ナタリーポートマン今年4本目、見て参りました。
なんか意外に良くない・・・という話も聞いてたりして、どうかなあと思いましたが、結構面白く観られました。
しかし、なんか印象が薄いんだよなあ・・・。
話の筋自体はよく出来ていたと思うんですが、どうも人物の掘り下げがかなり浅かったように思いました。決してあらすじだけ追っている感じでもないんですが、全体的に人物像が浅いんですよね。
最たるのはヘンリー8世でしょうが・・・。基本的に何もしない、きわめて受動的な役柄でしたね。ただのスケベ親父というか(笑)
まあ、女性たちを中心に描いたらそういうのもありかもしれませんが、いくらなんでもローマ教会との決別がアンのいいなりになったからだけ、というのはないだろーと思っちゃいますが。
そんなほとんど掘り下げられていない役柄を、それなりに王の威厳とミステリアスなところも出していたエリック・バナの演技は良かったと思います。ひとつ間違えば本当にただのアホなスケベ親父になってしまうところを紙一重で救っていたというか。
とまあヘンリー8世の描写が足りないのは仕方ないとしても、なんだかアンもメアリーももうひとつ掘り下げが足りない気がしました。
メアリーは、素直で優しい正直な性格で・・・というのはわかるのですが、いくら心優しい大人しい人でも、もうちょっと葛藤とかあったらよかったんだけどなあ。
ヘンリー8世との会話で、皆が1番目の子に注目していつも2番目でいる寂しさみたいなものを言い当てられて・・・という場面がありましたが、結局この台詞以外ではそういう場面がなかったのが残念。
王を奪われたというだけでなく、アンに対してもう少し複雑なコンプレックスとかあっても良かったのになあ、と思ってしまいました。家族の中では父も弟もアンを崇拝してて、というあたりに。
メアリーがただの従順な良い子ってだけではなく、アンに対する複雑な愛憎の気持ちがあったりしたら、終盤のアンを救いに行くあたりはもっと感動できたんじゃないかなあ、と残念です。姉妹モノ、兄弟モノ好きなので、そのあたりはこだわってしまうなあ。
アンも、意外に掘り下げてなかったなあと。なぜそんなに権力に固執したのか、子供の頃から植えつけられたからなのか、生まれ持っての性質なのか、そのあたりもはっきりしなかったですね。
これも、メアリーに対するコンプレックスとかが理由で・・・というのがあったらよかったんだけどなあ。むしろ、なぜメアリーに負けてるのかわからない、という感じで、終盤ようやく気づく、という感じだったでしょうか。このあたり、アンが結構頭良くないじゃん、という感じにもなってしまって、残念でしたね。
ただ、脚本上はそんな浅い解釈になっていたアンを、ナタリー・ポートマンは演技で多少は深くすることに成功してたんじゃないかと思います。メアリーに最後通告をする時にもためらいがあったりとか。演説をしながらも処刑直前の恐怖に震えているところなんて、さすがですね。(というか最近こういう役多いよな・・・)
最初の頃から気が強くて頭が良い感じだったんで、フランス帰りで変わったというあたりをどう演じ分けるのか・・・と思ったら、基本変わらないのに雰囲気は変わっていて、上手いなあと思いましたよ。
でも、「宮廷画家ゴヤ-」の演技の方が良かったですけどねー(汗)熱演だったけど、ちょっと「ゴヤ」に比べるとステレオタイプというかわざとらしい感じがしなくもなかったです。
スカーレット・ヨハンソンは、立ってるだけで絵になる美女ですねー。ラブコメとかよりもやっぱり歴史モノの方が似合ってるなあと思いました。
でも、もうちょっと陰影が欲しかったかなあ・・・演出のせいもあるんだろうけど・・・
良かったのは、姉妹の母親ですね。男たちが勝手なことをいい、アンも訳のわからない行動に出る中で、一人真っ当なことを言い続けるんだけど、誰も聞いてくれず・・・
ただ、あの母親をもう少し上手い使い方もできたような気がしますけど・・・
そうそう、王妃キャサリン・オブ・アラゴンがなんと「ミツバチのささやき」のアナ・トレントだったんですよね! あらかじめ知らなかったらわからなかったと思いますが。
さすがに歳取ったなあ、とちょっとショックでしたが、つぶらな瞳がかわらずにチャーミングで、やっぱりアナだ! となんだか嬉しかったですねー。
人物の掘り下げが浅い人物が多い中、彼女は台詞も出番も少ないながら、とても存在感があって良かったと思います。瞳で語っていたというか。窓の向こうから立っているだけで色々と物語ってましたね。
彼女、大学生の頃、「女優を続けるかどうかわからない」とか言ってたと思うんですが、しっかり良い女優さんになってたんですね。なんだか嬉しかったです。
しかし、プログラムにも公式サイトにもキャスト紹介で彼女がない・・・なぜ?!
そういえば、なんでイギリス王妃なのにスペイン人?と思いましたが、「アラゴン」ってアラゴン王国のことか・・・設定に忠実にスペイン人の役者さんを使ったんですね。
でも、メインキャスト誰もイギリス人じゃないというのが評判?になってたと思うんですが・・・ここだけ設定に忠実にしたのか??
最後の終わり方は、まあ「アンの娘があのエリザベス1世なんだよ」というので終わりたいのはわからなくもないんですが、なんか唐突な感じで上手くなかったなあ・・・
というわけで、そこそこ楽しめたんですが、色々と「もっと面白くなったのに」というところが目についてしまった作品でした。
というわけで今年見た映画の順位。
1.イースタン・プロミス / 2.ミラクル7号 / 3.宮廷画家ゴヤは見た / 4.ブロードウェイ♪ブロードウェイ コーラスラインにかける夢 / 5.マイ・ブルーベリー・ナイツ / 6.グーグーだって猫である / 7.西の魔女が死んだ / 8.ナルニア国物語第二章 カスピアン王子の角笛 / 9.落下の王国 / 10.スウィーニー・トッド / 11.夢のまにまに / 12.転々 / 13.TOKYO! / 14.僕らのミライへ逆回転 / 15.コドモのコドモ / 16.パコと魔法の絵本 / 17.コレラの時代の愛 / 18.エリザベス ゴールデン・エイジ / 19.あぁ、結婚生活 / 20.ライラの冒険 黄金の羅針盤 / 21.奈緒子 / 22.ブーリン家の姉妹 / 23.L Change the World / 24.クリストファー・リーとフランク・ザッパのこわがることをおぼえようと旅に出た男 / 25.ティム・バートンのアラジンと魔法のランプ / 26.スターウォーズ クローンウォーズ / 27.崖の上のポニョ / 28.デトロイト・メタル・シティ / 29.20世紀少年 / 30.マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋 / 31.カンフーくん / 32.フランシス・フォード・コッポラのリップ・ヴァン・ウィンクル / 33.ポストマン / 34.ミック・ジャガーのナイチンゲール
こんなに低くなくてもいいのかもしれないけど(汗)大筋が良いのに活かせてなかったという点でかなり辛口評価になりました。
あと1本で今年の映画感想も終わりです。このままイースタン・プロミスが逃げ切るのか?
ま、残り1本ってレッドクリフですけどね・・・(笑)
なんか意外に良くない・・・という話も聞いてたりして、どうかなあと思いましたが、結構面白く観られました。
しかし、なんか印象が薄いんだよなあ・・・。
話の筋自体はよく出来ていたと思うんですが、どうも人物の掘り下げがかなり浅かったように思いました。決してあらすじだけ追っている感じでもないんですが、全体的に人物像が浅いんですよね。
最たるのはヘンリー8世でしょうが・・・。基本的に何もしない、きわめて受動的な役柄でしたね。ただのスケベ親父というか(笑)
まあ、女性たちを中心に描いたらそういうのもありかもしれませんが、いくらなんでもローマ教会との決別がアンのいいなりになったからだけ、というのはないだろーと思っちゃいますが。
そんなほとんど掘り下げられていない役柄を、それなりに王の威厳とミステリアスなところも出していたエリック・バナの演技は良かったと思います。ひとつ間違えば本当にただのアホなスケベ親父になってしまうところを紙一重で救っていたというか。
とまあヘンリー8世の描写が足りないのは仕方ないとしても、なんだかアンもメアリーももうひとつ掘り下げが足りない気がしました。
メアリーは、素直で優しい正直な性格で・・・というのはわかるのですが、いくら心優しい大人しい人でも、もうちょっと葛藤とかあったらよかったんだけどなあ。
ヘンリー8世との会話で、皆が1番目の子に注目していつも2番目でいる寂しさみたいなものを言い当てられて・・・という場面がありましたが、結局この台詞以外ではそういう場面がなかったのが残念。
王を奪われたというだけでなく、アンに対してもう少し複雑なコンプレックスとかあっても良かったのになあ、と思ってしまいました。家族の中では父も弟もアンを崇拝してて、というあたりに。
メアリーがただの従順な良い子ってだけではなく、アンに対する複雑な愛憎の気持ちがあったりしたら、終盤のアンを救いに行くあたりはもっと感動できたんじゃないかなあ、と残念です。姉妹モノ、兄弟モノ好きなので、そのあたりはこだわってしまうなあ。
アンも、意外に掘り下げてなかったなあと。なぜそんなに権力に固執したのか、子供の頃から植えつけられたからなのか、生まれ持っての性質なのか、そのあたりもはっきりしなかったですね。
これも、メアリーに対するコンプレックスとかが理由で・・・というのがあったらよかったんだけどなあ。むしろ、なぜメアリーに負けてるのかわからない、という感じで、終盤ようやく気づく、という感じだったでしょうか。このあたり、アンが結構頭良くないじゃん、という感じにもなってしまって、残念でしたね。
ただ、脚本上はそんな浅い解釈になっていたアンを、ナタリー・ポートマンは演技で多少は深くすることに成功してたんじゃないかと思います。メアリーに最後通告をする時にもためらいがあったりとか。演説をしながらも処刑直前の恐怖に震えているところなんて、さすがですね。(というか最近こういう役多いよな・・・)
最初の頃から気が強くて頭が良い感じだったんで、フランス帰りで変わったというあたりをどう演じ分けるのか・・・と思ったら、基本変わらないのに雰囲気は変わっていて、上手いなあと思いましたよ。
でも、「宮廷画家ゴヤ-」の演技の方が良かったですけどねー(汗)熱演だったけど、ちょっと「ゴヤ」に比べるとステレオタイプというかわざとらしい感じがしなくもなかったです。
スカーレット・ヨハンソンは、立ってるだけで絵になる美女ですねー。ラブコメとかよりもやっぱり歴史モノの方が似合ってるなあと思いました。
でも、もうちょっと陰影が欲しかったかなあ・・・演出のせいもあるんだろうけど・・・
良かったのは、姉妹の母親ですね。男たちが勝手なことをいい、アンも訳のわからない行動に出る中で、一人真っ当なことを言い続けるんだけど、誰も聞いてくれず・・・
ただ、あの母親をもう少し上手い使い方もできたような気がしますけど・・・
そうそう、王妃キャサリン・オブ・アラゴンがなんと「ミツバチのささやき」のアナ・トレントだったんですよね! あらかじめ知らなかったらわからなかったと思いますが。
さすがに歳取ったなあ、とちょっとショックでしたが、つぶらな瞳がかわらずにチャーミングで、やっぱりアナだ! となんだか嬉しかったですねー。
人物の掘り下げが浅い人物が多い中、彼女は台詞も出番も少ないながら、とても存在感があって良かったと思います。瞳で語っていたというか。窓の向こうから立っているだけで色々と物語ってましたね。
彼女、大学生の頃、「女優を続けるかどうかわからない」とか言ってたと思うんですが、しっかり良い女優さんになってたんですね。なんだか嬉しかったです。
しかし、プログラムにも公式サイトにもキャスト紹介で彼女がない・・・なぜ?!
そういえば、なんでイギリス王妃なのにスペイン人?と思いましたが、「アラゴン」ってアラゴン王国のことか・・・設定に忠実にスペイン人の役者さんを使ったんですね。
でも、メインキャスト誰もイギリス人じゃないというのが評判?になってたと思うんですが・・・ここだけ設定に忠実にしたのか??
最後の終わり方は、まあ「アンの娘があのエリザベス1世なんだよ」というので終わりたいのはわからなくもないんですが、なんか唐突な感じで上手くなかったなあ・・・
というわけで、そこそこ楽しめたんですが、色々と「もっと面白くなったのに」というところが目についてしまった作品でした。
というわけで今年見た映画の順位。
1.イースタン・プロミス / 2.ミラクル7号 / 3.宮廷画家ゴヤは見た / 4.ブロードウェイ♪ブロードウェイ コーラスラインにかける夢 / 5.マイ・ブルーベリー・ナイツ / 6.グーグーだって猫である / 7.西の魔女が死んだ / 8.ナルニア国物語第二章 カスピアン王子の角笛 / 9.落下の王国 / 10.スウィーニー・トッド / 11.夢のまにまに / 12.転々 / 13.TOKYO! / 14.僕らのミライへ逆回転 / 15.コドモのコドモ / 16.パコと魔法の絵本 / 17.コレラの時代の愛 / 18.エリザベス ゴールデン・エイジ / 19.あぁ、結婚生活 / 20.ライラの冒険 黄金の羅針盤 / 21.奈緒子 / 22.ブーリン家の姉妹 / 23.L Change the World / 24.クリストファー・リーとフランク・ザッパのこわがることをおぼえようと旅に出た男 / 25.ティム・バートンのアラジンと魔法のランプ / 26.スターウォーズ クローンウォーズ / 27.崖の上のポニョ / 28.デトロイト・メタル・シティ / 29.20世紀少年 / 30.マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋 / 31.カンフーくん / 32.フランシス・フォード・コッポラのリップ・ヴァン・ウィンクル / 33.ポストマン / 34.ミック・ジャガーのナイチンゲール
こんなに低くなくてもいいのかもしれないけど(汗)大筋が良いのに活かせてなかったという点でかなり辛口評価になりました。
あと1本で今年の映画感想も終わりです。このままイースタン・プロミスが逃げ切るのか?
ま、残り1本ってレッドクリフですけどね・・・(笑)