きまぐれ発言

日々変化する世の中をみて、私はこう思う。

民主党には対決色濃厚な自民党

2011-09-15 11:42:31 | Weblog
民主党には対決色濃厚な自民党        (2011.09.15.)

「菅おろし」の嵐の中で、菅内閣は遂に党内からも反発が出て、仕方なく、「3法案が通ったら辞任する」と言わされて、8月末に辞任した。菅さんの最大の置き土産は、「原子力に頼らない社会の実現を」と述べた事だ。これが、「脱原発」に繋がり、原子力発電を国策としてきた東電はじめ、「原子ムラ系」の人たちを、敵に回した事になったのである。

谷垣総裁が率いる自民党は、過去半世紀にわたって、原子力推進に尽力してきた事から、東電とも癒着の関係を続いけ、今回の福島原発事故に対しても、東電擁護に回り、事故の原因に付いても、菅政権の対応の悪さを殊更問題にし、炉心冷却に対しても菅さんが冷却水停止を指示したと言う事を国会にまで持ち出し、菅さんは「そんなことを総理である私が言うわけがない」と否定しても、問題は大きくなるばかりであった。しかし調査の結果福島原発の吉田所長が、所長の判断で、海水冷却を続け、東電本社からの冷却停止の命令を無視して冷却が続けられて居た事がわかり、それ以来、この問題は語られる事はなかった。

結局は、東電内部のデタラメな事故管理の状況が事故調査委員会の調べで分かってきた。このころから、自民党がヤケニ東電を庇い、「事故賠償金は国が全額持つべきだ」と言ったり東電の「発送電分離」問題に強く反対したり、遂にはあからさまに「菅おろし」を叫ぶようになり、「兎も角菅さんだけでも辞めさせるべきだ!」と言うムードを世間に扇動した。
民主党内にも小沢派と言う、過去には東電に世話になって居る紐付き関係もあって党内がまとまらず、頑張った菅さんも辞めることになったのである。従って、国民からみれば「何が悪くて菅さんは辞めねばならないのか??」と言う疑問が残り、判然としない、違和感を持っていたのである。

今回、何はともあれ、与野党の協調姿勢を強調する野田内閣が誕生して、自民党も菅さんから変わったから協調姿勢が示され、震災の復旧・復興が順調に行くことを期待していたが、
一昨日野田総理の所信表明演説に対する代表質問で、谷垣自民党総裁は、再び対決姿勢を鮮明にし、失言辞任した閣僚の任命責任や、子供手当の民主党マニフェストの問題を取り上げ、野田内閣に、国民への謝罪と、直ちに衆議院の解散総選挙を行うよう要求した。また、会期の4日間と言うのも短すぎると反発し、終始、低姿勢を続けた野田総理に強い反発の姿勢をしめした。

これによって、再び復旧復興の遅れが出ることを心配せざるを得ない。審議拒否が続けば口では、協力すると言っていてもそれだけ、遅れる事には変わりは有りません。

結局、自民党は単なる野党と言う反対だけではなく、過去の原子力行政の中で、行っていた、デタラメな実態が、民主党政権下で、赤裸々に暴露されることを恐れての反対ではなかろうかと思わざるを得ない。いまだに東電内部でも、原子力発電に関する作業日誌の資料は、黒塗りデーターしか出して来ないと言う事でも、この問題は、なかなか奥が深いと思われる。
(えびなたろう)