きまぐれ発言

日々変化する世の中をみて、私はこう思う。

原子力事故から半年、進展は

2011-09-09 12:20:55 | Weblog
原子力事故から半年、進展は       (2011.09.09.)

9月11日で、原発事故から半年になる。放射能に対する、色んな対策も一向に進展せず避難家族も何時かは帰宅出来ることを信じている様である。
その間、「早く除染してくれ」とか「早く瓦礫を処理してくれ」とかの声が聴かれ、対策の遅れを非難する声ばかりが声高に聞こえてくる。現状は今一体如何なっているのであろうか。

原子炉に詳しい京都大学の小出裕章先生の説が報道されていたが、「事故は現在も進行中である」との事である。原発の事故は直後の1週間が勝負でその間に「停止」「冷却」「封じ込め」が適切に対処出来ておれば、放射能問題等も無く治まるのであるが、あれから6か月、今もって放射能物質の封じ込めも出来ていない状態では、いろんな可能性が考えられ、今よりもさらに大量の放射性物質が環境に拡散される可能性もあると述べておられる。

と言うのは、地震発生後の処置が迅速に取られておらず、自動的に「停止」までは良かったが、次の段階の燃料棒の「冷却」処置が適格に取られておらず、起こしてはならない炉の空炊きを起こし「メルトダウン」と言う「炉心溶融」を起こしてしまったからである。
其のために事故翌日には1号機が「水素爆発」をお越し、その翌日には3号機が「水素爆発」を起こしている。此の時には既に「メルトダウン」状態であることを推測されていたが、原子力安全委員会は「メルトダウン」を認めず、国民に適格な情報を公開することなく、初期対策を適格に取って居なかったのである。

現在解っている状態では、1・2・3号機ともに「メルトダウン」状態で、溶け落ちた高温の炉心は、圧力容器の底を溶融し格納容器の底までも溶かして一部が外部に漏出していると云われている。従ってこれらによる格納容器の亀裂から放射能に汚染された冷却水の漏水が外部に放出され、更に、外部の地面に潜り込んでいる状態では、放射能汚染は数十年続くであろうと、言う事である。

小出先生の心配されている事は、「79年にスリーマイル島原発事故では核燃料が圧力容器内に留まっていた事が回収に繋がったのであるが、今回の様に格納容器の外部にまで溶け落ちた核燃料の回収は、私にも想像すらできない」と云われている。

事故調査・検証委員会は6月に菅総理の元で造られたが、東電関連の隠ぺい体質は相変わらずで真相究明には消極的である。検証委員会は徹底した実態解明に全力を尽くすと言う事であるから、出てくる報告書を期待したいと思います。
(えびなたろう)