きまぐれ発言

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老齢加算廃止が違法と

2010-06-19 10:56:54 | Weblog
老齢加算廃止が違法と        (010.06.19)

6月14日の福岡高裁で北九州に住む74~92歳の高齢者39人が「生活保護費における老齢加算の減額や廃止は憲法が保障する国民の生存権を侵害する」として処分の取り消しを求める訴訟を起こしていた。

福岡高裁の古賀寛裁判長は、1審で原告の訴えを退けた地裁の判決を取り消し「老齢加算の減額や廃止は生活保護法に反しており違法である」として市にたいして減額や廃止分の支払いを命じた。

生活保護費の老齢加算や母子加算の減額や廃止は、小泉政権下で福祉予算の大幅削減の一環として強行されたもので、社会的弱者を苦しめていた。

従って、これと同じ訴訟は全国8地裁で起こされ、いずれも原告の敗訴が報じられていたが、今回福岡高裁は、厚労省の減額廃止決定に対し、「最低生活水準が維持されるに十分な配慮がなされていない」として、生活保護法56条に言う「正当な理由の無い不利益変更にあたる」と結論付けている。

厚労省の見解では、70歳以上の高齢者の生活費は平均値で65~70歳より少ないから減額および廃止を行う事にしたと言うが、平均値以下の人は生活維持以上に生命維持の限界での生活であるから、少しの減額でも生活維持に大きな影響をあたえている。

菅総理の「最小不幸社会の確立」と言うのも、ナショナルミニマムの救済と言う「政治の究極の対応問題」を言っているので、今までの自民党政権下の弱肉強食一点張りの政治との違いを見せた一面である。息子の小泉新次郎氏は「最大幸福社会」を唱えているが、政治が国民生活の極限にどう対応する責務が有るかが全く解っていない、ただ最小に対抗して最大と言っている様は、何の政治哲学も無い、滑稽としか言い様がありません。
(えびなたろう)