ぐらのにっき

主に趣味のことを好き勝手に書き綴っています。「指輪物語」とトールキンの著作に関してはネタバレの配慮を一切していません。

ガンダルフのこと

2004年07月01日 | 旧指輪日記
最近、コンサートでも先日見たFotRでも、妙にモリアで泣けてしまって、どうしてかなあと考えるに、やはり灰色のガンダルフとのお別れが近い、と思ってしまうからなんだろうなあ、という結論に達しました。
物心ついた時からお話の中で死んだ人が生き返るというのが許せなかった私は、「指輪」でガンダルフが復活することについてずっと考えていました。
PJ映画とイアン・マッケランのガンダルフの解釈は、かなり私のガンダルフ解釈を助けてくれました。特に、灰色と白のガンダルフの違いについて、明確に変えていてくれたのが良かったです。
そして、「終わらざりし物語」のイスタリの章を読んで、自分の中である程度ガンダルフについての解釈がまとまったかな、と思いました。
中身?がマイアのオローリンだという点では、灰色も白も同一人物と言って良いのでしょう。でも、中つ国に遣わされるにあたって、人間の肉体を与えられ、長い間中つ国で暮らす間に、元々のマイアのオローリンとはまた違った「イスタリのガンダルフ」としての人格になって行ったのではないかと思うのです。
バルログと戦った後、灰色のガンダルフは間違いなく死んだのでしょう。そして、新しい肉体を与えられ、再び中つ国に戻された白のガンダルフは、灰色のガンダルフとはまた違う人格=別人なのではないかと。
白のガンダルフは「迷いがなくなっている」というイアン・マッケランの言葉にも思うところがありました。灰色のガンダルフは、長い間中つ国の人々と共に生きて来て、中つ国の人々への愛情も深くなり、その分迷いや苦悩もあったのではないかと。フロドが指輪所持者になってしまったことについて、灰色のガンダルフは心を痛め、悩んでいたはずです。
白のガンダルフは、中つ国への愛情を失ったわけではないけれど、元のマイアとしての存在に近い段階?の存在になったのではないでしょうか。同じ視点で迷い、心を痛めるのではなく、高いところから見守る存在になったのではないでしょうか。
白のガンダルフが優しさを失ったわけではないけれど、イアン・マッケランが言うところの「迷い」を持った灰色のガンダルフの存在はとても愛しく思えます。そんな灰色のガンダルフとの別れを思うと、モリアでも、ロリアンでも、そしてネン・ヒソイルでフロドがガンダルフの言葉を思い出す場面でも、しみじみと悲しくなってしまうのです。
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