中國でも人心の荒廃をなげいている

中國でも人心の荒廃をなげいている　　　　　　　（2011.10.20.）

中國で起きた、ひき逃げ事故で、母親が洗濯をしていて目を離した隙に飛び出した2歳の女児が自宅から100メートル離れた場所で、ワゴン車にひかれ、ワゴン車はそのまま逃走、引かれた女児は手を動かして、助けを求めていたが、18人がそばを、徒歩やバイクで通り過ぎ誰も救助しなかったと言う。

たまたま近くを、廃品回収業の女性が女児を抱えながら付近を歩き回り、異変を感じた母親に気づいて病院へ緊急搬送されたと言う事である。此の事に付いて、インターネット中国版「微博」上で、通り過ぎた18人に対し「冷血動物だ」との批判が殺到したと言う。

そして「国は発展と共に、社会の中に面倒な事には関わりたくないと言う、計算や、欺く気持ちが広がっている」と社会道徳の崩壊を嘆く声がツイッター上で、圧倒的多数を占めたと言う事である。

この反響に対し、中国共産党機関紙では、18日の「人民日報」で「私たち皆が赤の他人になりうるのだ」と題した論評を掲げ、「文明社会の公民の責任にも関わる問題だ」と断じて道徳意識の向上を求める記事を掲載している。

しかし、他の中国メディアによると、転倒して怪我をした高齢女性を若い男性が善意で病院まで搬送。ところが、逆に女性から「この男に突き落とされた」と主張され、賠償金まで払わされる羽目になったと言う、逆手に取られた記事まで、紹介され、関わらない方がましだと言う意見も出ていると言う。

まだまだ、中国らしい新聞報道がなされている。国である。
（えびなたろう）