原作が評判なのは知っていたのですが、マンガってなかなか読む機会がなく(図書館では借りにくいし、本当に面白いかどうかもわからずに買う気にもなれないし)、読めないうちに映画化を知って、しかも松ケン主演というので、かなり楽しみにしていました。
なかなか評判も良いらしいし、事前に見た劇中歌のPVもなかなかカッコイイ出来で、これはちょっと期待できるかな、と思って観に行ったのですが・・・
ん~、期待しすぎだったかな(苦笑)
細かいギャグはなかなか笑えたし、松ケンもかなり良かったし・・・なんですが、全体的に映画としてあんまり上手い出来ではないなーと。最近は邦画もなかなか良いのが増えて来ましたが、久々に「だから邦画はつまんないんだよな」という感じのを見ました(汗)
特に脚本が良くないんじゃないかな・・・。原作読んでないからなんともいえない部分はありますが、無理に感動的にまとめようとして失敗してる感じかな・・・。
ギャグを積み重ねて行きつつ、ちょっと感動的にまとめることも可能だと思うんですが、その辺が上手くなかったですね。なんか感動的にしようとしている部分があんまりにもストレートすぎて、なんだかなあ、でした。
根岸のモノローグのナレーションの入れ方も上手くなかったと思うし。全体的にテンポがよくなかったですね。ギャグのところとかライヴシーンは良いんだけど、普通のシーンが・・・
なんかL Change the Worldのこと結構文句言ってましたが、あっちの方が全然完成度高かったですね、脚本的にも。「カンフーくん」の方がまだ話上手くまとめてたと思う・・・
「のだめ」のドラマってレベル高かったよなあ、と今更思ってしまいました。
(でも脚本の人、「マイボス・マイヒーロー」の人なんですよね・・・あれはかなり面白かったのになあ。やっぱり脚本じゃなくて演出のせいなのか?)
まあ、松ケンの根岸/クラウザーさんは大変良かったので、それが見られただけでも良かったかもしれないんですけど。
根岸はちょっとやりすぎかなーとも思いますが、面白いからok(笑)しかし彼、おしゃれがそんなに好きなのになんでおしゃれな髪型にはしないのか・・・
クラウザーさんのキレっぷりも見事でした。ライヴパフォーマンスも、色々見て研究したというだけあって、良かったですねー。バックの音に対してギター弾いてなさすぎだけど(笑)
彼のすごいところは、根岸とクラウザーさんを分けて演じているのではなくて、一人の人間がやってる、というのをすごく自然にやってたところですね。根岸が怒りで普段の姿のままクラウザーさんの台詞を吐くところとか迫真の演技でしたねー。
彼が良かっただけに、映画全体の作りが今ひとつだったのが残念です。
ギャグもところどころツボに入ったんですけどね。小さいジョウロで小さいサボテンに水あげるところとか、ドーベルマンのぐりとぐらとか・・・
ファン役の大倉孝二さんもかなりおかしかったですねー。ヒーローショーとか笑えました。
ライヴシーンもなかなか気合入ってましたね。ちょっとカミュのドラムがとてもメタルには見えなかったけど・・・叩いてただけ偉い?(本人が叩いてるんですかね?)
そう言えば、PVを見て、劇中曲がかなりカッコ良くてびっくりしました。原作読んでないながら、馬鹿馬鹿しい歌詞の馬鹿馬鹿しい曲、というイメージだったんですが。DMCの曲も根岸の曲も。
DMCの曲は、巷でも「デスメタルじゃない」と言われてますが、確かにメタルではあるけどデスメタルではないですねー。なかなかカッコ良くて聴きやすい曲でした。メタル好きではない人でも普通に「カッコイイ」と思える曲では。CDのセールスとか考えちゃったんでしょうか。
根岸の曲にしても、かなりプロっぽい曲になってて、なんで売れないのか不自然な感じ・・・。もしかすると、歌ってる人の見た目が問題なのかもしれませんが(汗)
どちらも、曲がなまじカッコイイので、歌詞の馬鹿馬鹿しさが聞き取れないまま流せてしまうので、これでいいのかなあ・・・と思ってたんですが。おそらく原作では、デスメタルや渋谷系ポップス(?)を風刺とうか笑いのめしている部分がおかしかったのではないかと思うので・・・ま、いいんですけど。
金玉ガールズの曲も、パンクではなかったよなあ・・・。
あ、ジーン・シモンズの出演も見所でしたね。本人役でもいいんじゃ、と思いましたが(原作知らないんで)、考えてみたらKISSって全然デスメタルじゃないもんな、と納得しかけてたんですが、蓋を開けてみたらジャック・イル・ダークも全然デスメタルじゃなかった(汗)KISSそのまんまな音楽じゃん・・・
ま、さすがの貫禄でしたねー。
あ、エンドクレジットにマーティ・フリードマンと鮎貝健さんの名前があってびっくりしましたが、ジャックのバックバンドやってたみたいですねー。全然気がつかなかった・・・(汗)確認するためにもう一度見るまでではないですが・・・
あの対決もなんだかなーだったけど、まあそもそもあり得ないですからねー。もうちょっとギャグで処理してたら良かったんだけど。
とまあそんな訳で、面白いところもあったんだけど、映画の出来としてなんだかもったいない感じでしたね・・・残念。
というわけで今年見た映画の順位。
1.
イースタン・プロミス / 2.
ミラクル7号 / 3.
マイ・ブルーベリー・ナイツ / 4.
西の魔女が死んだ / 5.
ナルニア国物語第二章 カスピアン王子の角笛 / 6.
スウィーニー・トッド / 7
転々 / 8.
コレラの時代の愛 / 9.
エリザベス ゴールデン・エイジ / 10.
ライラの冒険 黄金の羅針盤 / 11.
奈緒子 / 12.
L Change the World / 13.
クリストファー・リーとフランク・ザッパのこわがることをおぼえようと旅に出た男 / 14.
ティム・バートンのアラジンと魔法のランプ / 15.
スターウォーズ クローンウォーズ / 16.デトロイト・メタル・シティ / 17.
マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋 / 18.
カンフーくん / 19.
フランシス・フォード・コッポラのリップ・ヴァン・ウィンクル / 20.
ポストマン / 21.
ミック・ジャガーのナイチンゲール
脚本的には「カンフーくん」より下って印象なんですが(汗)松ケンの熱演に免じて順位上にしてみました・・・でもクローンウォーズより下ねえ・・・(汗)
あと、これから観に行く映画のリスト。
公開中 「崖の上のポニョ」「TOKYO!」「20世紀少年」「グーグーだって猫である」
9月13日公開 「あぁ、結婚生活」「パコと魔法の絵本」
9月27日公開 「コドモのコドモ」
10月4日公開 「宮廷画家ゴヤは見た」「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス ディズニーデジタル3D」
10月11日公開 「僕らのミライへ逆回転」
10月25日公開 「ブロードウェイ♪ブロードウェイ コーラスラインにかける夢」「ブーリン家の姉妹」
11月1日公開 「レッドクリフ」
12月公開 「アラトリステ」
なんか観に行く度に増えてるような気が・・・(汗)なんで今年はこんなに見たい映画多いのかなあ・・・