きまぐれ発言

日々変化する世の中をみて、私はこう思う。

菅首相でよかったの声

2012-07-28 11:27:40 | Weblog
菅首相でよかったの声         (2012.07.28.)

今朝の毎日新聞に岩見隆夫さんの「近聞遠見」の記事の中で福島原発事故当時「菅総理で良かった」の記事が出ている。原発事故を調査する事故調査委員会の報告者が「政府」・「国会」・「民間」・「東電」の4つが出そろったが、どの報告書も当時の首相であった菅総理の評価は低く、当時の混乱の中で菅総理の我が儘、身勝手、強引、と言う菅氏の性格を、指揮命令の混乱や、重要判断のおくれ、緊急時の無用な混乱等々に結び付けて低評価をしている。

其れは、彼自身が東京工大を卒業した理系であるから、多少原子力には精通している、と自負していたのを、周りが過剰介入に結びつけて、言って居たからである。
しかし、総理が幾ら理系であっても、原子力に関しては、原子力安全保安院がおり、東電にも、それなりの技術者がいて、夫々の持ち場で、技能を発揮する事を期待されて、配置されている。首相は、災害のなかで、夫々の技術者が夫々の職責に応じた報告や情報を期待して指示や質問をするのは、当たり前の事であります。其の為に、判断が出来なかったとか、アクションが送れたと言う事は、自分の能力を棚に上げての言い訳にすぎません。

当時、菅首相の直近にいた、細野豪志首相補佐官(当時、原発事故担当相)や大塚耕平福厚生労働相)の回顧する所によれば、口を揃えて、「総理が菅さんで良かった」と言っている。それは、総理(最高責任者)として最高の決断を下しているからである。

それは、東電の全面撤退問題である。報告書では夫々に「全面撤退」とは言っていないとか、言っているとかで、うやむやになって居るが、その話が兎も角く菅総理に挙がった時に菅氏は間違いなく止めたのである。「この決断は菅総理以外では誰も出来なかったのでは無いか」と言われている。側近の大臣から、その言葉を聞いて、私も、「菅総理で良かった」との思いだ。

其れまでの菅総理は、資源の無い日本にとって、原子力は有効な手段で、輸出にも意欲的であったが、福島原発の事故以来「原子力に頼らない社会へ」を国の方針と改めて掲げた総理大臣である。従って、原子力推進派からは、眼の上のタンコブ的な存在で、東電からも、一番嫌われる総理である。従って、その延長線上にいる、自民党からも最も嫌われる存在となり、それ以来「菅おろし」の旋風は「自民・公明両党」と「原子力ムラ」による策謀が顕著になり。我々国民は、何が理由で、菅総理を辞任させなくてはならないのか解らなかったのである。

自民党は「話し合いや、政策の問題ではない」と言い「兎も角やめ辞めて貰いたい」と言っていたのを思い出す。 菅総理は当時、内に鳩山・小沢を、外には自民党・東電に嫌われて居たのである。だから、せめて、再生可能エネルギーの買い取り制度を残したのである。
(えびなたろう)