きまぐれ発言

日々変化する世の中をみて、私はこう思う。

日本には長期的なビジョンがない

2012-04-22 12:34:46 | Weblog
日本には長期的なビジョンがない     (012.04.22.)

フランスの経済学者で、思想家の“ジャック・アタリ氏が日本の政治を見て、毎日新聞の朝刊に「政治の力で市場制御を」と言う記事を掲載している。

グローバル経済を制御するには、強い世界的規模で制御できる法の支配が必要だと言っている。その中で、「政治が市場に歩調を合わせる様ではいけない」と言う重要な事を述べておられる。其のためには「一定期間は政権が交代しない制度を作る事が必要だ」と述べている。

アタリ氏はフランスの政治学者で、フランスに例を挙げて、「サルコジ大統領がどんなに人気が無くとも5年間の任期が保証されている」と述べ、「民主的で強権的な政権ならば時間を味方に付けることが出来る」と言いっている。「国民の痛みを伴う政権を実行しても、一時的に不人気になる事が許されるからで、政権が物事を成し遂げるためには一時的に不人気になっても良い」と言う事であるのだ。

此のことから、日本の大きな欠点は、「首相が頻繁に変わる事で、長期的な計画を立てるには余りにも期間が短すぎる」と言っている。彼が日本に来て菅首相に会ったとき、「2030年の日本を考える委員会」の創設を進言し首相の賛同を得たが、今は、首相の座に菅氏が居ない事を失望し、長期的な視野での物事を考えられない事が日本の弱点であると指摘している。

そして、東京都の知事が権力を握っているのは、任期が充分にあるからで、知事は民主的に選ばれている、日本の首相も東京都知事と同じにすれば、長期ビジョンを持った政策が取れる仕事が出来るのではないかと言う事である。

日本の首相は、吹けば飛ぶような存在で、官僚から馬鹿にされるのも、短期間で変わるから気が合わなくても少しの時間、我慢すれば、通りすぎてしまう。いわんや各省大臣は何か揚げ足を取って、騒ぎ立てれば、簡単に交代させる事が出来る。

従って、“官僚優遇”、“天下り”や“渡り”等々、敵に回せない相手を抱えての政治であるあら、落ち着いて、長期ビジョンなんか立てられる訳が有りません。更に「ねじれ国会」国家的危機でも与野党が、党利・党略だけしか考えない状態では、どの政党が遣っても官僚任せの政治しか出来ないでしょう。其の事が、「官僚天国」を作っているのです。

だから、首相公選が叫ばれ、官僚制度の改革を遣らねばと、“橋下氏”は叫んでいるのです、官僚にとっては、将に目の上のタンコブではないでしょうか。
(えびなたろう)