ぐらのにっき

主に趣味のことを好き勝手に書き綴っています。「指輪物語」とトールキンの著作に関してはネタバレの配慮を一切していません。

ファウストの悲劇

2010年08月16日 | ミュージカル・演劇
舞台の感想キャンディードでおしまいとか言ってましたが、ミス・サイゴン以外にまだ2つ残ってました・・・(汗)
ゲーテのファウストはトーマス・マン好きなら一度は読んでみなければならない作品なのですが、どうも戯曲を文字で読むのは苦手で、ちゃんと読んだことがありませんでした。
そこのこの舞台の話。ゲーテ作ではないけど、話の筋をちゃんと観られるならいいかな、という程度の気持ちで観に行きました。
そしたら、クリストファー・マーロウってゲーテよりもずっと前の時代の人なんですね・・・なんかあまりゲーテの参考にはならないかなーと思いつつ観ました(汗)
実際観てみて・・・うーん、どのへんがファウストの「悲劇」なのかが今イチわかりませんでしたね・・・ただの自業自得だし?
華やかでちょっとおどろおどろしていて、視覚的にはとても面白い舞台でしたが、人間の苦悩とかそういうのはあまり伝わってきませんでした。脚本のせいか演出のせいかわかりませんが。
どっかでゲーテのファウスト上演してくれないかなあ・・・・
舞台はいきなり歌舞伎の三色幕が下りていて、提灯も飾ってあったりして意表をつかれました。
舞台奥にも、ガラスになったり鏡になったりする仕切りの向こうに和風の小部屋がいくつもあって、登場人物たちやなにやら着物を来た人たちが・・・
これ一体なんなんだろうと思ってましたが、後で新聞に評が出てるのを観たら、歌舞伎一座が演じている設定なんだとか。なるほど~というか全然わかりませんでした(汗)
いきなりフライングで色鮮やかな着ぐるみ姿の悪魔たちが舞台上を舞っていて、さすが蜷川演出だなーと思って観てました。一つ間違えば大笑いな感じなんですが、チープさと怪しさの絶妙なバランス感で、むしろ醜悪で美しい、という感じになっていたのはさすがだなあと思いました。
野村萬斎さんのファウストは、なかなかカッコイイ感じでしたね。前述したように、苦悩がさっぱりわからなかったのが残念でしたが。
終盤に一人でかなり長い激白のシーンがありましたが・・・気がついたら意識失ってました(汗)いや睡眠不足だったのもあるんですが・・・(汗)
勝村政信さんのメフィストフェレスは・・・なんか「表裏源内蛙合戦」の裏源内みたいでした・・・(汗)カッコいいんですけどね、どっちも。
ふと、上川さんがファウストってのもありだったよなーとか思いましたが、そんなことしたらますます源内そのもの・・・(汗)
メフィストフェレスとファウストがタンゴを踊る場面など、耽美な感じが面白かったです。
大林素子さんが出てるって休憩中に知ってびっくり。結構上手かったです。舞台で背の高い役者さんの中で観ていると全然大きい気がしなくて、むしろ舞台映えしてました。まあ明らかに野村萬斎さんより背高かったですけど(汗)
役者さんが客席によく出没して面白かったです。特に、勝村さんが客席に座ってたのにびっくり。2幕ではその席に人が座ってたので、わざわざ1幕ではどいてもらってたのか、はたまたたまたま空いていたのか・・・他の日に観に行ったRちゃんはそういうシーン記憶にないと言っていたので。
というわけで、話の筋にはあまりピンと来ませんでしたが、蜷川演出の華やかさと役者さんの演技でそこそこ楽しく観られました。
コメント
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