きまぐれ発言

日々変化する世の中をみて、私はこう思う。

正しい独裁者が必要

2011-10-11 11:26:33 | Weblog
正しい独裁者が必要        (2011.10.11.)

10月9日の毎日新聞に東京大学の坂村先生の「正しい独裁者の死」と言う記事が載っていた。そこにはトルコの建国の父と言われたケマル・アタチュルクが紹介されている。
ケマルは、将に「正しい独裁者」として紹介されているのである。

ケマルが国の指導者として10年間で、一人でメートル法やアルファベットベースのトルコ文字の導入等々の実績をのこしている、しかし宗教社会の改革のためには強い独裁者が必要であると感じた彼は、1度、自ら引退することにした。
しかし、その後、議会が国内の混乱に困って、もう一度「戻って来てくれ」と泣きついたのである。彼はそれを待って、大統領になるために次のような条件を示した。

その条件とは、「私の提案に対し議会は討議なしに採決する事」と言う条件である。そして大統領に就任した議会での演説で、「わが国民が進歩の道をしっかりと方向を間違えずにあるける様になったとき、私は全ての権力から手を放すつもりだ。」と言い放ったと言う。

彼の改革は、トルコの国民の識字率を大きく向上させ、当時としてはヨーロッパでも珍しい女性の国会議員や女性官僚も生まれその働きは大きく貢献したが、1938年執務中に倒れ帰らぬ人となったと言う事である。

「絶対権力は、絶対腐敗する」と言われるが「自分が独裁し続ける事が、皆のため」と言う思いが、手段であるうちは良いが目的化してくれば、其のあとは悲劇しかないのである。だからケマルは、「国民が方向を間違えずに歩けるようになったとき私は全ての権力を手放す。」と言っている、彼はそのベストの時期に国民から惜しまれて、亡くなったのである。

マッキントッシュのスティブ・ジョブズも先日亡くなったが、マック創業者として、自動車のガレージから始まり、天才的な彼の技能は独裁的で、コンピュータを各家庭に普及させた第一人者である。その後一度は会社から追われるのであるが、その後、低迷するマックは、再び乞われて社長に帰り咲く事になる。それは幹部たちが、彼の独裁的な性格を百も承知で、会社のすべてを彼に託すことにしたからであると思う。

また、彼の方も、会社を隆盛にする思いは、成功するまでは、社長の報酬も年俸1ドル(76円)で良いと言う素晴らしい経営者精神で取り組んでいる。只々驚かさせられるばかりであります。そして、iPODはじめiPAD等々次々と新商品を開発し、隆盛の勢いを取り戻したのである。そして先日、56才と言う若さで無くなった事は、全世界のマック・ファンにとっては(私を含む)惜しまれるのも当然の事とだと思います。

独裁者には、正しい独裁者もこの様に多数存在するが、中には成功しても其のまま権力にしがみ付くから腐敗するので、これを防ぐために、衆知を集めてと言う民主主義的な方法がとられるがベターではあっても決してベストではありません。
日本の国の立て直しにも誰か素晴らしい「独裁者」が必要だと思うが、其の前に寄って集って、突っつき回し、各政党は折角出来た新政権を潰しにかかっている状況では何ともやりようが無いでしょう。

一番良い方法は、納得がゆくよう、国民投票で、首相を選出し、一度選出したからには、国民は信頼し、人気を全うするまで、遣らせる制度にする事が必要ではないでしょうか。
(えびなたろう)