ぐらのにっき

主に趣味のことを好き勝手に書き綴っています。「指輪物語」とトールキンの著作に関してはネタバレの配慮を一切していません。

ゲド戦記外伝(一応読了)

2004年07月19日 | 読書
ゲド戦記外伝ようやく読み終わりました(汗)
最後の「トンボ」はハヤカワ文庫から出ていたアンソロジーのを読んでいたのですが、その時はあまりピンと来なかったのですが(汗)外伝を通して読んだら、以前よりも面白く感じました。
この外伝、一つ一つの話は別々に書かれていたようなのですが、通して読むと、あらかじめ計算されて書かれていたような印象を受けます。
この外伝の核は、やはり1話目の「カワウソ」と5話目の「トンボ」でしょうね。ロークの始まりと終焉(の一歩手前)を併せて読むことになるのが、最後の「トンボ」まで来るとなかなか感慨深いものがあります。
「トンボ」の中に「メドラの門」とか「カワウソの家」とか出てくるのも懐かしい感じですし。アイリアンとアズバーがまぼろしの森を逍遥するのが、メドラとエレハルの姿と重なったりするのもまた感慨深いものでした。
よく考えてみたら、この外伝の話、皆年代順に並んでいるのですよね。
そして思ったこと。やはり5巻「アースシーの風」を読む前に、この外伝を読んでおいた方が良いです。先に本編を訳した方が良いと判断したことはそれはそれで評価しますが、これから読む人には「アースシーの風」を読む前に外伝を読むことをオススメしますね。
ル=グインが「アースシーの風」の結末に至るまでの伏線的な思想(と言っていいものやら)がちりばめられていますし。これを読んでいたら「アースシーの風」で感じることもまた違ったかも。
でもまあ、そんなことを考えるのも、「アースシーの風」を読み終わった後だからかもしれませんが・・・
という訳で、すぐに「アースシーの風」再読に突入してみたのですが、思想みたいなものだけでなく、単純に登場人物たちへの思い入れという点でも外伝を先に読むべきだなあと思いました。アイリアンやアズバーだけでなく(アイリアンまだ出てこないけど)、薬草の長も出て来てちょっと嬉しかったりして。呼び出しの長が新しい人になっているということにも気がつくし、これもまだ出てきませんが、以前の名付けの長が亡くなってしまったという事実にもまた違った感慨を持てるでしょうし。(でも逆に、「アースシーの風」を先に読んでいたので、外伝で名付けの長が「年を取った」と言うたびに、「ああこの人そろそろ死んじゃうのか・・・」なんて思って悲しくなったりしましたが(汗))
それと、やはり長編と短編では書き方のアプローチが違うなあと思ったり。長編の方が、情景描写がゆったりしてますね。自然の描写を読むのが好きな私としてはこの方がホッとします。
さて、「アースシーの風」再読でどんな印象を持つでしょうか。楽しみです。
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