きまぐれ発言

日々変化する世の中をみて、私はこう思う。

混迷続きの日銀人事

2008-03-18 12:14:33 | Weblog
混迷続きの日銀人事      (008.03.18.)

日銀総裁の人事で武藤副総裁が参議院で不同意となったのも、財政と金融の分離を強調する中で両者のバランスをとるため日銀の総裁は、いままで金融出身と財務出身とが交互に選出されていた、だから内閣が提案する人選も殆どケチをつける事無く決まってきたのが実態であった。

其れが、福井総裁のところから、財務出身が二人続き、しかも福井さんは村上ファンドへの投資で利益を得たという総裁として不適切な問題もあり野党からは辞任を要求されていた人である。しかし兎も角、任期まではと野党に我慢を強いてきた経過がある。

今回武藤副総裁を総裁にと言う人事も再び財務出身と言う事に加えて、武藤氏は財務官僚の中でも代表的な色合いを持つ人であっただけに野党から強い不同意の意見が出されたのである。

此れも、参議院が野党多数の「ねじれ国会」があればこそ出て来た問題で、自民党は野党の不同意意見を謙虚に受け止め金融出身の誰かを選べばすんなり纏まるものを、面子にこだわり、なかなか対案を出さず、総裁任期の期限切れぎりぎりまで持ってきて、「決められないのは、野党のせいだ」と協調して、野党の軟化を強く期待している。
野党も不同意している論理に答える提案がないから引くに引けない状態だ。

そして任期切れ2日前の昨日最終提案として、野党に示した案は日銀法を改正して、後任が決まるまで今のまま福井総裁の任期を延長しようと言う物である。

この提案には、計算された裏がある。それは、人事案は参議院で否決されれば白紙になるが、法案改正なら参議院で否決されても衆議院で再可決できると言う魂胆である。

先の暫定税率を継続させたいとの狙いから出した「繋ぎ法案」と同じ考えで、与野党が真に胸襟を開いて、話し合いで解決しようと言う態度ではありません。あくまで与党の提案を面子に掛けても通そうとする衆議院での数をバックにした、姑息な手段であります。

福田内閣は、この様な姑息な考えしか浮かばないと言う事は、福田さんの周りにいる官房長官や幹事長等、知恵の足らない連中の入れ知恵ではないかと思う。
まったく情けない人たちしか居ない内閣だと呆れてしまう。
これでは、民主党も拒否を示すのは当然の事で、総裁人事の空白には民主党自信も困惑しているようである。

道路特定財源問題も、国民の民意が示すとおり、正常な運営に戻す事がなぜ出来ないのか、其れでなくても、次から次へと特定財源が関係の無い無駄な使われ方をしている実例が示されているではないか。
やっと出してくる修正案も、これまた姑息な数字のすり替えだけである。
民主党も、まともな話し合える修正案でない限り、いい加減な妥協は出来ないでしょう。
                 (えびなたろう)