの年の差が全く気にならなくなってしまいましたねー。
そして坂健ジョンなんですが、私彼のジョン好きだなあ。
セントルイスのJosh Towerさんのジョンがとても優しいジョンで、「ああジョンってこういう人なんだ」と思って目からウロコだったのですが、坂元健児さんのジョンはその優しいジョンに近い・・・というか、3人の中では一番優しいジョンですね。というか、ある意味一番人間的で親しみやすいジョンかも。(そういや二人ともシンバ経験者・・・)
クリスのホテルでの告白の場面で、クリスの苦しみを理解して、一緒に苦しんでいるかのような表情にグッと来ますねー。
ムーラン・ルージュで、キムに向かって何度も「聞いて」と話しかけようとする姿も優しくていいなあ。ここ、「聞いて」という台詞は他の人が言ってた記憶あまりないんですが・・・
エンジニアとの掛け合いも面白かったですね。ムーラン・ルージュでキムに話しかけるシーンでエンジニアが何度も割り込んでくるところ、最後には「うるさいな」とどつく?のがおかしかった。
橋本さとしさんとの組み合わせでも見たかったなあ。
ブイ・ドイも、ジョンの心情が伝わってきてなんだか泣けました。ブイ・ドイで聞きほれたことはあるけど泣いたのは初めてだなあ。
なんか、坂健ジョンにすっかりハマってしまったような(笑)アンジョルラスは岸さんなんだけどなあ。(岸さんもうアンジョルラスやらないんですね・・・悲しい・・・)なんかジョンは坂健だなあ。坂健アンジョルラスは最初の頃一度見たきりで見てないんですが、今度は見られるかなあ。
まあとにかく、ジョンがツボに入ってしまい、なんかジョンの場面で色々泣いてしまいました。
とまあキャストの感想はそんな感じなんですが、全体的にやはり千秋楽らしい緊張感があって、いつにも増して泣けてしまいましたね。
やはり、音楽も演出も装置もいいなあと思いました。何度も書いてるけど、明らかにレミゼよりも音楽は進化してますね。
演出でも、特にキムの悪夢から回想のあたりが迫力あって圧倒されますね。金網の向こうでベトナム人たちが歌う場面は鳥肌が立ちます。
ホテルでエレンと会った後にキムが一人歌う場面も・・・
初めて見た時には、よくできているとは思ったけれど、そんなに感情移入できないなあ・・・と思いましたが、何度も見ているうちに見方がわかってきた、という感じかな? 気がついたらかなり好きな作品になっていましたね。
今回のキャスト、アンサンブルも含めて素晴らしかったなあと思います。

そして、千秋楽なのでカーテンコールでの挨拶が。司会はやはり筧さん。いきなり自分から挨拶しちゃってましたが(笑)
泉見さん、素の時の話し方がトゥイとものすごいギャップで、話すの見るたびになんか笑ってしまう・・・(ごめんなさい・・・(汗))
坂元健児さんは、19歳の時に初めて見たミュージカルで、ミュージカルに出たいと思ったきっかけの作品らしいのがびっくりでした。(でも四季に入ったのね)カラオケで一人でWhy god Whyとかブイ・ドイとか一人で熱唱していたというエピソードには笑いました。
もう一方のアンサンブル、赤組さんもカーテンコールに登場、タム役の子も3人とも出てきました。ニセミッキーの衣装で(笑)
最後には皆でアメリカン・ドリームを歌いましょう、というところで(こういう時にこの曲しかないのがこの作品の辛いところかなー)、タムのうち一人がアメリカン・ドリームの振りをちゃんと?踊ってたのがかわいかったですねー。
何度もカーテンコールが繰り返される中、最後にはアンサンブルの皆さんが2人ずつ列になって挨拶して行くという、運動会の組体操の後みたいな状態に。(わかりづらい例えだなー(汗))
GIたちに混じって、最後の列には藤岡正明さんが混じってたりして、なごやかなカーテンコールでした。

というわけで、ミス・サイゴンイヤーでみまくった今年、レベルが高かったこともありますが、すっかりミス・サイゴン好きになってしまいました。セントルイス効果もあるかもですが。
十分見たかなあと思いつつ、博多も1回行くことにしてしまった・・・(笑)いや、評判のソニンキムを見てみたかったのもあるんですが。
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またトラックバック承認制にしました

2008年11月02日 | このブログについてのお知らせ
どうも最近変なTBが多いので、まだたいした数ではないのですが、またTBを承認制にしました。
ご面倒をおかけしますが、トラックバックしていただいた場合、こちらで承認してからの公開になりますので、ご了承ください。
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