ぐらのにっき

主に趣味のことを好き勝手に書き綴っています。「指輪物語」とトールキンの著作に関してはネタバレの配慮を一切していません。

転々(ネタバレ)

2008年01月10日 | 映画
たいしてネタバレじゃないと思うので、反転文字は一部しか使いませんが、ネタバレ気にする方はご注意ください。
今年1本目は昨年の観残しのこの作品でした。ギリギリ終了間際で見られた・・・
昨年「亀は意外と早く泳ぐ」に予想外にハマってしまったので、観に行ってみた三木聡監督作品です。
でも、主演二人のむさくるしい画像を見るからに、「亀」とはちょっと違いそうだなあ・・・と思っていたのですが、本当にかなり違いました(汗)
主演二人の妙な髪形に象徴されるように?非常に泥臭い感じがあって、「亀」や「時効警察」のライトさとはかなり違う感じでした。
「亀」は、上野樹里ちゃん主演というのがかなり大きかったなあと・・・。「時効警察」も三日月さんの存在がかなり効いてたんだなあと思いました。
三日月さんと言えば、いきなりちょこっと出てきてびっくり。エンドロールでもちゃんと「三日月しずか」という役名になっていたのが笑えました。
「亀」や「時効警察」はゆるギャグの積み重ねで話が作られている、という感じですが、この作品はちょっと違う感じでした。不条理ギャグも出てくることは出てくるのですが、なんかちょっとひいちゃう場面もあったりして・・・鏑木の部屋とか・・・(のだめの部屋が汚いなんてかわいいというか、実際はこんな感じになるのでは?と思ったりして)
そして、笑うというよりも切ない映画だったんですね。ちょっと意外でした。
最初のうち、あんまり笑えないのは三浦友和さんのせいかなあ・・・なんて思ってたんですが、話が進むうちになんとなくキャスティングの理由がわかるような気がしました。なんとなく、ですけど(汗)
東京を歩くロードムービー、しかも井の頭公園から霞ヶ関までという西寄りのコース、結構身近な場所だから知ってるところが映るかな・・・と思ってたんですが、井の頭公園の入り口と新宿くらいしか知ってる場所出てきませんでした(汗)うーん、西寄りは西寄りでも、中央線より南側は行動圏じゃないんですよねー(汗)
しかし、出てくる町の風景が、すごくひなびたというかさびれたというか、な東京の町ばかりでした。よくぞこんな風景ばかり探してきたなあ、というくらいに。
家もアパートも、旅館も・・・。
最初に出てきた駅は、西武是政線?(今は多摩川線か)多分新小金井駅かな。行ったことないけど。今時有人の改札がある駅なんて・・・わざわざ探したんだろうなあ。
遊園地も花やしきだし。
なんだか懐かしい感じでした。子供の頃の風景を思い出すというか・・・東京の田舎で生まれ育ってますからねえ。
子供の頃に見たちょっと怖い夢にも似ている感じ・・・。
あのコビトカバがいた動物園、地理的に言って上野動物園しか考えられないんですが、最近上野動物園も綺麗に改装してたと思うのに、よくあんなさびれた場所見つけたなあ・・・という感じです。
あ、もしかして上野動物園じゃないところだったりして・・・? コビトカバは別撮りっぽかったしなあ。
むさくるしい男二人のロードムービーが、なぜか擬似家族の話になるわけですが、これがまた古い木造住宅の家と相俟って、なぜか懐かしいような・・・不思議な感覚に陥りました。
小泉今日子さんのニセ母?が良かったですねえ。出かけるまでに時間がかかるところが、ああ、お母さんぽいなあと思ったり・・・別に自分の母にも似てないし、私もあんなじゃないけど(汗)
役名忘れちゃったんですが、彼女も不思議な人だなあと。スナックのママなのに、私生活では地味に淡々と暮らしていて。イミテーションの夫との写真を飾り、夫と息子がいると姪に嘘をつき・・・。
別に寂しそうな様子はしないんだけれど、それでも彼女の孤独を感じて、ちょっと切なくなりました。
寂しそうな様子をしないと言えば、三浦友和さん演じる福原もそうで。妻のことを思っている、というのは、なんだか妙なエピソードを語る中で表現されるんですが、はっきりとは言わないんですよね。
特に、擬似家族状態になってからは、妻のことも語らなくなり、何を考えているのかよくわからないまま、突然カレーを食べたいと言い出すことでその決意を文哉も観客も突然に知ることになり・・・というあたりも上手かったですね。
文哉も、孤独な生い立ちを言葉では語りますが、感情としての孤独ははっきりとは表さず・・・
そのあたりの、ドライな表現が結構良かったですね。
そんな感情を見せない文哉が福原とはぐれてしまって、会えないかも、とあせる場面がなんだかかわいかったです。はぐれた原因が変なギターの人についていって・・・というのもなんとも(笑)
最後もあっけなくて、それがまた切なかったですね。ちょっと予測できたんだけど、振り向いたらいないというのは。
ジェットコースターに乗る場面の、家族の幻想?にはちょっとほろりとしました。泣くほどではないけれど・・・
「町で岸辺一徳を見かけるといいことがある」という、よくわからないジンクスが、結構効いてましたね。あんなに重要なモチーフ?だとは思わなかった(笑)
エンドロールで「岸辺一徳 岸辺一徳」と役名と両方書いてあったのは笑えました。
そして、意外に切ない本筋?に挿入される、「亀」にも出ていた岩松了さん、ふせえりさん、松重豊さんの3人が、「亀」に通じるゆるギャグを担当していて、アクセントになってましたね。彼らが出てくるとちょっとホッとしたりして。
本当は、福原の妻の遺体が見つかってしまうのか・・・という緊迫した展開のはずなのに、なんかゆるいのがまた良かったかも(笑)
一番笑えたのは「ジョン・マルコヴィッチに似てるレジのユミちゃん」でしょうか。どんな顔してるんだろう、と想像したら笑えました(笑)
彼らが連れて行かれたエキストラ撮影の映画、一体どんな映画なんでしょうねえ。岸辺一徳が出てきて、ジャージ姿の3人のエキストラが必要な映画・・・気になる(汗)
ふふみちゃんもすごい存在感でした。あのお風呂の歌は笑えた(笑)
とまあそんな感じで、私的には、ギャグで笑えるよりも、淡々と進む話を見ているうちに、いつの間にかなんだかちょっとほんわかして、そして切ない気持ちになった、そんな映画でした。
ものすごく面白い、というのでもないですが(汗)結構良かったかなーと。
この話、原作があるんですね。読んでみようかな、と思ったら作者が藤田宜永? うーん、あんまり得意じゃないタイプの作家・・・だと思うんだけど・・・(読まず嫌い?)
もしかして原作とは結構違ったりしてるのかな。やっぱり一応読んでみようかと思います。「ベーオウルフ」読み終わったら・・・。ホントこのところ映画原作しか読書してないなあ・・・




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